【イベントレポート】ソナー・ポケット「あなたのうた」でギネス世界記録達成、金爆も参加者の五感と腹筋を破壊

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12月8日(土)、光回線を使った日本初の音楽ライブイベント「つながる」プロジェクト<oricon Sound Blowin' 10th Anniversary Supported by NTT西日本>が開催された。このイベントは東京渋谷AXと大阪IMPホールをメインに、西日本エリアのサテライト会場を含む全10会場を同時中継で結ぶ“つながるプロジェクト”であり、プロジェクト・リーダー、ソナーポケットの「あなたのうた」を2,200人の参加者が大合唱による輪唱を行うことで、ギネス世界記録に挑戦するというスペシャルな企画が用意されたもの。

◆「つながる」プロジェクト画像

PM03:15、ライブ・イベントは、まずブレイク間近のイチ押し新人アーティストたちを紹介する<oricon Sound Blowin'>で幕を開けた。東京会場からDancing Dolls、近藤晃央、JOKER、Silent Siren、大阪会場からLily.μ、matthews、Civilian Skunk、といったアーティストによるステージが交互に展開される。タオルを首に提げた臨戦態勢のバンド・キッズからスカート姿のOL風女子まで、多種多様な音楽ファンが集まった超満員の渋谷AXには、目の前で展開される迫力のステージはもちろん、スクリーンで繰り広げられる大阪会場のステージも分け隔てなく楽しむ姿があった。7組の熱演が終了したところで、“つながるプロジェクト”がスタートする。

渋谷AXのステージ上には、ライブを終えたばかりの東京会場出演全バンドが再登場。同会場司会者のお笑いコンビ、髭男爵がスペシャル・ゲストのゴールデンボンバーを呼び込むと、客席からは割れんばかりの大声援が飛んだ。「輪唱は苦手ジャンルですけど」という鬼龍院翔の第一声にすかさず髭男爵の突っ込みが入るという爆笑もののやりとりで場内を温めたうえ、「参加させていただくからには、絶対にギネス世界記録を成功させたいと思いますので、よろしくお願いします!」と全会場のボルテージを一気にMAXへ上昇させるあたりはさすが。一方の大阪会場にもプロジェクト・リーダーのソナーポケットが呼び込まれ、名古屋、熊本、石川、広島、愛媛、沖縄、大分、高知といった全会場の模様が中継で紹介されると、遂にギネス世界記録への挑戦、輪唱が行われた。

課題曲は誰もが知っているソナー・ポケットの大ヒット・ナンバー「あなたのうた」。Civilian Skunkのドラマー、ユウイチによるハンドクラップに合わせて、各会場25人以上を2チームに分けた計2,200の輪唱がスタート、3分間の美しい歌声が全会場に広がった。これは、光回線「フレッツ光ネクスト」と遠隔地音楽セッションを可能にするサービス「光☆DUETTO」によって初めて可能となったもの。たとえば500km離れた東京と大阪でも、同じ部屋にいるほどの感覚で音楽セッションができるというタイムラグがない最新通信技術だけに、“あれ、声が、遅れて、聞こえるよ”(←byいっこく堂)といったテレビ中継でありがちな状況もなくなるわけだ。そして、“3分間以上”“10会場同時”“2千人超”の輪唱が、ギネス世界記録として集計/認定されるまでの間は、東京会場のスペシャル・ゲストであるゴールデンボンバー、大阪会場のスペシャル・ゲストにしてプロジェクト・リーダーのソナーポケットによるライブが行われる。まずはお待ちかねのゴールデンボンバーの登場だ。

ステージ上には、ヤマハのドラムセット、ESP製ホワイトのギター、ブルーのジャズベースがセットされている。その中央には白いビニールテープで“↑ゲイ”と雑に落書きされたお立ち台が、この上に立つボーカリストの登場を待っている。場内が暗転すると、メンバーが小走りに姿を現した。「頭、振れますか!」と鬼龍院。鳴り響いたSEは、高速2バス・ビートをミックスしたソナーポケットの「あなたのうた」メタル・アレンジだ。のっけからヘッド・バンギングが場内に波打ち、あっという間に自分たちのペースに巻き込んでしまう、恐ろしくパワフルで呆れるくらいユーモラスなステージが始まった。

オープニング・ナンバーは、<レッツゴーKY イケイケゴーゴー>の大合唱が咲き乱れるアゲアゲ・ナンバー「レッツゴーKY」だった。もちろんギターの喜矢武豊とベースの歌広場淳は楽器を抱えつつも弾かない、ドラムの樽美酒研二にいたってはドラムセット背後のお立ち台で踊っている時間のほうが圧倒的に長いくらいにエアーバンドの本領を発揮する。

