【ライブレポート】UVERworld、これほど力強い音と気迫を届けられるバンドはそうはいない

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熱心なファンならばよくやることだが、同じツアーの中で違う場所のライブを見るのはとても楽しく興味深い体験だ。たとえセットリストが同じでも、会場が違えば音が違う、人が違えば空気も違う。ライブはナマモノとはよく言ったもので、一期一会の営みが激しくスパークしてクライマックスを迎える、バンドとオーディエンスが一体となった快感曲線の高まりは一度として同じものはない。

◆<UVERworld 2012 アリーナツアー>12月1日(土)さいたまスーパーアリーナ 画像

11月10日(土)の国立代々木競技場第一体育館から3週間後、12月1日(土)のさいたまスーパーアリーナで見たUVERworldは、ツアー初日の硬さが見られた代々木とは異なり、よりしなやかで堂々としたステージングを見せてくれた。アリーナという大会場の隅々まで、これほど力強い音と気迫を届けられるバンドはそうはいない、そのことを痛感させる圧巻のパフォーマンスがそこにあった。

「ぶっとんだ1日にしようと思います。上がる準備できてる? 最高のパフォーマンスを見せてやるよ!」

巨大なセット、まばゆいライト、そしてこの日からツアーに導入された日本初となる“XYLOBAND(ザイロバンド”が広い会場を鮮やかに染め上げる中、TAKUYA∞(Vo)の叫びからライブはスタート。

まずはイキのいいハードでヘヴィな楽曲をたたみかけ、有無を言わさずUVERworldの世界へと引きずり込む手管に隙はない。信人(B)、彰(G)、克哉(G)が叩き出すゴリゴリの音色と、強烈な音圧もハンパない。セットリストは前半こそ代々木とほぼ同じだったものの、中盤はまったく違う並びと新たな曲の導入で、体感する印象はだいぶ違う。

恒例の真太郎のMCは、この日のライブに向けて気合を入れるためになぜか友達と銭湯に行って電気風呂に入った話で、いつのまにか得意のシモネタに引きずり込む手腕にもぬかりはない。

「さっきから何を言ってるんですか!」というTAKUYA∞のツッコミを機に再びハードなライブ・モードへと突入し、中盤ではニューアルバム『THE ONE』からの曲をどんどんやる。代々木ではリリース前だったが、今日のオーディエンスはすでに予習済みということで、イントロが鳴った瞬間の歓声がすさまじい。個人的には、アルバムの中で最も静かな雰囲気を持つ“あの曲”を、特別なゲストをまじえつつ、繊細さをそこなうことなく完璧にライブで再現したことが深く心に残った。

どれも驚くほどに複雑で緻密なアレンジが施された『THE ONE』の楽曲を、コンピューターを駆使しながらもあくまで人間のぬくもりと力を主体とするやり方で熱く激しく届ける、デジタルと人力のシンクロ率の高さにかけてはUVERworldの右に出るバンドはほとんどいないのではないか。

「ここからまたバッコリ上げていこうか! 体力余ってるか?」

後半の始まりを告げるMCの中でTAKUYA∞は、日課にしているランニングが6ヵ月前の前回のツアーファイナルから今日までの間に「1070キロ走った」ことを明かし、ライブで地方に行っても毎日走っているので、「この辺にいそうだって、探しに来るのはやめてくれよ」と笑わせたあと、「ライブの前の日に呑み屋にいるとか、絶対ないから。気持ち悪いけど、走ってる姿しかみせないから。オレにはこれ(ライブ)しかないんだよ!」と熱く叫んで締めくくり、そのままライブは後半へとなだれ込む。

楽しく、そして熱いMCの巧さ、ストレスのないスピーディーなライブ進行の気持ちよさは、UVERworldのライブの大きな特長だ。あなたがこの日初めてUVERworldのライブに参加したファンだとしても、違和感なく溶け込めることは間違いない。その入口の広さ、そして底知れぬ奥行きの深さにおいて、UVERworldのライブの完成度の高さは圧倒的だ。

そのまま一気にラストまで全力疾走で駆け抜け、メンバーは一度ステージを下りたがアンコールの拍手と歓声が鳴り止まない。再びステージに戻ったメンバーがとっておきの1曲を披露して、これが本当のラスト・ソング。そしてその後にマイクを握ったTAKUYA∞が、熱くなりすぎた会場をクールダウンするように、ゆったりとしたMCで最後を締めくくる。

「みんなが作り上げたライブの空間、本当にありがとう。これからもどんどん成長する、変化するUVERworldを楽しみにしてろよ!」

そして誰もいなくなったステージに向かって、あたたかい拍手が降り注ぐ。このバンドにして、このオーディエンスあり。アリーナ・ツアーが終わって、年があけるとすぐにまたツアーが始まる。TAKUYA∞の走行距離がどんどん伸びてゆくように、UVERworldがどこまで大きく伸びてゆくのか、新しい年の新しいアクションが今から楽しみで仕方がない。

取材・文●宮本英夫
写真●鳥居洋介、dRII

※「XYLOBAND(ザイロバンド)」
専用のソフトウェアで、リストバンド内に入ったLEDの色の動きを操り、空間を演出する。Coldplay (コールドプレイ)がライブに導入し、注目を集めている。日本でライブ演出に取り入れたのは、UVERworldが初となる。

7th ALBUM
『THE ONE』
2012年11月28日発売
【初回生産限定盤】CD+DVD
¥3,700(tax in)
特製三方背BOX仕様&スペシャルブックレット付き
・初回生産限定盤DVD内容
ミュージックビデオ
(LIVE at Avaco Studio)
【CORE PRIDE,いつか必ず死ぬことを忘れるな,NO.1~ace of ace,一石を投じる Tokyo midnight sun】
KINJITO~BABY BORN & GO
7th Trigger~AWAYOKUBA-斬る
THE OVER、THE SONG UVERworld×digital hollywood 企画作品3作

【通常盤】CDのみ
¥3,059(tax in)
[CD]
1.THE ONE(SE)
2.7th Trigger
3.Don't Think.Feel
4.LIMITLESS
5.23ワード
6.此処から
7.KINJITO(LIVE intro ver.)
8.THE OVER
9.REVERSI【「青の祓魔師」劇場版主題歌】
10.バーベル~皇帝の新しい服 album ver~
11.BABY BORN & GO
12.AWAYOKUBA-斬る(LIVE intro ver.)
13.NOWHERE boy

New Single
「REVERSI」
2012年12月26日発売

<UVERworld LIVE TOUR 2012~13 秋冬>
2012年
12/25(火)日本武道館
2013年
01/24(木)ZEPP SAPPORO
01/25(金)ZEPP SAPPORO
01/30(水)ZEPP DiverCity
01/31(木)ZEPP DiverCity
02/06(水)ZEPP FUKUOKA
02/07(木)ZEPP FUKUOKA
02/12(火)ZEPP NAGOYA
02/13(水)ZEPP NAGOYA
02/17(日)LOTS
02/21(木)RENSA
02/25(月)ZEPP NAMBA
02/26(火)ZEPP NAMBA
02/28(木)ZEPP DiverCity(1F男性限定/2階女性限定)

『青の祓魔師』劇場版
2012年12月28日(金)公開
配給:東宝
特典付き劇場前売券も好評発売中
オフィシャルサイト:http://www.ao-ex.com/

◆UVERworldオフィシャルサイト
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