ライヴァル・サンズ、U.K.ロックアルバムチャートで1位を獲得した最新作が日本上陸

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2011年にワールドワイドデビュー作『Pressure & Time』で大きな話題を集めたL.A.出身の4人組ライヴァル・サンズが、待望の最新作『ヘッド・ダウン(原題:Head Down)』を12月12日(水)にリリースする。

ライヴァル・サンズは、往年のLED ZEPPELIN、ROLLING STONES、THE DOORSなど、60、70年代のバンドの雰囲気を醸し出す、至極のピュアなロック・サウンドが特徴のバンド。

この『ヘッド・ダウン』は前作に引き続き、大物プロデューサーであるデイヴ・コブと、グラミー受賞エンジニアのヴァンス・パウエルを迎えて制作され、U.K.ロックアルバムチャートで1位を獲得。さらにUK「CLASSIC ROCK AWARDS 2012」でBREAKTHROUGH ARTISTを受賞。海外の雑誌では表紙を飾るなど、大きな注目を集めている。

『ヘッド・ダウン』は、前作で聴かせた60年代70年代のテイストに加え、モダンなサウンドを融合させた本格的ロックサウンドがベースになっている。第一弾シングルとしてPVも制作されたM1「Keep On Swinging」から始まり、サイケデリックな雰囲気を醸しスケールアップしたVoジェイのカリスマ性、縦横無尽にリフを操るスコットのギター、R&Bやソウルに影響を受けたロビンのベース、へヴィなグルーヴを叩き出すマイクのドラム。“これぞロック”という内容になっている。

日本でも<サマーソニック2011>に出演し圧倒的なパフォーマンスを披露し、雑誌の新人部門で2位を獲得するなど、日本での知名度もうなぎ上りだ。

そのライヴァル・サンズのベーシスト、ロビン・エヴァーハートのインタビューが到着している。新作のことについてじっくり話を聞くロングインタビューだ。これを読んで、最新作『ヘッド・ダウン』の魅力をガッツリと感じてほしい。

<ロビン・エヴァーハート(b)インタビュー>

――新作の「HEAD DOWN」ですが、日本では12月に発売されます。素晴らしい内容で、これぞロックの傑作と言えると思いますが、既に発売されたU.K.では“Rock Album”チャートで1位を獲得したようですね。おめでとうございます!

ロビン・エヴァーハート(以下R):どうもありがとう!嬉しいよ。それが果たしてどんな意味を持つのか、はっきりとしたことはわからないけど、いい響きだね。すごくいいカンジだよ。

――その新作に関してですが、前作からほぼ1年という中でリリースとなりました。ツアーも多くこなしていく中で、当初からこの短いスケジュールでの今作の発売が決まっていたのですか?

R:そう、出来るだけそうしたかった。このバンドを始めた時は、年に2枚アルバムを出したいと思っていたんだけど、しばらくするとそれは無理なことがわかったんだ。

――年にアルバム1枚でも十分だと思いますよ。

R:俺もそう思う。それも出来ないのは恥だけどさ。とにかく、新曲のレコーディングは俺たちの大好きなことだからね。ツアーはその副産物に過ぎないよ。だから、わざわざ時間を割いて作ったのさ。そこをツアーで埋めることだって当然出来ただろうけど、2月のツアーは全てカットして、ニュー・アルバムのレコーディングに費やしたんだ。その頃もまだ、アルバム『PRESSURE & TIME』に伴うツアーをかなりやっていたんだけどね。それを嫌う人間もいたけど、それが俺たちのポリシーなのさ。

――つまり、ツアーの合間を縫ってレコーディングしたということですか?

R:そうだよ。EVANESCENCEとのアメリカ南東部ツアーが終わってからレコーディングに取りかかって、それが終わるとまたU.K.に行ったんだ。

――アルバム制作当初に、今作のコンセプトとかありましたか?

R:いや、なかったね。またアルバムを作ろうと思っただけだよ。ただ、『PRESSURE & TIME』が短すぎただの、俺たちのアルバムは短いだの、曲はどれも短すぎるだのと言われたんで、そこを改善しようと思って長めの曲を、長めのアルバムを、よりビッグなアルバムを作ろうと思ったんだ。でもそれ以外は、ただその時の気分でやったんだよ。しかも5分以上の曲がいくつかある。

――そうですね。(笑)今作では再びプロデューサーにデイヴ・コブを迎えています。前作時にスコットにインタビューした時、デイヴは多くのテイクをやり直しさせるより、スポンテニアスな雰囲気を大事にしてくれると言っていました。あなたもそう思いましたか?

