【ライブレポート】GARNET CROW、解散を告げたツアーファイナルのあまりにも全力で、あまりにも様々な感情

ツイート

「ここで、私達から皆様へ大切なお知らせがございます。私達は、次の東京、そして大阪のライブをもって、解散します」――中村由利

◆GARNET CROW画像

通算10作目のフルアルバム『Terminus』を2013年3月にリリース、デビューから13年を迎え、今後も精力的な活動が続いていくとファンは誰もが思っていたに違いない。しかし、あまりに衝撃的な言葉が告げられた1日……2013年3月30日。<GARNET CROW livescope 2013 ~Terminus~>最終日となるTOKYO DOME CITY HALLで突然の解散を発表したGARNET CROWの姿を、彼らへの惜別の想いも込めて改めて振り返ってみたい。

AZUKI七、岡本仁志、古井弘人、そして、鮮やかな純白のドレスに身を包んだ中村由利。3,000人のファンが手拍子と歓声で迎えるステージへひとりひとり歩みを進め、4人が奏でたのは「Nostalgia」だった。GARNET CROWとして最後のオリジナル・アルバムとなった『Terminus』のオープニングナンバーでもある1曲を繊細なタッチで。キーボード、ピアノ、ギター、ひとつひとつの音色を丁寧に重ね、アンサンブルが雄大に広がり、その中から響く、凛としたオーラを漂わせる歌声が聴き手の心の琴線を揺らす。まさにGARNET CROWならではの情感豊かな音色でライブは幕を開け、メンバーが打ち鳴らす手拍子にファンが続いた「風とRAINBOW」で、躍動感をさらに増していく。

「私達のライブへようこそお越しくださいました、今日は本当にありがとうございます! 今日は久しぶりのライブということで、みなさんとお会いできて本当に嬉しいです。みなさんにお会いできるのをとても楽しみにしてきました。今日は、私達の楽曲を1曲1曲みなさんに伝えていけたらなと思っていますので、最後まで楽しんでいって下さい!」 ――中村由利

メンバーが投げかける笑顔とともに、柔らかなリズムを刻んだのは「アオゾラ カナタ」だ。その心地よいリズムに合わせてさらに大きな手拍子が響き、ステージと客席が一体感で繋がれる。かと思えば、「trade」「かくれんぼ」はシリアスなムードへ一転、「Mysterious Eyes」は開放的な空気感へさらに一転。この日の彼らがファンへ贈ったバリエーション豊かな1曲1曲は、中村由利の唯一無二の歌声をあくまでも芯に据えたうえで、様々な世界観を描いてきたGARNET CROWの、これまでの作品の歴史を凝縮しているかのようにも感じた。

「みなさんも卒業式で一度は歌ったことがあるんじゃないかなと思う曲を、1曲聴いていただこうかなと思います。とても有名な曲で、カバーソングなんですけれども。新しく学生になったり、社会人になったりと、新しいスタートを切られる方も会場にたくさんいらっしゃいましたので、私達からお祝いの気持ちを込めて歌いたいと思います」 ――中村由利

上の学年へ進級した人、新たなステージへ歩を進めた人。新たな季節の訪れとともに新たな環境へ旅立ったファンを客席から見つけて、会場全体で拍手を贈る。そんな心温まる一幕に続いたのは、「Auld Lang Syne」。ライブ会場限定発売CD『MINIQLO「Viento blanco」』に収録された、あの「ほたるの光」の英語カバーだ。今年もこの曲とともに、卒業式でたくさんの涙がきっと流れたに違いないが。アコースティック・サウンドで披露したGARNET CROWの「ほたるの光」も、そして、「Maizy」をはじめとする他のバラードナンバーでも、その厳かな、強く感情を込めて奏でた音色が感動的な場面を演出した。

「アコギは珍しいですね!」――中村由利
「そうでしょ? アコギを持って、こんなたくさんの人の前で歌うなんて、信じられないです(照笑)」――岡本仁志
「初めてですか? アコギでは」――中村由利
「そうなんです! 首からアコギを提げて歌うのは、初めてなんです」――岡本仁志

彼らのライブではお馴染みの“岡本コーナー”は、この日、彼自身初めてというアコースティックギター&ボーカルで披露され、「この手を伸ばせば」にファンは大拍手。そんなライブならではの趣向で会場を盛り上げながら、再びドラマチックなシーンへ。「花は咲いて ただ揺れて」は、まさにそのタイトルのごとく、美しい花びらのような桜色の光でステージが染まる。花はただその性(さだめ)、途切れぬように咲いた。そのメロディが描く物語は、儚く散りゆく花の姿に、人間の人生を重ねているかのよう。ファンは真っ直ぐな瞳でメンバーを見つめ、一音一音、一語一語へ引き込まれていくのが手に取るように分かる。

「個人的には、わりと幻想的な……ダークで幻想的な楽曲もたくさん作れたなと思ってとても気に入ってるんですけど、古井さんはどうでしょう? このアルバムの出来は」――中村由利
「比較的“オトナ”な印象で、僕はとらえていたんですけど。今回は仕上がりにこだわっておりまして、海外にマスタリングという作業をお願いしたりして。音圧を保ちながら聴きやすい、耳に優しい仕上がりにしたつもりなんですが、どうでしたでしょうか?」――古井弘人

