ベック、D.ボウイのカバーで空前絶後なライヴ体験を公開

ツイート

3月13日に発売となるニューアルバム『ザ・ネクスト・デイ』を控え、デヴィッド・ボウイの1977年の名曲「サウンド・アンド・ヴィジョン」をベックが総勢160人のミュージシャンと共にパフォーマンス、その様子が壮大なプロジェクトとして公開されている。

◆「サウンド・アンド・ヴィジョン」パフォーマンス映像

160名のミュージシャンによる前代未聞のパフォーマンスは、360°体験と称し、特設サイトに2月20日に公開された。360°全方向で撮影され、視聴者は映像の方向や位置をリアルタイムで変えることができ、サウンドの定位もそれに完全追従する。バイノーラルでレコーディングされているため、イヤホン、あるいはヘッドホンでの試聴が前提だ。

さらに、パソコンの画面を覗き込む視聴者の顔をWEBカメラが認識し、映像と音がその動きに応じて調整される仕組みも搭載されている。つまり、かつてないレベルの臨場感とリアリティーでこの「体験」がユーザーに届けられるという空前絶後の施策なのだ。問題はただひとつ、映像がスタートするためのバッファリングにSD画質でも約13分、HD画質だと約42分もの時間がかかるというところだろうか。アクセスしてすぐに見れるというものではないところが、またそのプロジェクトの凄さを物語っているようだ。ちなみに、そんな時間やインフラがないという人のために、YouTubeには簡易版の動画も公開、すでに多くのアクセスを受けているようだ。

オーケストラのアレンジを手がけ指揮したのはべックの父親でアレンジャーのデイヴィッド・キャンベルだ。原曲は1977年に発表されたボウイのアルバム『ロウ』の1stシングルで、全英チャート3位を記録した作品だが、べックは3分ほどのこの曲を分解・再構築し、9分以上もある壮大な曲に仕上げている。オーケストラ以外にも数々のドラムセット、9人のエレキ・ギタリスト、シンセ、テルミン奏者、ヨーデル歌手、合唱団、ハープ、ノコギリ、世界中の打楽器などが起用され、見たことも聞いたこともないような未体験の音楽ワールドが繰り広げられる。

この企画は、自動車ブランドのリンカーンが「再創造」というテーマで実施したものだ。「再創造」とはまさにデヴィッド・ボウイの新作『ザ・ネクスト・デイ』が掲げているテーマそのものでもある。『ザ・ネクスト・デイ』のジャケット写真は、代表作『ヒーローズ』のジャケット写真を打ち消し、新たなタイトルを上書きしただけの斬新なアイディアで、自分自身の成功体験を打ちこわし「再創造」を図ろうとしている様子がうかがえる。

なお、現在ボウイのオフィシャルサイトでは、奇妙なジャケットともに「02.26.13」とだけ記されているページがあり、2月26日に2ndシングルの発表があるのではないかと噂されている。


photo:hello-again.comより

『ザ・ネクスト・デイ』
2013年3月13日発売
※日本盤は解説・歌詞・対訳付
●デラックス・エディションSICP 30127 ¥2,800
※Blu-spec CD2仕様(日本のみ)デジパック仕様/ボーナストラック3曲/+日本盤ボーナストラック1曲/全18曲収録(1CD)
●スタンダード・エディションSICP3788 ¥2,520
※デジパック仕様/日本盤ボーナストラック1曲/全15曲収録
https://itunes.apple.com/jp/album/the-next-day-deluxe/id590844404

◆「サウンド・アンド・ヴィジョン」360°体験
◆デヴィッド・ボウイ・オフィシャルサイト(海外)
◆デヴィッド・ボウイ・オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報