【ライブレポート】真野恵里菜がハロプロ卒業。「今、ここに立つことができて、みなさんに感謝しています」

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神奈川県にいた、ひとりの女の子。ハロー!プロジェクト、松浦亜弥に憧れ、アイドルになることを夢見たその娘は、やがて、オーディションを経てハロプロエッグ(現・ハロプロ研修生)に加入。めきめき頭角を現していく。そして、気づけばハロー!プロジェクトの一角を担うソロアイドルとして成長していた。

真野恵里菜。

2013年2月23日。彼女は、約6年間在籍したハロー!プロジェクトを、そしてアイドルを卒業する──。

  ◆  ◆  ◆

真野恵里菜のハロー!プロジェクト卒業公演となる<メモリアルコンサート2013「OTOME LEGEND~For the Best Friends」>が2月23日に中野サンプラザで開催。会場の2200人、そして生中継を通して数多くのマノフレに包まれながら、真野恵里菜は笑顔と涙で、新たな世界へと一歩足を踏み出した。

◆<真野恵里菜 メモリアルコンサート2013「OTOME LEGEND~For the Best Friends」> 画像

これまで、ハロー!プロジェクトの一員として、歌にダンスに活躍してきた真野ちゃん。卒業公演は、そんな真野ちゃんのハロプロを総括するにふさわしい内容になっていた。

ステージ中央にはグランドピアノ。昼公演よりも明らかに大きな歓声に迎え入れられた真野ちゃんは、ピアノの前に座る。そしてメジャーデビュー曲である「乙女の祈り」。ピンクのワンピースに頭にはリポン、さらに髪は黒のロング(エクステだったらしいが)。その姿は、当時の真野恵里菜が、まるで中野サンプラザのステージに降り立ったかのような錯覚を起こすほどだ。

昼公演では間違えてやり直すというお茶目なハプニングもあった「ラララ-ソソソ」と2曲を弾き語りで披露。会場を染める赤いサイリウムで応えるマノフレ。卒業公演と銘打たれてなければ、そこには普段となんら変わらない、真野恵里菜のライブらしい空気感が広がっている。

「中野サンプラザにお集まりのみなさん、こんばんは。真野恵里菜です。本日は、<真野恵里菜 メモリアルコンサート2013「OTOME LEGEND~For the Best Friends」>にお越しくださいまして、本当にありがとうございます。ということで、ファイナルやってきましたー! 今回のタイトルはですね、「OTOME LEGEND~For the Best Friends」ということで、私のベストフレンズ、マノフレのみなさんとですね、楽しいライブにしたいなと思っているんですけど、みなさん、盛り上がる準備できてますか?」

前半は「ラッキーオーラ」や「ドキドキベイビー」、「世界はサマー・パーティ」などなど、アイドル・真野恵里菜の元気さや可愛さが弾ける曲を中心に展開。ただ、「ダレニモイワナイデ」での、思わせぶりな小悪魔のような視線や、「黄昏交差点」での切なさ、恋の幸せ感いっぱいの「天気予報があたったら」に続く「お願いだから…」で、笑顔からシリアスな表情へと一転させるところなど、各方面から高い評価を受けている女優としての才能を歌にもキッチリ落としこんでくるのは、“さすが”“見事”としか言いようがない。今回、会場にはステージセンターに大型スクリーンが用意されていたこともあり、イントロ部分だけでグッと心をわしづかみにされて、そのまま歌に引き込まれてしまった、という人も会場の至るところにいたことだろう。

また、いろんな曲を歌いたいという真野ちゃんの要望に応える形で用意された、「熱血先生」「純情警察K・I・S・S」「Ambitious Girls」「青春のセレナーデ」などをつなげたメドレーには、マノフレだけでなく制作スタッフも愛した、あの「堕天使エリー」も組み込まれた。キングクエスチョンとの対決こそなかったが「あたいは青春の一瞬さ」の台詞は、まさにこの日のために用意されたフレーズであるかのようにホールに響く。

ちょうどライブの中間地点で一気に大きな盛り上がりをみせたのは「元気者で行こう!」。タイトルどおり、とりわけ元気ソングなこの曲。気づけば会場を埋めたマノフレ誰もが大合唱し、ステージ上の真野ちゃんたちと一緒になって踊り、楽しむ。ロングバージョンのため、当然、盛り上がりも通常より増量。そして銀テープも発射されて、言うなれば卒業パーティーの華やかさと楽しさを演出する。

踊ることも大好きだった真野ちゃんが、ハロー!プロジェクトに在籍している間にやりたいと思っていたという「ダンスタイム」。卒業公演にまで初めての挑戦を設けて、新しい真野恵里菜を見せようとする姿勢は、バックダンサーとして参加した研修生たちにも刺激になったはずだ(余談だが、真野ちゃんは本公演の1週間前には女優として本多劇場の舞台に立っていた。つまり、卒業公演までの準備期間は5日間くらいしかなかったのである)。

後半は卒業を感じさせるナンバーが続く。ニコニコ生放送のほうに目をやると、「Song for the DATE」のアッパーなサウンドでは、真野ちゃんの歌声に「君の後半戦はこれからだ!」「真野ちゃん、行っけぇー!」といった熱いコメントが重なり、右から左へと流れていく。そして本編ラストは「バンザイ! ~人生はめっちゃワンダッホーッ!~」。それは、みんなで上を向いていくという、スペシャルな記念日にピッタリな曲。

すでにアナウンスされているとおり、真野恵里菜は今後、舞台やドラマなど役者を中心とした活動に軸足を移すものの、かといってこの公演をもって歌手活動を終了し、マイクを置く……というわけではない。本人も過去のインタビューにおいて「別に今までもグループじゃなくてひとりでやってきたから、卒業した後もなんにも変わらないんです。」(BARKS 2012年6月28日掲載「真野恵里菜インタビュー。Wikiに載っている“スタッフ説教”疑惑も語る」より)と発言しているとおり、ハロー!プロジェクト恒例の合同公演ような定期的なコンサートこそなくなるものの、卒業後の活動は、これまでとさほど変わらない(現にファンクラブイベントが4月に決定している。また女優としてテレビやスクリーンなどでの活躍を目にする機会が増えることもあるだろう)。ソロアイドルであるがゆえに、彼女の場合、ハロプロ卒業とはいい意味で“ひとつの区切り”。むしろハロー!プロジェクトという看板がなくとも、真野恵里菜という名前だけで勝負できるという判断からの卒業であり、真野ちゃんがやっていきたい仕事にチャレンジできる機会が増えるというのだから、これはもう、まさに「バンザイ!」にほかならないのである。
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