【ライヴレポート】水樹奈々、2年ぶり2度目のフルオーケストラ公演を詳細リポート

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2013年1月20日、さいたまスーパーアリーナにて<NANA MIZUKI LIVE GRACE 2013 -OPUS II->の公演2日目が行われた。

◆水樹奈々~拡大画像~

2年前の同じ時期に行われた<NANA MIZUKI LIVE GRACE 2011 -ORCHESTRA->に続いて2度目のフルオーケストラ公演となった今回、壇上には水樹の歌唱を支える奏者として神奈川フィルハーモニー管弦楽団のオーケストラ102人と、指揮者の藤野浩一氏が出演。ステージは中央に巨大なシャンデリア、奥にはパイプオルガンをイメージさせるセットを配置しつつ、天井から深紅のヴェールが垂れ下がるセット組みで、シンプル且つゴージャスな存在感が待ち時間から観客の期待を膨らませる。

オープニングはチャイコフスキー「くるみ割り人形」より、「花のワルツ」から。スクリーンに映像が映し出され、くるみ割り人形の登場キャラクター(ねずみの大群とおもちゃの兵隊)が音楽演奏を始める場面を水樹が目撃するショートムービーが流れる。

映像が終わるとステージバックから光がさし、「残光のガイア」の前奏と同時に、ヴェールに隠されていたオーケストラ陣が出現。さらに巨大シャンデリアが宙高くせり上がり、中からイエローのドレスを纏った水樹奈々が登場した。オーケストラの重厚な旋律に乗って水樹の歌声がアリーナに響きわたり、続く「SCARLET KNIGHT」でも堂々のスケール感を見せた。

「昨日はおしとやかに始めてみようとしたんだけど、5秒ともたず(笑)今日は最初から私らしくいってみようかということで。今日フルオーケストラライブに初めて参戦する人もいらっしゃいますね。ガンガンいつも通りでOKです。思いっきり飛ばしてきてください!」

せっかくの生オーケストラとなったらあれもこれも聴きたい!と思うのがファン心。MC後には懐かしいナンバー「ジュリエット」も披露された。同曲収録の2ndアルバムがリリースされたのがもう11年前。「いやー、そうなりますかぁ(笑)」と水樹が曲後のMCで振り返りつつ、翌日21日に自身の“3回目のゾロ目の”年齢となる誕生日を迎えることを語ると、会場にはバースデーソングが。ファンの大合唱で誕生日を祝福され、スタッフによる特製ケーキには「ETERNAL BLAZE」の譜面を描いたお菓子のプレート付きというニクい演出に、水樹も「すごく幸せです」と終始嬉しそうにしていた。

続いては昨年12月リリースのニューアルバム『ROCKBOUND NEIGHBORS』より「Lovely Fruit」。ステージ上にジュークボックス・セットが飛び出し、ミニスカートアレンジのドレスに早変わりした水樹がオーケストラの軽やかな演奏を楽しむように歌い上げた。

ここでショートムービーによる「DISCOTHEQUE」。水樹のライブでは“ちゅるぱや”コールでお馴染みのタイトルだが、今回は「GRACE 踊るグリークラブ」と題し、アメリカのTVドラマ『glee/グリー』の吹き替えで共演した小野大輔らと共にパフォーマンスを披露。映像での演出にも関わらず、ファンは水樹本人がそこにいるかのような盛り上がりとコールを見せつけた。

8曲目「アヴァロンの王冠」では同曲に合わせたタキシード衣装にチェンジ。さらにGRACEスペシャルコーラス隊77人が登場した上、【NANA MIZUKI LIVE ACADEMY 2010】で登場したユニコーンの“お奈々キャップ”も “お奈々キャップ -GRACE FORM-” と馬車スタイルに進化して登場。水樹を乗せてアリーナ中央のサブステージへと運んだ。

ライブ中盤、アコースティックコーナーではオーケストラに代わっておなじみバックバンドのチェリーボーイズが登場。アコースティック初チャレンジの「好き!」など3曲を披露した。合間のMCでは2013年の目標の話題になり、チェリーボーイズから様々な目標が語られる中、水樹は自身の目標について「何か楽器に挑戦できたらと思います」とコメントした。

