清春【ライヴレポ】ただただ心地良く温かくすらあったバースデイライヴ

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清春が自らの44回目のバースデイの前夜にあたる10月29日、渋谷AXにて『The 44th Birthday』ライヴを行なった。

毎年恒例になっているこのバースデイライヴ(この2年はsads名義で開催)に、約1,500名のオーディエンスが駆けつけた。

19時50分、ブルーのライトを背に、白いシャツにロング丈のジャケット、細身のパンツというスタイリングの清春が登場。ギターを掻き鳴らしあの声を発する。サポートメンバーの三代堅(G)、中村佳嗣(G)、沖山優司(B)、楠瀬拓哉(Dr)が引き締まったサウンドを鳴らす。オープニングナンバーは「予感」だった。ストロングな清春の歌声の節々に、儚さゆえの愛おしさ、大切な人への想い……溢れる感情が滲んでいるのが分かる。圧倒的なその歌は、説得力を帯び、ギュッと前へと詰めかけたファンを飲み込んでいく。清春のギターストロークから導かれた「confusion」では、フロアのオーディエンスが声を重ね、AXは歌に包まれる。

ライヴ中盤。「妖艶」で一度テンポを落ち着かせて、足下のモニターに膝をつきながら清春は艶のある声を響かせる。この直後に演奏された「バラ色の夢」、続く「LAW’S」「CRY OUT」……怒濤のごとく轟いたヘビーで激しい曲たちに反応してフロアが揺れるが、そこにはギスギスした空気や怒り不満といった負の感情の反発として発せられる要素は微塵もなく、ただただ心地良く、温かくすらある。本編ラストの「COME HOME」、清春は巻いていた細いネクタイをほどき客席に投げ入れる。そしてモニターの上に立って客席を見渡した。それに応えてフロア一面に拳、歓声が上がる。清春、サポートメンバー、オーディエンス、場内すべての人が笑顔を浮かべていた。

一度目のアンコールでは、黒夢時代、1997年に発表した「少年」を披露。スペシャルな夜に花を添える。そして2度目のアンコールでは、MCをし始めた清春の言葉の切れ目に、ドンとドラムが鳴り、三代が「Happy Birthday」をギターで奏でる。ケーキが運ばれてきてそこに立つ44本のロウソクの火を清春が吹き消す。

「活動を続けていくと1週間はお祝いされますが、今日が一番たくさんの人に祝ってもらっています。至上の喜びです」と清春が言う。この後、2年後の20周年をカッコイイ46歳になって迎えること、「自分のこれまでの活動中にも、いろんな人がデビューして消えていきましたが、なんとなくですけど消えない自信があります」という彼らしいMCも。続けて「音楽を続けてきて、ただ渋くなるのではなく、今の等身大のポップアルバムができた。しかも薄っぺらいものじゃなくてね」と、11月7日にリリースとなるアルバム『UNDER THE SUN』を言い表した。

「あの詩を歌って」のラストに、『UNDER THE SUN』にも収録されている「涙が溢れる」の、最後のラインを付けて歌い、幕を下ろす。「涙が溢れる」はファンと自分の今の関係性を歌った曲だが、体に残るすべてを搾り出して発せられる渾身の歌声は、やはり温かく、“ファンとのこの関係が続くように”という祈りに満ちていた。

清春は、アルバムリリース、恒例の年末のライヴを経て、年明け1月18日からは全国ツアーも控える。今夜感じた温もりがどう深まり、そして『UNDER THE SUN』の曲たちが伝わった時に出る温度がどんなものなのか、楽しみだ。

TEXT BY 大西智之

【セットリスト】
M1.予感
M2.confusion
M3.ALIZONA
M4.WEDNESDAY
M5.my love
M6.RUBY
M7.新曲
M8.garret
M9.タランチュラ
M10.妖艶
M11.バラ色の夢
M12.LAW'S
M13.CRY OUT
M14.DEVIL
M15.A.M.C
M16.COME HOME
En.1
M17.光
M18.I KNOW
M19.星座の夜
少年
En.2
M20.マークはバタフライ
M20.SANDY
M21.HAPPY
En.3
M22.涙が溢れる
M23.EMILY
M23.あの詩を歌って

New Album『UNDER THE SUN』
2012年11月7日リリース

【ライブインフォメーション】
New Album 『UNDER THE SUN』 リリース記念
11/21 (水) 渋谷 duo MUSIC EXCHANG
http://www.avexnet.or.jp/kiyoharu/news/121121.html

『'12 FINAL』
12/22 (土) 名古屋ダイアモンドホール 公演終了後 X'mas Party 開催
[問]ズームエンタープライズ : 052-290-0909
12/25 (火) 横浜BayHall
[問]HOTSTUFF PROMOTION : :03-5720-9999
12/30 (日) 大阪なんばHatch
[問]大阪ウドー音楽事務所 : 06-6341-4506

天使の詩 2013 『UNDER THE SKIN』
1/18 (金) 長野CLUB JUNK BOX
1/26 (土) 仙台Rensa
2/01 (金) KYOTO MUSE
2/02 (土) KYOTO MUSE
2/08 (金) 浜松 Live House窓枠
2/09 (土) 岐阜 club G
2/15 (金) 柏 PALOOZA
2/16 (土) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2/23 (土) HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
2/24 (日) 熊谷 HEAVEN’S ROCK Kumagaya VJ-
3/02 (土) 水戸 LIGHTHOUSE
3/09 (土) 松山 サロンキティ
3/15 (金) 福岡 DRUM LOGOS

◆清春 オフィシャルサイト
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