【ライブレポート】寺岡呼人主宰ユーミン40周年記念イベント<Anniversary For Yuming ~Golden Circle Vol.17~>、感涙の名曲たち

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ユーミンのデビュー40周年を祝うイベント<Anniversary For Yuming ~Golden Circle Vol.17~>が1月3日に日本武道館で開催され、ユーミンを含む8組のアーティストが2時間30分に渡って全16曲を演奏した。

◆<Anniversary For Yuming ~Golden Circle Vol.17~>画像

▲Base Ball Bear
▲寺岡呼人
▲薬師丸ひろ子
▲大貫妙子、寺岡呼人
▲細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆、松任谷由実
▲松任谷由実
▲RHYMESTER、松任谷由実
▲ムッシュかまやつ、松任谷由実
▲All Stars with Golden Circle BAND
冒頭、主宰者の寺岡呼人が正月らしく羽織袴姿で表れ開会の挨拶。オープニングは、ユーミン代表曲のイントロ部分をGolden Circle BANDがメドレーで演奏し、まずは会場を暖めながら期待を盛り上げていく。

1組目のゲストはBase Ball Bearの小出祐介と関根史織のふたり。ユーミンのご指名で参加が実現したそうで、アルバム『REINCARNATION』(1983年)に収録された「NIGHT WALKER」という渋い選曲でイベントがスタート。続いてはこの日の幹事役の寺岡呼人。かって自身の主宰するGolden Circleにユーミンが出演してくれた事に恩義を感じ、40周年のお祝いをしたいと2012年夏、本人に直談判したいきさつを話して、「さらにマニアックな曲を選びました!」と歌ったのは、アルバム『14番目の月』(1976年)に入っていた「何もなかったように」。

「ユーミンは楽曲提供でも数多くの名曲を書かれています。今日はその中から代表して来てもらいました!」と寺岡に呼び込まれたのは薬師丸ひろ子。「私が20歳の頃、映画の主題歌として書いて頂きました!」と歌ったのは「Woman "Wの悲劇"より」。当時、苗場のコンサートに行って飛び入りで歌った事もあるというエピソードを話し、今日はお祝いなので、初めてですが歌わせて頂きますと「卒業写真」を披露。

ユーミンと同じ時代を生きてきた素晴らしいシンガーです!と寺岡に紹介されたのは大貫妙子。シュガー・ベイブ時代に荒井由実のアルバムにコーラスで参加した事や、自宅に行ってユーミンに料理を御馳走になった事などの思い出話を披露し、2002年にリリースされたユーミン・トリビュート・アルバムでカバーした「私のフランソワーズ」を歌う。もう1曲は寺岡呼人のリクエストで、大貫自身も初めてという「雨の街を」を歌った。

イベントが中盤にさしかかると、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆が舞台に上がる。荒井由実のファーストからサード・アルバムの録音に参加したメンバーでもあり、キャラメル・ママとしても知られる4人がステージに揃い場内が沸いたところへ、遂に松任谷由実が登場。「寺岡くんの愛のある計らいで、私にとっての奇跡的なイベントが出来ました!」とコメントしサード・アルバム『COBALT HOUR』(1975年)に収録された2曲を歌う。

共演した4人について松任谷は「このメンバーが(音を)弾くだけで、あの頃の情景が香りたつように浮かんできます!同じ世代でこうして集まれて幸せです!」とメンバーひとりひとりに「ありがとう!」と感謝を伝える。この4人の演奏をバックにデビュー・アルバム『ひこうき雲』(1973年)収録の2曲が歌われると、会場内には感激して涙ぐむ姿の観客も。

そして、本編のラストは全出演者が舞台に集まっての「DESTINY」。イントロが流れるや、バックステージまでぎっしりと埋まった12000人のオーディエンスは総立ちし、ミュージシャン、観客のみんなでユーミンの40周年を祝う。

