高級車・マセラティとヴァイオリンの至宝・ストラディヴァリウス。音色に隠された意外な秘密

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マセラティといえば、「GranTurismo」でもおなじみ、イタリアの高級スポーツカーメーカー。ストラディヴァリウスといえば、こちらもイタリアが生んだ弦楽器職人・アントニオ・ストラディバリが作り上げたヴァイオリンの至宝。このイタリア生まれの名車と名器、実は意外な秘密がある。

◆マセラティとストラディヴァリウス 画像、分析結果のグラフ

マセラティ ジャパンは、このほど、マセラティモデルのエンジン音に関する科学的な分析を初めて実施。その結果、マセラティのエンジン加速音とヴァイオリンの名器として知られるストラディヴァリウス(今回使われたのは、1731年製「Romanoff(ロマノフ)」)の演奏音とに、主観、客観、物理評価において共通点があることが明らかになった。

この分析を行なうきっかけとなったのは、サウンドデザインラボと中央大学理工学部 音響システム研究室が共同で実施した「エンジン音快適化プロジェクト」(2012年7月発表)の<エンジン音と弦楽器の音には共通点が多い>という調査結果。マセラティ ジャパンでは、これまで感覚的にだけ捉えられていたマセラティのエンジンサウンドの魅力の秘密を解明するため、さらに詳細な実験を両者に依頼した。

実施された分析実験は、加速音(対象モデル:「マセラティ クアトロポルテ スポーツ GT S アワード・エディション」)とヴァイオリンを含む5種類の管弦楽器について、聴音時の印象を調べる「音響心理実験(主観評価)」、 ストレス負荷と脳活性の変化を調べる「生体情報計測実験(客観評価)」、「周波数分析(物理評価)」。またあわせて、価格帯の異なる4種類のヴァイオリンについても同様の評価を行なった。

音響心理実験(形容詞対を用いた感性アンケートによるエンジン音の主観評価)から、クリエイティブ因子、迫力因子、スピード因子が高いという評価を得たマセラティの加速音。さらに、同車の加速音と他社製自動車のそれを聞いた時の心電波形と前頭前野の脳血流量の変化を比較した生体情報計測実験に基づく客観評価では、他車加速音に比べて脳を活性化させることが判明した。スペクトログラムによる比較からは、高次倍音が明瞭であることがわかった。

一方、楽器との比較分析では、主観評価、脳血流量の変化を調べた客観評価、および物理評価において、ヴァイオリンとマセラティの加速音に近い値が得られた。そこで、価格帯の異なるヴァイオリンの音色を比較したところ、価格が高いほど、高次倍音が明瞭で、快適な印象を受け(主観評価)、脳を活性化させる(客観評価)ことがわかった。この特徴がとりわけ顕著だったのは、比較したヴァイオリンの中でも最高価だった、ストラディヴァリウス。

そこで、ヴァイオリンとマセラティの加速音のスペクトルの類似性について相関係数を用いて調べたところ、ストラディヴァリウスの音は他のヴァイオリンよりもマセラティの加速音との相関が高い(物理評価)ことがわかった。

以上の結果から、マセラティの加速音とヴァイオリンは、今回実施した3つの評価すべてにおいて「迫力があり、創造力をかき立てる。(主観評価)」「脳を活性化させる効果がある。(客観評価)」「音響特性として、明瞭な整数次倍音がある。(物理評価)」という共通性を示し、なかでもストラディヴァリウスは、脳の活性化や高次倍音の明瞭さにおいて相関が高いことが明らかになった。

マセラティ ジャパンは、マセラティのエンジン音と楽器との共通性をより多くの人と確認・共有できるよう、専用サイト「Sensory Driving Project」を開設。このサイトでは、マセラティの魅力的なエンジン音とストラディヴァリウスのふくよかな音色の聴き比べが行なえる。

「このプロジェクトは、マセラティの魅力を五感を通して知っていただくための取り組みです。マセラティは、スペックだけで語れるクルマではありません。感覚に訴え、感情を揺さぶり、魂をインスパイアする──。このマセラティの数値にできない魅力を、なんとか分かりやすく証明できないものかと考えていました。今回、マセラティの魅力を語るうえで欠くことのできないエンジン音について、各方面の協力のもとに調査、分析を行いました。とても日本らしい独創的で繊細なその研究とそこから導かれた結果は、私としても驚くべきものでした。ともにイタリアから生まれたヴァイオリンの名器“ストラディヴァリウス”とマセラティが実は多くの共通点を持っていたのです。今回のプロジェクトを通じてマセラティの魅力をより多くの方に感じていただければと思います。」── ファブリッツィオ・カッツォーリ(マセラティ ジャパン代表取締役)

◆Sensory Driving Project
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