歌手で映画監督で小説家の辻仁成が10月31日、東京・下北沢ClubQueで、新ユニットと、新曲のお披露目ライブを開いた。バンド名も決まっていないできたてほやほやのバンドだが、2013年春発売予定の辻のソロアルバムに収録する予定の楽曲を発売前に演奏するレアなライブとあり、出入り口まで人があふれかえるほど。ステージでは「空」「命」など7曲の新作を歌ったほか、アンコールでは、「ZOO」をアコースティックギター1本で歌い上げ観客を魅了。ラストは全員で合唱しひとつになっていた。

◆辻仁成画像

辻のライブが始まる前から熱気に包まれた会場。照明が落とされガッツポーズをした辻が登場すると、大きな拍手が辻を包み込んだ。スタンドマイクを握りしめ「楽しんでいこう!」とシャウトした辻に拳を上げて応えるフロア。<光の中を進め>と歌う「光」では光を追い求めるかのように指先を伸ばし、眉間にしわを寄せシャウトした「怒」では、「我慢するのはもうやめよう」と怒りをあらわに。「心」ではステージから身を乗り出して<その心はどこにいくの><オレの心はどこにあるの><心はロックンロールだよ>と鬼気迫る表情を見せ、聴衆を圧倒していた。

合間のMCでは「バンド名がない」とぼやきながらも、ベースのTokie(unkie)、ドラムの山口美代子(DETROITSEVEN)、ギターの奥村大(wash?)を紹介。自らは『星の“おじい様”』と名乗り、笑いを誘う場面もあった。「このバンドで、もうすぐ10曲入りのアルバムを出します。まだレコード会社は決まっていないのだけど」と告知をすると、「買うよ!」「おめでとう!」などと声が飛んでいた。2013年2月には同メンバーでのライブを予定している。

文:西村綾乃
写真:YUSUKE OKADA