アンコール1組目はRHYMESTER。会場は40年来応援している筋金入りのユーミン・ファン中心。つまり、彼らにとってはアウェー環境ながら、宇多丸とMummy-Dの2MCが果敢に会場を煽って思いっきり盛り上げ、いつしか観客全員でユーミンを呼び出すモードにまで持っていく所はさすがの貫禄。ユーミンとヒップ・ホップという一見違和感のある組み合わせだが、この両者はかってユーミンのFM番組にRHYMESTERの3人がゲスト出演して以来の親交で、今回もユーミンのご指名。ダンサーも交えた熱いパフォーマンスの「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」は最初からこの形態だったかも?と思わせる程の自然さで新鮮な体験。「お騒がせしました~!」とステージを降りた彼らも微笑ましかった。

2組目はムッシュかまやつで、実はユーミンを音楽業界に引き込んだ張本人。ふたりが一緒に歌った「中央フリーウェイ」はもともと、ユーミンがムッシュに書いた曲だったというエピソードも披露。

続いては、再び出演者全員がステージにあがり「やさしさに包まれたなら」を一緒に歌い終了。セカンド・アンコールではGolden Circle BANDの演奏で「ANNIVERSARY」。その後、ステージに寺岡呼人とユーミンのふたりが残り、槇原敬之、久保田利伸、くるり、石井竜也、ゆず、ブレッド&バター、貫地谷しほり、鈴木敏夫、宮崎駿等に加え、出演者からのお祝いメッセージ・ビデオがモニターに次々と映し出される。これは本人にも知らせてなかったサプライズ演出。最後にユーミンから「みんな旅の途中だよね!なんとかやっていこう!今日は勇気をもらいました!」とコメントして40周年記念イベントを締め、寺岡呼人から花束を受け取り、ゆっくりとステージを降り2時間30分に及ぶイベントは終了した。この日の模様は3月にWOWOWにて放送される。

<Anniversary For Yuming ~Golden Circle Vol.17~>
2013年1月3日@日本武道館 17:30開演/20:00終了
1.Yuming INTRO MEDLEY/Golden Circle BAND
2.NIGHT WALKER/『REINCARNATION(1983)』収録/小出祐介&関根史織(Base Ball Bear)
3.何もなかったように/『14番目の月(1976)』収録/寺岡呼人
4.Woman "Wの悲劇"より/薬師丸ひろ子・シングル(1984)/薬師丸ひろ子
5.卒業写真/『COBALT HOUR(1975)』収録/薬師丸ひろ子
6.私のフランソワーズ/『MISSLIM(1974)』収録/大貫妙子
7.雨の街を/『ひこうき雲(1973)』/大貫妙子
※松任谷由実 with 細野晴臣/鈴木茂/林立夫/松任谷正隆
8.COBALT HOUR/『COBALT HOUR(1975)』収録
9.雨のステイション/『COBALT HOUR(1975)』収録
10.ベルベット・イースター/『ひこうき雲(1973)』収録
11.ひこうき雲/『ひこうき雲(1973)』収録
12.DESTINY/『悲しいほどお天気(1979)』収録/松任谷由実 with オール出演者
ENCORE
13.SATURDAY NIGHT ZOMBIES/『ダイアモンドダストが消えぬまに(1987)』収録/RHYMESTER+松任谷由実
14.中央フリーウェイ/『14番目の月(1976)』収録/ムッシュかまやつ+松任谷由実
15.やさしさに包まれたなら/『MISSLIM(1974)』収録/松任谷由実 with オール出演者
16.ANNIVERSARY/『LOVE WARS(1989)』収録/松任谷由実 with Golden Circle BAND

Golden Circle BAND:宮田繁男(Dr)/松原正樹(G)/松原秀樹(B)/本間昭光(Key)/磯貝サイモン(Key)
Guest Player:斉藤ノヴ(Per)/武部聡志(Key)

◆Golden Circleオフィシャルサイト
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