【インタビュー】石月努「新人なんで、お手やわらかにお願いします(笑)」

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FANATIC◇CRISISの解散から7年半、2012年夏に石月努は音楽活動を再開した。9月に2106(ツトム)枚生産したDVD SINGLE「365の軌跡」は予約で完売、10月17日に発売した1stシングル「I.S./銀ノ雨」が、オリコンのシングル・デイリーランキングで18位、USENインディーズ・チャートでは1位を記録した。12月5日には1stミニ・アルバム『DROP』をリリースし、タワーレコードデイリーチャート1位を獲得。そして2013年1月27日(日)には、渋谷公会堂を舞台に<TSUTOMU ISHIZUKI the FIRST LIVE 2013 遠い日の約束~たとえ鬼が笑っても~>を行い、ライブ活動もスタートする。

◆石月努画像

現在も、ジュエリーデザインや絵画、空間デザインなどアート/デザインの分野を軸に活動している石月努が今、どんな想いで音楽活動へ向かい始めたのか。最新ミニ・アルバム『DROP』へ彼が何を託したのか。表現者としての石月努の声を、ここにお届けしよう。

──この夏、活動再開の声を上げたとき、かなりの反響が手元に返ってきたそうですね。

石月努:嬉しいくらいに多くの感想をいただきました。再開を告げるのと同時にtwitterも始めたところ、感想などリアルに声が返ってくるじゃないですか。それが、すごく嬉しかったですね。

──7年半の時の流れ(ブランク)も、一気に縮まった感覚だ。

石月努:徐々に取り戻しているところです。それを一番に感じたのが、11月18日に目黒鹿鳴館を舞台に、1stシングルの「I.S./銀ノ雨」を購入した方のみ応募できる形で、ファンたちを集めた完全クローズドなライブを演ったときでした。活動再開の場となる1月27日の渋谷公会堂へ向けた試運転も兼ね、あのときは浦島努名義で演ったんですけど。バンド形式で歌ったこともあるせいか、「この感覚だなぁ」というのを久しぶりに実感していました。

──2013年1月27日、渋谷公会堂でのステージも間もなくですからね。

石月努:8月に活動再開を発表した頃は「1月27日の渋谷公会堂って、まだまだ先の話だな」と思っていたら、今や目前じゃないですか。「365の軌跡」や「I.S./銀ノ雨」という作品は、ライブのイメージが沸きにくかったと思うんです。それもあったことから、「ライブで生きる、ノリのいい曲たちも聴いて欲しい」という想いのもと、急遽、12月5日にミニ・アルバム『DROP』を作りあげました。1月27日の渋谷公会堂のライブには、La'cryma ChristiのLEVINちゃんや兄ちゃん的な存在である野村義男さん、他にも二村学さんや桜村眞さんなど、懇意にしているミュージシャンらの参加が決まっていますので、そのメンバーで演るのも楽しみにしています。

──ミニ・アルバム『DROP』は、相手に対して投げかけてゆく想いが中心になっていますが、シングル「I.S.」は、自分自身の内側へ向いてゆく感情が軸になっていますよね。

石月努:「I.S.」の歌詞は、インディアンの言葉を引用しているんですけど、そこに詰め込んだ言葉たちは、今の僕たちにも共通するテーマだと思います。だから、まずはその想いを届けたい気持ちがあって、最初のシングルに「I.S.」を持ってきました。「銀ノ雨」は、ある意味、僕のとってのスタンダード・ナンバーです。1980年代から1990年代初頭にかけての歌謡曲のイメージも含んだ、こういう曲調やメロディが自分自身すごく好きなんです。それは、3曲目に収録した「秋桜」にも言えることです。そういう好きな曲調を持った音楽を、まずは届けたかったんですよね。

──インディアンの生き方には、昔から影響を受けていました?

