【ライブレポート】マーシャ・クレラ、母国での凱旋ライブ終了

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2012年5月に4thアルバム『Analogies』をリリースし、11月に初の来日公演を果たしたベルリンのアーティスト、マーシャ・クレラの、2012年のライブ活動を締めくくるドイツでのライブが12月18日(火)ベルリンRitter Butzkeと12月19日(水)ライプツィヒCentraltheaterで行われた。11月末に日本ツアーを終えたあと、12月はオーストリア、イタリア、クロアチア、スロバキア、チェコを巡るヨーロッパツアーを精力的に行なってきた彼女の母国での凱旋ライブだ。

◆マーシャ・クレラ画像

12月18日。氷点下の気候が続く寒いベルリンであるが、クロイツベルクのライブハウスRitter Butzkeは、数ヶ月にわたるツアーから戻ってきた彼女を出迎えるかのように、ベルリナーたちの暖かさにあふれていた。前座のバンド、Normal Loveは女性ベーシスト兼ヴォーカリストとドラマー、男性ギタリストからなるユニークなロック・トリオ。ドラマーがタイトでミーターズ風のセカンドラインファンク的16ビートを決め、少し1980年代ディスコやニューウェイブ、もしくはUKファンクを想起させるオリジナリティの高い良質ポップ。英国パブロックの味わいも持っている。

さて、久しぶりのホームタウン、ベルリンでのマーシャ・クレラ・バンド。1曲目、普段ドラマーのロバート・クレッチマーがキーボード&ヴォーカル、普段キーボーディストのセバスチャン・ネーエンがベース、マーシャ・クレラがドラムスを叩くという変則編成で観客サービスしてから、『Analogies』からの「Take Me Out」で普段のメニューがスタート。観客のベルリナーたちが踊り出す!何か統一されたスタイルがあるわけではなく、個人個人それぞれが自分自身のスタイルで踊りまくるから、ベルリンでライブを見るとオモシロイ。

彼女の代表的なナンバーのほか、来日記念として日本のtetoレコードでリリースされたオリジナル・カセットに収録されたレナード・コーエンのカバー「Here it is」や、日本のファンからライブでの演奏をリクエストされたという2000年彼女のバンドContrivaでのポップな佳曲「Next Time」などの比較的新しいレパートリーが会場を盛り上げる。日本ツアーを経た彼女がそこにいた。国境を超えた様々な人々との出会いを、彼女と彼女のバンドが本当に大切にし、それらを自分の音楽にフィードバックして、更に更に大きくなっていくような、懐の大きさと、喜びを感じた。

国境を超えたライブツアーを通じて、彼女のバンドは音楽的に、エンターテイメント的に、確実な成長を見せている。今後もマーシャ・クレラの活動を見守るとともに、再来日公演の実現を期待しよう。

文:Masataka Koduka

◆マーシャ・クレラ・オフィシャルサイト
◆Normal Love Berlinオフィシャルサイト
◆tetoレコード・オフィシャルサイト
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