続くMCでは、「まずソナーポケットさんに、すみませんでした」と、先の“輪唱苦手”発言などを詫びる鬼龍院に、「発言には気をつけろ!」と自らの紅白出場記者会見をものの見事に棚上げする樽美酒。これには全員から「オマエだよ!」と突っ込みが入る。「あと、オープニングで「あなたのうた」をヘビメタ調にしてすみません!」と鬼龍院…という即席漫才のようなMCが小気味良い。また、メンバー紹介では喜矢武が「この間、歌番組で鈴木福さんに会ったんです。芦田さん福さんは大先輩ですからね、“さん”付けです。今日は仕事終わりで間に合えば、この会場に来られると言ってくれて」と驚きの報告も。そして、「まずはこの場を借りて謝罪したいことがあります」と口火を切ったのはもちろん樽美酒だ。紅白記者会見での不適切な発言を詫びると同時に、紅白への憧れを語り出した。「みなさん覚えてますか、DJ OZMAさんが裸模様のボディスーツで出たやつ。あれすげぇいいなーと思って。やっていいですかね、紅白で。今日はDJ OZMAさんに直談判して借りてきたので披露したいと思います」と、またもやのキケン発言。

しかし、「これは僕らからの提案なので、やるなと言われたことはやらないですけどね。さっきの輪唱でもふざけちゃいそうになったけど、ダメと言われたらやらないのがゴールデンボンバーですから」と鬼龍院が速攻のフォローをしたところで、曲は「抱きしめてシュヴァルツ」へ。客席一面に輝く星形のルミカライトがマイナーメロをより煌めかせる流麗なナンバーだが、ゴールデンボンバーらしいハイライトはその間奏にあった。ステージ上手から下手にピンと張ったワイヤー上を、ハンガーに掛けられた鈴木福くん的コーディネートの“服!(福)”が疾走する。続いてそのワイヤー上を疾走したのは、マネキンの“足だ!(芦田)”…と前術のMCにオチをつけた喜矢武。さらには、その間奏がいつの間にかDJ OZMAの「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」に変わり、ドラムセットの背後にタタミ2畳程度の薄いホワイト・スクリーンが張られた。そこに浮かび上がった樽美酒のシルエット。スクリーンが上から徐々に落とされると、まずは後ろ姿の樽美酒が裸ボディスーツを着用していることが確認できる。そしてスクリーンが全開すると、ケツ丸出し!…という笑撃パフォーマンスに、中継でつながった全会場はもちろんUSTREAM生配信を目撃していた全世界の金爆ファンも腹を抱えて転げ回ったはず。

色違いのジャケットを着用したメンバー全員による振付ダンスが見ものの2013年元旦リリース作品「Dance My Generation」、オペラ調の歌唱法やパラパラ風ダンスを採り入れた高速ナンバー「今夜も眠れない(病的な意味で)」を立て続けに披露したライヴの大団円は、大ヒット曲「女々しくて」だった。文字通り会場が揺れた全5曲全30分のステージは、あまりのド迫力と4人の爆発的なパワーに五感と腹筋をやられたまま幕が閉じてしまった。期待を裏切らない彼らのパフォーマンスとクオリティの高い楽曲が、引き続き大きな衝撃と波紋を呼んでいくに違いない。

本日の大トリとなるソナーポケットのライブは、「今日はあなたのストレス、涙、全部持って帰ろうと思いますので、まずはこの曲を聴いてください」というMCに導かれて、「あなたのうた」からスタートした。スクリーンには全10会場の一般参加者が同曲を口ずさむ姿が次々と映し出される。「月火水木金土日。~君に贈る歌~」で大阪IMPホール同様、タオルを振り回して熱狂したのは渋谷AXの客席。ここにも場所を超え、ひとつの音楽で一体になる素晴らしい光景が広がっていた。大ヒット曲がこれでもかと言わんばかりの勢いで次々と披露した彼らのライブは、「今日、このイベントを作っているすべてのスタッフの方に、みんなで拍手!そして、毎日がんばって生きている自分自分に拍手!」という温かい言葉で幕を閉じた。