石月努:昔からすごく興味のあることでした。今の僕らは、ネットも含め、いろんな機械文明に依存しています。そのせいか、自然に感謝すること、関わっているいろんな人たちに感謝する気持ちを忘れがちな世の中でもあるなぁと思って。「だからダメなんだよ」じゃなくて、その視点をちょっと変えるだけで幸せになれる。これは、『DROP』に収録した「GAME」でも言ってることなんですけど。自分が今生きてる世界って、自分が作っているものだからこそ、自分が辞めようと思えば何時だって辞められる。だけど、その目線を10度変えるだけでも世の中の見え方が変わっていく。それを知って欲しいなと思って。

──「GAME」はミニ・アルバム『DROP』の冒頭を飾っている作品ですね。

石月努:ゲームの世界では、仲間になることも、一緒に戦うことも気軽にできること。でも実生活って、なかなかそうはいかないじゃないですか。でも僕は、ゲームの中にいるのと同じくらいの意志を持って現実世界でもやっていけたら、きっと、勇者や賢者にだってなれると思っています。今、この時代には、悲惨なニュースがたくさん流れているけど、それだってみんなの意識が変わっていけば、世の中だって変わっていくはず。この歌には「もっと幸せな人が増えればいいな」「今の世界を形作っているのは、ひとりひとりの自分なんだから」という、とてもシンプルな想いを記しました。

──「DROP」は、新たな始まりを共有していこうという想いが綴られていますよね。

石月努:再スタートという意味もあるけど。純粋なものが濾過され、一粒の純粋な結晶が滴り堕ちるというイメージも、同時に僕は持っていました。再開や再会を喜んでくれたファンの方の中には、7年半ぶりにCDショップへ足を運んだ方もいたり。そういう「自分の中で止まっていた時計の針が動き始めた」という感覚を、新たな始まり=Birthdayと記しました。

──<新しい仲間になってくれないか>…「勇気」では、そう問いかけていますね。

石月努:僕の身近なところに、しゃべることも、自分の意志で動くことも出来ない14歳の少年がいます。彼の名前が"勇気"なんですね。この歌詞は、彼は今「この世界にいる人たちに対してこんなことを言ってるんじゃないのかな」という想いを、僕が代弁する気持ちになって書きました。彼はズッと綺麗なままの世界の中で生きている。だからこそ、すごく純粋な目で、こんな風に世の中を見ているんじゃないか。そこへ、自分自身の気持ちも照らし合わせながら書きました。

──バンド・サウンドを強く押し出した「青ノ翼」はいかがですか?

石月努:これは、今の自分が思う新しいバンド・サウンド。ここに登場する主人公は自分でもあるし、僕以外の、いろんな人たちの気持ちでもある。それを僕の心のフィルターを通し、「誰もが羽ばたけるチャンスを持っている。それを自分で無理と決めつけるのは一番良くない。良いことも悪いことも表裏一体なんだから」とメッセージしています。「DANCE DANCE DANCE」はギターのリフから出来上がった、サウンド面ではちょっと懐かしさを持った、ライブで活きる楽曲です。<愛の奴隷です>という、まさにこの歌詞通りの気持ちを素直に受け止めてください(笑)。

──アルバムの最後の楽曲「LOVELESS」はどんな曲ですか?

石月努:自分で楽曲を作りながら「らしいな」と思った歌です。人は映し鏡と言うけど、ホントその通りで。自分が今想っていることは、今の人が見ていることのすべて。なら、自分の意識が変われば、まわりだってもちろん変わっていく。そういう想いがあって作りました。

──ミニ・アルバムの『DROP』へは、石月努という人間の心模様がそのまま映し出されたようですね。

石月努:「個人的な想いで申し訳ないです」ってところはあるんですけど。でも、それが一番リアルなのかなと思って。僕自身も今を生きているわけだし、そこから沸き上がった伝えたい想いだったり、今の社会のムードや気分だったり。それが、たまたま僕のフィルターを通して降りてきたというだけのことなんだと思います。

──1月27日には渋谷公会堂でのライブですね。

石月努:あの舞台上を通し、改めてファンの人たちを目の前にしながら、新人:石月努として「こういうスタンスで活動していきます」と決意表明を出来たらなと思っています。もちろん、その先の夢も描いてるんだけど。まずは、1月27日の渋谷公会堂が目の前の一つ目の到達点かなと思ってて。新人なんで、お手やわらかにお願いします(笑)。

文:長澤智典
編集:BARKS編集部

『DROP』
2012年12月5日発売
URCL-1001 2,300円
1.OPENING [Inst]
2.GAME
3.DROP
4.勇気
5.青ノ翼
6.DANCE DANCE DANCE
7.LOVELESS

<TSUTOMU ISHIZUKI the FIRST LIVE 2013 遠い日の約束 ~たとえ、鬼が笑っても~>
2013年1月27(日)
@渋谷公会堂
開場16:30 開演17:00
前売り\4,500(税込)/ 全席指定
[問]SOGO TOKYO TEL03-3405-9999

◆石月努オフィシャルサイト
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