アコースティックコーナー後は再びオーケストラへとシフトチェンジ。水樹が一旦ステージ裏へ引いたあと、ホルスト「惑星」より“ジュピター”の演奏で改めてオーケストラ陣に光が当たる。名曲で生音の分厚さを再確認し、観客が盛大な拍手を贈った後に始まったのは「BRAVE PHOENIX」。オーケストラサウンドとファンの掛け声が折り重なる中、水樹はピンクのドレスでステージに戻ってきた。

終盤はオーケストラ、コーラス隊、チェリーボーイズが総がかりで参戦。総勢187人(アンコールの「ETERNAL BLAZE」では188名)での演奏に観客もヒートアップ。「Pray」「奇跡のメロディア」「恋の抑止力-type EXCITER-」とノンストップで歌い上げ、ラストは『第63回紅白歌合戦』でも披露した、2012年水樹の代表曲「BRIGHT STREAM」まで走り抜けた。

アンコールでは、かねてよりオーケストラで1番聴きたい!というリクエストのあった「innocent starter」を熱唱。曲後には水樹より、今日のライブがライブDVD&Blu-rayとして発売されることが発表された。昨夏のLIVE UNIONツアーファイナル公演も同時収録し、今年の春ごろに発売予定とのこと。また、7月7日の愛媛県武道館公演を皮切りに夏の全国ツアーが開催されることも発表された。

「みんな、まだ“あの曲”が来ていないことを感じていますか? やはり水樹ライブといえばこの曲。思いっきりみんなでぶっとばして行きたいと思います!」という水樹のフリにファンが迷わずウルトラオレンジのペンライトをスタンバイ! 実はここまで2年前のフルオーケストラライブとかぶる曲は1曲もなかったのだが、この曲「ETERNAL BLAZE」だけは別格。熱唱する水樹にファンも完全燃焼で応えた。

ダブルアンコールでは水樹に続いて、アルパ(ラテンハープ)がスタッフに抱えられて登場。ここでは水樹と親交のあるアルパ奏者・上松美香が出てくると思っていたファンも多いだろう。しかし水樹の動きはそんなファンの予想を覆すものだった。「上松美香ちゃんは今日は名古屋でライブです」そのまま水樹が自らステージ中央の椅子に腰かけ、アルパを弾く準備を始めるとステージからは意外な展開に歓声があがった。

締めくくりは水樹のアルパソロ弾き語りによる「夢の続き」。それまで100人以上の演者を据えていたステージとは対照的に、一人になったステージで練習したてのアルパを弾きつつ歌う彼女の姿は等身大そのもので、距離もぐっと近く見える。

デビューしてからはや10年以上。紅白への連続出演や巨大な会場で年々開かれるライブもそろそろ定着してきた。それでも一人に戻れば、彼女は新たな挑戦とファンへの感謝を忘れない。

最後にこの先のさらなる前進を予感させライブは終演した。

Photograph by 上飯坂一

(SET LIST)
-OPENING: チャイコフスキー「くるみ割り人形」より「花のワルツ」-
01. 残光のガイア
02. SCARLET KNIGHT
03. ジュリエット
04. リプレイマシン -custom-
05. 理想論
06. Lovely Fruit
07. 星屑シンフォニー
-SHORT MOVIE ~DISCOTHEQUE~-
08. アヴァロンの王冠
09. 好き!
10. deep sea
11. ダーリンプラスティック
12. TRANSMIGRATION
-ホルスト「惑星」より“ジュピター”-
13. BRAVE PHOENIX
14. Pray
15. 奇跡のメロディア
16. 恋の抑止力 -type EXCITER-
17. BRIGHT STREAM
EN01. innocent starter
EN02. ETERNAL BLAZE
EN03. 夢の続き

◆水樹奈々 オフィシャルサイト
◆Kawaii girl Japanオリジナルレポート
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