【ライブレポート】OLDCODEX、新体制でのツアー開幕「もっとすげーもの作るから待っててくれ」

ツイート

新生OLDCODEX(オルドコデックス)の全国ツアーがスタート、2月16日(土)に新木場スタジオコーストで初日のライブが行なわれた。

◆OLDCODEX 画像

ギタリストであり、ソングライターであるR・O・Nの脱退を乗り越えて、昨年(2012年)12月にヘヴィでエレクトロでエモパンクなアルバム『CONTRAST SILVER』を完成させた彼ら。LUNA SEAのINORANが作曲、プロデュースし、ギタリストとして参加している「HEAVEN」は、新たなOLDCODEXの代表作となったが、その注目度は高まる一方で、ツアー初日となったコーストのフロアも酸素が少なめなぐらいファンでぎっしりだ。

メンバーは、声優としても活動するTa_2こと鈴木達央と、数々のアーティストのライブに参加し、アートワークなどを手がけてきたペインターのYORKE.。この2人にギタリスト2人、ベーシスト、ドラマーがサポートとして加わり、強力なバンドサウンドが鳴らされる。

ステージのバックドロップは、アルバムからインスピレーションを受けたYORKE.の手によるもの。上手(かみて/ステージに向かって右側)には大きなキャンパスが置かれている。そして、客電が落ちると怒濤の歓声。オープニングはTa_2が初めて作曲を手がけ、YORKE.が歌詞を書いた『CONTRAST SILVER』の1曲目「mister Coherent」だ。フロアに背中を向け、骨太なビートに合わせて身体中でリズムをとっていたTa_2が前を向き、拳をふりあげて歌い出すとすでに会場は発火状態。間髪入れずに鳴らされた「カタルリズム」はアニメのタイアップ曲に起用されたナンバー。ラウドなサウンドと視界が開けるようなキャッチーなサビのコントラストが心地いい。みんな、腕をふりあげ、コーストが揺れるほど跳ねまくっている。ジーンズにTシャツという出で立ちでマイクを両手で握りしめながら歌うTa_2のボーカルは、ひたすらにまっすぐで熱い。そして、ときに腕をあげ、ジャンプしながらフロアを煽るYORKE.はそれぞれの曲のイメージや演奏に触発された絵を、さまざまな色のペンキを使ってすごいスピードで描きあげていく。タイトルやフレーズが盛りこまれたアートワークは次の曲が始まると、まったく違う絵に変身する。まるで瞬間芸術。観客が“この絵、スゴイ”と思っても、2度と見られない。そう。ライブなのである。

「ツアー始まったね! 俺、ずっとMCで言おうと思ってたんだけど、マジでここで演るのがすげえ夢で、ホントに演りたかったんだよ。ELLEGARDEN初めて見たのもここだし、Slipknotも2デイズ見たし、ZEBRAHEADのときは(フロアを指して)バカみたいに跳びまくって転がりまくってたんだ。ここには俺の夢が詰まってんだよ。そんなところでワンマンできるなんてホントに幸せなんだ。ありがとう!」

Ta_2の人柄がにじみ出るMCにみんなが沸く。中盤ではサーカスを連想させるような幻想的なバラードや陰りのあるミディアムチューンも演奏され、光と影のコントラストで集まったオーディエンスを魅了していく。リードトラック「HEAVEN」では、YORKE.が下手(しもて/ステージに向かって左側)へと移動し、ドアが描かれた書き割りに“DANCE”、“RIDE”の文字が電飾で浮かびあがるワクワクする演出も。いつのまにかフロアは大合唱。初期の曲も久しぶりに演奏され、4つ打ちのダンスロック「Cold hands」ではみんなが踊り出す。なんというハッピーな空間。

「照明がついたとき、みんなの顔が後ろのほうまで見えたりして、そういうとき、やっててよかった。もっと、すげーもの作るから待っててくれって思うんだよ。まだまだ新曲、作ってます」

今年も突っ走ると宣言したTa_2。あまりの盛り上がりに前のほうで具合が悪くなった人たちが出たときには、「だいじょうぶか?」と声をかけ、Ta_2もYORKE.も自分の水を差し出し、みんなを休ませるために急遽トークタイムを設ける場面も飛び出した。

ライブは終盤に向かうにしたがって、熱を帯び、Ta_2とYORKE.がポジションを入れ変わったり、肩を組んで絡んだりと、見せ場も盛りだくさんで「Sick of it」で、ライブは終了。大アンコールが響き渡ったのは言うまでもないが、すべての熱を放出し、全22曲でジ・エンド。

この春、全国各地を廻るOLDCODEXのツアーは、6月23日のZEPP TOKYOでファイナルを迎える。そして、この日のライブでニューシングル「The Misfit Go」を5月22日に発売、TVアニメ「アラタカンガタリ~革神語~」のエンディングテーマとしてオンエアされることも発表された。

取材・文●山本弘子
写真●梅本陽子

◆オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報