R:全く同感だね。そしてそれは、今回も同じだった。これはかなり大胆なやり方だよね。こういうやり方をしているプロデューサーって、いまどき他にいるのかな。こうすると、レコーディングに人間味が加わるんだ。スポンテニアスなフィーリングを捉えずにあまり考えすぎると、ピッカピカの糞みたいになってしまう。

――デイヴとは、前作での反省点みたいなものも含めて事前にアルバム・サウンドの方向性など話し合ったりしたのでしょうか?

R:話し合いはほとんどなかったね。俺たちのレコードは全て彼が手掛けて来たから、もはや習い性になっている。彼は、レコーディング時のこのバンドのサウンドにとってなくてはならない存在になったんだ。曲作りにも、大抵彼は首を突っ込んでいるよ。というわけで、話し合いはほとんどないけど、俺たちのアルバムは全て彼が手掛けて来たから、俺たちの間にいいエナジーが流れていることは彼にもちゃんとわかっている。だから、俺たちが考えていることはほとんど、俺たちが彼のところに行く前から彼も既に考えていたと思うよ。

――このバンドにはメイン・ソングライターという人がいるのですか?

R:他のどのメンバーよりも書いているヤツがいるとすれば、それはジェイだね。彼は歌詞も書かないといけないからだ。でも俺たち全員、曲作りのプロセスに関わっているよ。

――なるほど。つまり、曲作りとレコーディングは同時進行で行なわれたというわけですか?

R:その通り。何もないままスタジオ入りしたんだ。たとえ、スコットなりジェイなり俺なりにアイディアがあったとしても、「さあ、誰かアイディアはあるか?今日曲を作るんだからな」って言われない限り、みんなに聞かせないんだよ。そう言われると俺も、「おい、これを聞いてみてくれ。こういうアイディアがあるんだ」と言ってみんなに聞かせると「それ、最高だね!」って言うヤツもいれば、「それ、最低だな!」って言うヤツもいる。ダメ出しが出たら他のメンバーのアイディアを聞いて、良ければそれに取り組んで曲を作って、それをレコーディングするんだ。

――アイディアは全て、スタジオでジャムりながら出て来るのでしょうか?

R:そうだよ、その日にね!

――前作は、正にロックというカンジで、バンド全体の一体感を感じられた素晴らしい作品でした。今作ではより彩鮮やかな作品になった印象を受け、メンバー個々のキャラクターや、影響を受けて来たものが、さらに色濃く出ているように感じました。

R:ありがとう。

――でも先ほど言われたように、特にそういう風に意図して作ったわけではないんですよね?たまたまこうなったと?

R:時間があまりないと、本能がスケジュール通りに事を運ぼうとするものさ。選択肢なんかなかったけど、キャラクターは自然と滲み出たんだろう。

――タイトルの『HEAD DOWN』は、オープニング曲の“Keep On Swinging”ともリンクしていますね。このアルバム・タイトルは誰のアイディアだったのですか?また、どんな意味を込めましたか?

R:その“Keep On Swinging”の歌詞に出て来るんだ。ジェイだかスコットだかがいいと思ったことなんだよ。俺たち自身を追いこんで曲を作って完成させるプロセスを表わしているんだ。(訳注:“head down”には“突き進む”という意味があります)集中して邪魔が入らないよう、短期間で素晴らしいものを作ろうとすることだよ。

――「Keep On Swinging」の内容自体、アルバム・ジャケットと何か関連性があるのですか?

R:あれは、嬉しい偶然だったんだと思うよ。ヘビは以前から俺たちの強力なイメージだったから、そういうことがあってもそんなに驚くことじゃないさ。ビデオのヘビは、監督のグレッグ・エフレイムのアイディアだったんだ。

――各曲に短いコメントをお願いします。

R:「Keep On Swinging」は、後の方でレコーディングした曲なんだ。スコットがオープンGチューニングで弾いているうちにあの曲のリフをいくつか思いついたんだよ。かなり簡単にまとまったな。ブリッジは俺が考えたけど、後で切り貼りして真ん中あたりに持って来たんだ。というわけで、スコットのリフを元に全員で作業したけど、何をすべきかはかなりはっきりしていたから楽だった。ゴキゲンなロック・ソングさ。

「Wild Animal」では、いかにも俺たちらしい、ROLLING STONESの「Satisfaction」みたいなフレーズにしようと思ったんだ。ベースラインやフックは、モータウンのTEMPTATIONSみたいなカンジかな。「Satisfaction」とFOUR TOPSを足して割ったようなカンジだね。

