トニー・ヴィスコンティが語るT・レックス、「マーク・ボランには2つの顔があった」

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T・レックスやデヴィッド・ボウイの作品で知られる名プロデューサー、トニー・ヴィスコンティがT・レックスのフロントマン、マーク・ボランについて語った。

ヴィスコンティによると、ボランはスタジオではファンやメディアの前で見せるのは違う顔を持っていたという。彼はBBC 6ミュージックでこう話している。「彼には2つのペルソナがあった。間違いないよ。どちらもマークだ。作りものじゃない。プレスの前では妖精や子供のような、すごくチャーミングでキュートな顔を見せていた。でも、スタジオでは…、ナーバスだった。いいアルバムを作りたいっていう意気込みがあったからだと思う」

ヴィスコンティはまた、今年リリース40周年を迎えたアルバム『The Slider』(1972年)の制作時をこう振り返っている。「バッキング・トラックのレコーディングにあまり時間をかけることができなかったんだ。マークは当時、税金から逃れようとしていて、UK以外のところでやらなきゃいけなかった。ちゃんといい音が録れるようにマイクのセッティングに気をつけた」「そして、録音したものは何もかもちゃんととっておくようにした。当時、そういうのは珍しかったんだ。みんな、ヴォーカルの録り直しやスクラッチ・ギターなんかキープしてなかったよ。でも、前作でマークと作業して、何もかも取って置いたほうがいいのはわかっていた。リメイクする余裕なんてなかったから」「だから(この作品には)ライヴ感があるんだと思う」

トニー・ヴィスコンティは、ティラノザウルス・レックス時代からのT・レックスのアルバムの大半をプロデュース。『The Slider』は、大ヒットした『Electric Warriror』に続く作品で、スタジオ内にはナーバスな空気が流れていたという。

Ako Suzuki, London
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