アルマカミニイト、南米ペルーで3日連続イベント出演

ツイート

男性デュオ「アルマカミニイト」が現地時間の11月9日、ペルー・リマ市内の日秘文化会館でファンミーティングを行なった。日系3世のエリックにとっては、3年ぶりの帰国であり、初となるペルーでのイベント。会場前には開場予定の1時間以上前から、すでにファンが長蛇の列を作っていた。

◆アルマカミニイト ペルーでの画像

エリックと宗彦のふたりがステージに登場すると、集まった約400人のファンから大歓声が上がった。エリックはもちろん、ペルー初上陸となった日本人の宗彦も「オラ(やあ)! 宗彦です」と、公用語のスペイン語を使ってあいさつ。「セビーチェ(ペルー料理のひとつ)最高! 愛してますペルー!」と叫ぶと、また大歓声。ふたりはファンと一緒に「雨粒パール」のミュージックビデオを観賞して盛り上がると、イベントは質問コーナーに突入した。

「舞台に立つ時はどんな気持ち?」という質問には、宗彦が「もともとすごく緊張するタイプで、ふたりとも眠れなかったりすることもあった」と告白。「ふたりで疲れた顔になっていることもあるよね、こんな風に」と、お互いに疲れた表情を作って見せると、ファンから日本語で「カワイイ!」と黄色い声が飛んだ。さらに、宗彦が「初めはふたりでぶつかり合うこともあったけど、最近は、相手がいてくれる安心感を感じられるようになった」と話すと、大きな拍手が起こった。

続いて、ファンからリクエストを募り、デビュー曲の「茜」を披露。エリックのギターに乗せ、マイクを使わず生声で歌うふたりに合わせ、ファンも日本語で大合唱。歌いながら、客席に“乱入”してハイタッチするパフォーマンスも見せ、会場のボルテージは最高潮となった。

「こんなに温かい空気で迎えていただいて、うれしいです。グラシアス(ありがとう)!」と、ふたりは声をそろえてペルーのファンに感謝。すると最後のサイン&握手会では、ペルー人のファンから日本語で「ありがとう」「頑張って下さい」と声をかけられるなど、心温まる交流が見られた。

会場の日秘文化会館は、日系人の移民80周年を記念して建てられたものだが、この日集まったファンのほとんどが日系人ではなくペルー人だった。ネットで「茜」を聴いてエリックに興味を持った現地の10~20代のペルー人女性たちがイベントの告知などをする「ストリートチーム」を結成。口コミで今回のファンミーティングの情報を広め、約400人もの参加につながったのだという。

手作り横断幕や、風船を持参するファンの姿も目立った。宗彦は「ペルーの人はエネルギッシュで、パワーを感じました。スペイン語を少しでも話せるようにならなきゃ」と笑顔。日本からの長時間フライトの疲れも吹き飛んだようだ。

翌10日には、リマ市内のラ・ウニオン運動場で行なわれたペルー日系人コミュニティ最大のイベント<“-祭り-”Asociacion Estadio La Union>に出演。地元アーティストのライブや神輿、沖縄太鼓のパフォーマンスに続き、午後11時過ぎにアルマカミニイトがステージ上に登場すると、約2万人の観衆から大歓声が上がった。

「日系社会に育ち、いろんな人の応援を受けて日本に行きました。そして日本に行く前、最後に歌ったこの(<MATSURI祭>の)ステージに戻ってこれました。感謝しています」(エリック)、「遠い日本から来た日本人を応援してくださってありがとうございます!感謝の気持ちを込めて歌います」(宗彦)と、それぞれあいさつすると、会場が大きく湧いた。

この日はデビュー曲の「茜」と「Blue Horizon」を立て続けに歌い上げると、宗彦は着物に着替えて日本舞踊を披露。「人前で舞うのは5~6年ぶり」(宗彦)だったが、ノーミスで師範の腕前を大観衆に見せつけると、大きな拍手が起こった。すると、エリックも負けじとソロで演歌「望郷じょんから」を熱唱。コンテストで南米王者に輝いた声で、故郷ペルーへの思いを込めた。

その後は再びふたりで「青にのせて」と2ndシングル「雨粒パール」を歌って会場を盛り上げて出番を終えたが、大トリの宮沢和史、アルベルト城間、大城クラウディアによるステージに招かれると、「島唄」などを全員で合唱。すでに日付は変わっていたが、覚めやらぬ熱狂を象徴するように花火が何発も打ち上げられ、「MATSURI祭」は大盛況のうちに幕を閉じた。

会場が広いグラウンドだったこともあり、移動のたびに多くのファンが殺到。日本とは違う、まるでアイドルのような扱いに、ふたりは笑顔を見せながらも、ちょっぴり戸惑い気味だった。

11日には日秘劇場で、THE BOOM・宮沢和史がプロデュースしたイベント<NIPPONIA(ニッポニア)>に参加。今回で五回目を迎える同イベントに、第一回から出演しているエリックが、ソロで細川たかしの「望郷じょんから」、自身の「雨粒パール」など3曲を披露すると、客席を埋めた1000人から大きな拍手が起こった。この日もスペイン語で、日本行きを応援してくれた日系人にしっかりと感謝の気持ちを伝えるとともに、宗彦と力を合わせてさらに飛躍することを誓ったエリック。ソロでの出番以外にも宮沢やアルベルト城間、大城クラウディアらと絶妙のコラボを見せ、歌で、踊りで、ギターで会場を盛り上げた。

さらにライブのアンコールでは、「島唄」に宗彦も飛び入り参加。しっかりとコーラスを務め、「ちゃんと歌えるか心配でしたが…。参加できて本当に光栄でした」とホッとした表情で話した。この日も会場からは黄色い声援を受けた「アルマ」。宮沢が「日本で頑張っているふたりをペルーから応援してあげてください!」と会場に呼びかけると、歓声と拍手に包まれた。

3日間のイベントを終え、宗彦は「本当に楽しかったし、温かく迎えてもらって嬉しかった。これからも、気持ちの部分を大切にしながら、(18歳で)歌を歌い始めた頃の初心を忘れずに歌い続けたい。」と、決意を新たにした。エリックも「本当に、この環境(日系人社会)に感謝したい。ペルー人であることを、改めて誇りに思います。」と、しみじみと語った。初のペルー訪問は、イベントも、これからのふたりにとっても、大成功だったようだ。

◆ライブレポート チャンネル
◆アルマカミニイト オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報