「You Want To」は、THE MONKSというバンドの「Monks Chant」という曲を聴けば、ファスト・ペースなドラムのタムのカンジが似ているのがわかるはずだよ。あと、イントロはSMALL FACESの「Come On Children」という曲をすごく彷彿させるな。

――その曲だけでなく、このアルバムには60年代を彷彿させる箇所がありますよね。

R:素晴らしい!俺たちは60年代の音楽が大好きなんだ。ほとんどの人は70年代が好きだけど、俺たちの音楽をよ~く聴くとそこに60年代が入っているのがわかるはずだよ。この曲は最初はTHE ANIMALSの「Hey Gyp」みたいなカンジだったけど、最終的にあのリフに落ち着いたんだ。

「Until The Sun Comes」のリフは、デイヴ・コブが考えたんだ。ピュアでシンプルでスウィートなポップ・ソングだな。それを聴いたジェイは、「楽しい曲だね。踊ろうか!」と言ってやったんだ。俺たちはこれを「ジューシー・フルーツのコマーシャル」って呼んでいる。ジューシー・フルーツはチューインガムのことなんだ(笑)。

「Run From Revelation」は、スコットが考えたダーティでスワンプしたブルースを聴いたマイクと俺が、「わかった。おまえのそのダーティでスワンプしたブルースを、俺たちが超ディアンジェロ風のファンクにレベルアップさせてやるぜ!」ってカンジだった(笑)。そうやって、両方の要素が入ったような曲になったんだな。結構ハチャメチャだよ。

「Jordan」は、ジェイがほぼ1人で書いた。俺たちが他の曲に取り組んでいた時、彼はこれにかかりっきりだった。すごく美しいけど悲しげで、初めの方で完成した曲だった。ここでアコースティック・ギターを弾いているのはジェイなんだ。弾き語りをしている。この曲を全員で弾いたのはこのテイクが初めてだった。

「All The Way」もジェイのアイディアから生まれた曲。彼はみんながシンガロング出来て、しかもストーリーを語れる曲を作りたかったんだな。ボー・ディドリーとか、DYKE & THE BLAZERSの「The Wrong House」みたいに、ストーリーを長く語るような曲にしたかったんだ。

――その曲などは、黒人の女性バッキング・ヴォーカルがいてもおかしくない雰囲気でR&Bスタイルが上手くバンドにはまったと思います。今後はそういったバッキング・ヴォーカルやオルガンなど、アルバムやライヴに迎えようかな、とか思ったりしますか?

R:そのアイディアは、もう少しでやろうかっていつも思うんだ。確かに、ぴったりだものね。“Jordan”もそうで、あのバッキング・ヴォーカルを黒人女性にしたっていいよね。でもさ、「結局俺たちは黒人女性じゃないんだから、カリフォルニア出身の白人野郎でバッキングをやってやろうじゃないか!」って思ったんだ。でも、前作『PRESSURE & TIME』にはオルガンが、ウーリッツァーがかなり入っていたんだよ。友達のアーランがプレイしてくれたんだけど、そのおかげで曲がひきたった。それまでは気に入らなかったのに、彼が来てウーリッツァーとオルガンを弾いてくれたおかげで「遂にやった!」ってカンジになった曲があったんだ。今回も、彼にナッシュヴィルに来てレコーディングしてもらっても良かったけど、結局それはなくなった。メンバーでもない人間にわざわざ来てもらわなくてもいいんじゃないかと思ってね、必要最小限に留めたんだ。でも、今後また彼にやってもらうかもしれないよ。大所帯でやるのはいつだって楽しいから、俺としてはいつかまたやってみたいと思っている。

「The Heist」は、スタジオから出て行こうとした時に出来たんだ。もう少しでボツにしようと思っていたんだけど、ジェイがすごくイカしたストーリーを思いついたんだよ。声も素晴らしかった。エンゲルベルト・フンパーディングでも乗り移ったのかな。とっても50~60年代していた。素晴らしかったよ。今じゃ、この曲が大好きさ。

「Three Fingers」は、とてもジミヘンっぽいね。ハイ・エナジーでガツンとやろうっていう内容の曲さ。

「Nava」はソロ・ギター曲だから、もちろんスコットが書いた。確か、彼はこの曲を携帯で録音して、後でプロトゥールズに入れたんだと思う。実は、この時のアイディアが元になって、最後の曲「True」が出来上がったんだ。

