中島卓偉に田中れいな新バンド、シャ乱Qも飛び入りしたアップフロントの音楽フェス<ミュージックフェスタVol.0>

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堀内孝雄から、つんく♂や中島卓偉、モーニング娘。を筆頭とするハロー!プロジェクトのメンバーらまでを擁するレーベル・UP-FRONT WORKS。同社もサポートしているプロジェクト・SATOYAMA movementの一環として、3月2日、横浜BLITZを舞台に、同レーベル所属アーティストたちを集めた音楽フェス<ミュージックフェスタVol.0 presented by SATOYAMA movement in YOKOHAMA>が開催された。

◆<ミュージックフェスタVol.0 presented by SATOYAMA movement in YOKOHAMA> 画像

今回のイベントには中島卓偉、松原健之、アルマカミニイト、田崎あさひ、RYOTA、LoVendoЯの計6組が参加。ハロプロなど、アイドルを中心としたイベントは積極的に行なっているアップフロントだが、レーベル所属アーティストを軸に据えたイベントの開催は、じつは今回が初。また、5月21日の日本武道館公演を持ってモーニング娘。を卒業する田中れいなが結成したロックバンド・LoVendoЯは、この日が初ステージとなった。

イベントは、司会を担当するタイムマシーン3号と吉澤ひとみが進行してゆく形でスタート。この日のイベントのテーマは、「世代を超えたコラボレーション」。

ライブは、イベントのバンマスでもある中島卓偉のステージからスタート。気持ちを熱く高揚させる「Calling You」など、エネルギッシュなステージから幕を開けた。なお、このイベントは、彼のバンドが演奏する形を取りながら、参加アーティストたちを迎え入れて、ともに演奏していく形で進行した。

田崎あさひが、ホンキートンクなピアノ演奏のもと、爽やかにはずんだポップロック・チューン「Rolling Days」を唄い、17歳のティーンらしい弾けたステージングを披露。髪を振り乱し、力強く鍵盤を叩きながらキュートに歌ってゆく姿に、観客も喝采の拍手を送っていた。

男性デュオのアルマカミニイトが、中南米音楽のリズムを交えた感情的な「雨粒パール」を届け、期待の若手シンガーRYOTAは、暖かみを持った「ヒマワリ広場」を哀愁たっぷりに唄いあげる。終盤で見せた中島卓偉のブルースハープとRYOTAのフルートのセッションも見どころだった。

熱い演奏に魂掻き立てられた司会の吉澤ひとみが、モーニング娘。の「ザ☆ピース」をヘヴィロックなスタイルで声を張り上げ熱唱してゆくサプライズも。

“奇跡のクリスタル・ヴォイス”松原健之の美しく透明感のある歌声と、躍動的なロック・サウンドが絡み合ってゆく。松原健之は、村下孝蔵の「初恋」もカバー。スタイルやジャンル、世代を超えたコラボレートという姿を描き出した。

そしてステージ後半で登場したのが、田中れいな率いるツイン・ヴォーカル&ツイン・ギター編成によるLoVendoЯ。「こっから盛り上がっていきますかー!」と田中れいなの掛け声を合図に演奏したのが、泉谷しげるの「眠れない夜」のカバー。ワイルドな香り振りまくブルーズなロック・スタイルに、観客たちも大興奮だ。さらに吉田拓郎の「落陽」では、田中れいなの振り上げる拳に合わせ、会場中の人たちも一斉に拳を掲げる。LoVendoЯはツイン・ヴォーカルが魅力のバンド。ふたりの歌い手が歌声をかけあえば、サビでは厚いハーモニーも響かせる。彼女たちが最後に演奏したのが、ザ・モップスの「たどりついたらいつも雨ふり」。ふたりの声のパワー感はもちろん、気持ちを熱く昂らせてゆく明るく高揚性を持ったロックンロール・ナンバーは、これから多彩な色を描いてゆくLoVendoЯにとって、嬉しい魅力になりそうだ。

「これからモーニング娘。とLoVendoЯのリハーサル両方があるけん、がんばって最高のステージを作っていかんと思います」── 田中れいな

ステージも終盤。スペシャル・ゲストとして、シャ乱Qのはたけとまことが登場。ここからは「シャ乱Qコーナー」として、中島卓偉がヴォーカルのもと、重量感を持った姿に進化した「いいわけ」を演奏。続く「シングルベッド」では、松原健之とアルマカミニイトの3人が美しいハーモニーを重ね合わせる。

そんなハーモニーについて「いいねぇ、この爽やかな歌がね。いつも、ちょっといかがわしいボーカルとやってるからね。」と、はたけ。そこに「おいおい、ちょっと待てよ。」と、まさかのつんく♂が乱入。さらに、音響スタッフとして開場に居合わせた、たいせいも加わり、舞台上へシャ乱Qのメンバーが集合。オリジナル・メンバーを中心に「ズルい女」のセッションがスタート。突然の出来事に会場のすべての人たちが、つんく♂の歌に合わせ、熱狂&熱唱。あらためて、シャ乱Qナンバーが時代を越えて親しまれゆく歌であることを認識させた。

最後は、この日出演した参加者全員で、シャ乱Qの「空を見なよ」をセッション。みんなと声をひとつに重ねながら、世代を超えたアーティストたちが歌を通して心を通い合わせたイベントの幕は閉じられたのだった。

本当に心の残る歌は、時代が変わろうと、どんなアレンジに彩られようと、その輝きを失うことはない。同時に、そんな歌を世代を越えて歌い継いでいくこと、未来へと伝えていくことは、音楽を愛するすべての人の使命でもある。そのふたつをあらためて実感した<ミュージックフェスタVol.0 presented by SATOYAMA movement in YOKOHAMA>だった。

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