途中のMCでは、最新アルバム『Terminus』の手応えを語る彼らに、ファンはもちろん大きな拍手を返す。ダークで幻想的、そして“オトナ”など、メンバー自身が感じている印象通りの重厚な一作となった『Terminus』収録の新曲が、ライブ終盤は随所で光を放った。荒涼とした大地をひとりたたずむ中村の姿が印象的なミュージックビデオも記憶に新しい「海をゆく獅子」は、サックスの音色も交え、荘厳な音色を響かせる。「closer」は、伸びやかなギターソロ、叙情的なキーボードの旋律、広がりのあるシンセへと多彩に展開する演奏が中村の歌声を彩り、楽曲をより劇的なものへと演出していく。

「まだまだ盛り上がっていきましょう!」。中村の声にリードされて、会場のテンションはまだまだ上がっていく。1階フロアから2階、3階、4階スタンドまでファンの笑顔が一面に広がる中で、ラテン音楽にもどこか似たものを感じる「P.S GIRL」のリズムが軽快にスウィング。「ワン、ツー、スリー、フォー、Say! Smiley Nation!」。そして、再び中村のリードで会場全体が大合唱した「Smiley Nation」から、「Life goes on!」で疾走感豊かに本編を締めくくった。

「あっという間でした。楽しい時間はあっという間に終わっちゃいますね……」(AZUKI 七)

ファンの“GARNET――!”コールの大合唱に応えて再び登場したステージで、AZUKIはそんな言葉を名残惜しげに語る。そのAZUKIから受け取ったツアーグッズのタオルを、古井は客席に投げ込んでプレゼントする。そして、「恋することしか出来ないみたいに」「雨上がりのBlue」から、最後もまたファンの大合唱がこだまする。「カモン! Hallelujah──!」。中村の声に導かれて、3000人のファンの喜びの声が疾走する爽快なメロディとともに響いた「Fall in Life ~Hallelujah~」で、華々しいエンディングを迎えたTOKYO DOME CITY HALL。拍手と歓声の中でステージに4人が並び、本人の口から直接告げたのが、原稿の冒頭にも掲載した突然の解散発表だった。

「GARNET CROWとして、全てのことを出し切りました。13年という長きに渡り応援して下さって、本当にみなさんどうもありがとうございました。今は、みなさまへの感謝と、達成感でいっぱいです。でも、まだまだ、最後のライブまで全力で頑張りますので、ラストライブもぜひ私達を応援しに来て下さい、よろしくお願いします!」――中村由利

さっきまでの歓声が、驚き、戸惑い、哀しみ……様々な感情が交錯する声へと変わる中で、彼らはさらに言葉を繋ぐ。

「ラストライブは一緒に楽しく盛り上がりたいと思いますので、皆さん、遊びに来てくれますか! 盛り上げてくれますか! 一緒に盛り上がりましょう! 今日は本当にありがとうございました!」――中村由利

深い感謝の念と、笑顔と、大きく手を振って別れの挨拶を贈り、4人はステージを去っていった。その背中を会場全体から沸き上がる“GARNET――!”コールが追いかけるが、ライブ終了を告げるアナウンスが会場に響く。会場内、そして会場外にも、涙を浮かべる人達の姿が本当にたくさん見られた。

あまりにも突然の解散発表に、ファンの方々の中に様々な思いがあるのは当然だ。GARNET CROWの音楽から得たものが多ければ多いだけ、切なさも募るに違いない。が、しかし。“GARNET CROWとして、全てのことを出し切りました──”。これまでの活動を彼ら自身のやり方でまっとうしてきたからこそ得られた達成感が、この日のライブの最後に見せた笑顔になって表れていたのかもしれない。デビューからの13年間を全力で駆け抜けてきたGARNET CROWに、できることなら、新たな道へ送り出すためのエールを贈って欲しい。そして、彼らと同じ空間を共有できる最後の場所となる6月のラストライブを、この日の4人と同じ笑顔で埋め尽くしてあげて欲しい。

取材・文◎道明利友

<GARNET CROW livescope 2013 ~Terminus~>
2013.3.30(土)@TOKYO DOME CITY HALL
M-1.Nostalgia
M-2.風とRAINBOW
-MC-
M-3.アオゾラ カナタ
M-4.trade
M-5.かくれんぼ
M-6.Mysterious Eyes
-MC-
M-7.Auld Lang Syne
M-8.over blow
M-9.Maizy
M-10.Over Drive
-MC-岡本仁志コーナー
M-11.この手を伸ばせば(岡本Vo)
M-12.花は咲いて ただ揺れて
M-13.ON THE WAY
M-14.一緒に暮らそう
-MC-
M-15.海をゆく獅子
M-16.英雄
M-17.closer
-MC-
M-18.live
M-19.ロンリーナイト
M-20.P.S GIRL
M-21.Smiley Nation
M-22.Life goes on!
-MC-
AN)M-1.恋することしか出来ないみたいに
AN)M-2.雨上がりのBlue
AN)M-3.Fall in Life ~Hallelujah~

最新アルバム 『Terminus』
2013年3月20日(水)発売
オールシングルベストアルバム『THE ONE ~ALL SINGLES BEST~』
2013年5月22日(水)発売
※3枚組(CDのみ)、豪華パッケージ予定、全曲リマスタリング

<GARNET CROW livescope ~FINAL~>
2013年5月24日(金) 18:00開場 19:00開演
@東京・東京国際フォーラム ホールA
[問]ディスクガレージ(TEL 050-5533-0888)

2013年06月08日(土) 17:00開場 18:00開演
@大阪 グランキューブ大阪 メインホール(大阪国際会議場)
[問]サウンドクリエーター(TEL 06-6357-4400)
2013年06月09日(日) 15:00開場 16時開演
@大阪 グランキューブ大阪 メインホール(大阪国際会議場)
[問]サウンドクリエーター(TEL 06-6357-4400)
※チケット代金:¥6500(税込),6歳未満入場不可

◆GARNET CROW オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報