「Manifest Destiny」は“Pt 1”と“Pt 2”があるけど、実は“Pt 2”が先に出来たんだ。最初の頃に作った曲だけど、もしかするとこれのリフはスコットが以前から温めていたのかもしれない。確か、『PRESSURE & TIME』の頃に彼がこれをジャムっていたのを憶えているもの。でも、レコーディングはしなかったんだ。あの時はいまいちだと思ったけど、今回はそれが戻って来たんだな。どうすればいいか、はっきりとはわかっていなかったけど、最後の方で「Manifest Destiny Pt 1」のレコーディングをしていた時のことだ。エンジニアを待っていたか、他の曲をレコーディングしていた時に誰かがメチャクチャやったかして、俺たちはイライラしていた。そこでスコットはそのイライラからヴォリューム・ペダルで遊んでいた。で、たまたまギターで低音を弾いたら、あの「ワオワオワオワオワオワオワオワオ」っていう音が出たんだ。それを聴いたデイヴは、「素晴らしい!それ、憶えておいてくれよ。後で使うから」と言った。それで、後になって俺が「あのトレモロのアイディアを使ってみようぜ」と言ったんだ。その時俺たちはコーヒーを飲みながら、マイクはドラムを、スコットはギターを弾いていたんだけど、「さあ、準備は出来たぞ。やろうぜ!」ってカンジで、壮大なギター・ソロになったんだよ。これは2テイクやって、それをつなげて長くしたんだけど、かなりサクッと出来たな。メロディはもちろん、ジェイが書いた。あのファルセットで、狩りからキャンプ場に戻って来ると、みんな殺されていたっていう怖いストーリーを語ったんだ。ちなみにもう1つの曲「Manifest Destiny Pt 2」は、アメリカ先住民が自分たちの仲間を殺した連中に復讐するっていう内容なんだよ。

「True」はさっきも言ったように、「Nava」から生まれた音楽の種を元にして、ジェイがラヴ・ソングを書いたんだ。彼は、昔ながらのクルーナー唱法で歌いたかったんだな。遥か彼方のアイルランドとか、スコットランドとかで歌われていたようなカンジでさ。これまたファースト・テイクだよ。ミスというか、嬉しい偶然というか、そういったものが入っているんで、聴いてみてくれ。最後にテストがあるんだ。

――他に、レコーディング中のユニークなエピソードなどありますか?

R:ジャック・ホワイトのエンジニアのヴァンス・パウエルと一緒に仕事が出来たことも、ナッシュヴィルでやれたことも良かったな。ある日『Franny’s』っていう地元の有名なレコード屋に行ったら、THE BLACK KEYSのダン・オーバックに会ったんで彼とちょっと話をしたんだ。あと、別のレコード屋に行ったら、ランチに出かけようとしているジャック・リーを見かけた。ナッシュヴィルにはイカした人たちが大勢いるよ。あと、THE RACONTEURSのドラマーのパトリック・キーラーにも会った。デイヴが借りていたスタジオに来ていたんだ。俺たちのレコーディングは主に彼の家で行なわれたけど、レンタル・スタジオでもやったんだよ。で、ある日そのスタジオにマイクを取りに行ったら、そこでパトリック・キーラーが自分のバンドでリハーサルしていたんだ。というわけで、ナッシュヴィルはイカした雰囲気に溢れている。イカした人たちに会えるし、イカした人たちと一緒に仕事が出来るんだ。

――最後に、アルバムを待っている日本のファンへ、そしてRIVAL SONSを知らないファンへメッセージをお願いします。

R:ファースト・アルバムを持っているファンへは、アリガトウゴザイマス。どうもありがとう。俺たちを見つけてくれてありがとう。日本にはあまりちょくちょくは行けないけど、それは俺たちが行きたくないからじゃないんだ。俺は日本が大好きなんだよ。実は、高校時代に日本に行ったことがあるんだ。<浜松パン・パシフィック・バンド・フェスティヴァル>に出たことがあるんだよ。環太平洋地域のバンドで招かれたのは俺たちだけだった。だから俺は、高校時代から日本が大好きなんだ。そのことでも、ありがとうと言いたいね。そして、これからRIVAL SONSを聴くというファンへ。ヘッドホンをつけて大音量で聴いてくれ!じきに、日本に行って君たちをロックさせてやるからな!

『ヘッド・ダウン』
2012.12.12リリース
QIHC-10052 \2,700(tax in)
国内盤のみ日本オリジナル・ブックレット付き
1.Keep On Swinging
2.Wild Animal
3.You Want To
4.Until The Sun Comes
5.Run From Revelation
6.Jordan
7.All The Way
8.The Heist
9.Three Fingers
10.Nava
11.Manifest Destiny Pt.1
12.Manifest Destiny Pt.2
13.True

◆HYDRANT MUSIC
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