イベントの最後は、大阪IMPホールのステージにギネス世界記録公式認定員が登場。これまでの輪唱記録は、2012年10月にイギリス・リバプールの会場にて、ザ・ビートルズのデビューを記念したファン1,631人の「ラブ・ミー・ドゥ」輪唱によるものだという。そして公式認定員の口から、遠隔地の10会場をつないだ“参加人数2,200名での輪唱”を新記録として認定する旨のアナウンスが流れると、全9組のアーティストと全会場の観客が一斉に喜びを爆発させた。

今回のプロジェクトリーダーを務め、事前に特別会場を訪問して参加者との交流を持つなど、プロジェクトの成功に向けて尽力してきたソナーポケットは、大成功となったイベントを喜びのコメントで締めくくった。

「みんなが力を合わせて奇跡を起こしました。いろいろな音楽の広がり、可能性を感じています」──matty

「たくさんの人が手を貸してくれて、全国のみんなが手を取り合ってひとつにつながりました。みんな自分自身に拍手してください」──ko-dai

「新しい歴史をみんなと作れてうれしいです。夢みたい。歌を歌ってみんなで笑顔になれたのが最高です」──eyeron

アーティストと全会場の観客全員が場所や距離を超えてつながり、心と声をひとつにしたイベント“つながるプロジェクト”は、音楽で一体になる素晴らしさを世界が認める記録と世界中の記憶に刻み込んで、この日の幕を閉じた。最後に、このライヴ・イベント終了直後の渋谷AXステージ上で行われたゴールデンボンバー・インタビューの模様をお届けしよう。

   ◆   ◆   ◆

──改めて、今日のイベントを終えての感想からお願いします。

鬼龍院:ギネス世界記録ってすごいことだと思うんですよ。ただ、僕ら、こうして表立ってコメントしてますけど、何にもしてないですから(笑)、恐縮ですね。でも、ギネス世界記録の一部に加われたということで、なんか初めての感覚です…そりゃそうか(笑)。

──「光☆DUETTO」システムはいかがでしたか?

鬼龍院:今までは音声が遅れるのは当たり前でしたからね。それが、こうして輪唱ができちゃうという意味では、これを皮切りに音楽でやれることの幅が広がるかもしれない。たとえばセッション的なこともできるだろうし。まだまだやれることがいっぱいあるなと感じましたね。

喜矢武:ホントにすごい声が早くて。だから映像が遅れてたんですけど(笑)。

鬼龍院+歌広場+樽美酒:おい!

──でも、ホントに映像のほうが遅かったんですよ、今までは音のほうが遅れていたんですが。こういう技術があれば、たとえゴールデンボンバーのメンバーがバラバラの場所にいたとしてもひとつのことができますね。

鬼龍院:もうすでにいろんな意味でバラバラなんですけどね。

──そんなことないじゃないですか(笑)。ちなみに今日は“つながるプロジェクト”ということで、メンバーをつなぐ絆の秘訣みたいなものはありますか?

樽美酒:ないです。

鬼龍院:他の3人が何もできないっていうのが、一番のつながる秘訣じゃないですかね。

喜矢武:本当の壁はココにあります。こっち(喜矢武+歌広場+樽美酒)ができないほうで、こっち(鬼龍院)ができるほうです。

──でも、こういうシステムがあれば、音楽のほうでも徐々に…

喜矢武:音楽の話はしないでください!

鬼龍院+歌広場+樽美酒:おい! せっかく取材していただいているのに!

──ゴールデンボンバーの活動の刺激にもなりますか?

鬼龍院:今日はソナーポケットさんの歌でしたけども、来週あたり、「女々しくて」でまったく同じことをやって記録を更新しようかと思います。今日の記録+1人、で。

喜矢武:それだ、よし!

歌広場:そうなると、輪唱は「女々しくて 女々しくて 女々しくて♪ 女々しくて 女々しくて 女々しくて♪ 女々しくて 女々しくて 女々しくて♪ 女々しくて 女々しくて 女々しくて♪ 」ってなるね。

樽美酒:それはイヤだな(笑)。

──ははは。では最後に、メッセージをお願いします。

鬼龍院:どうも!ギネス世界記録を達成したゴールデンボンバーです。

歌広場:俺たちがやったみたいになってるけどね、違うよ!

鬼龍院:年末には紅白も出るし、来年ちょっと休みがあるけれども、その間に鍛え上げて、前よりも良いゴールデンボンバーを見せたいと思いますので、どうかみなさま、ゆっくりとちょっと長めの正月休みを取って、待っていてください!

◆「つながるプロジェクト」オフィシャルサイト
◆番外編:ゴールデンボンバー、「紅白が終わるまでは軽はずみな発言は控えたいと思っております」
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