【インタビュー】曽根由希江「この曲は自分以外の誰かを大切にする気持ちを改めて自分も持っていたいという思いで書いているんです」

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■本当に幸せになれる人って
■自分以外の誰かを大切に出来る人なんじゃないかな

◆曽根由希江「願っているから」~拡大画像~

――ニューシングルの「願っているから」はどんな時に出来たんですか?

曽根:今まで曲を作ってきて、その中にちょっとずつちりばめて来た共通の思いがあったんですが、その思いを芯に書いた曲なんです。単純に言うと、自分以外の人に思いやりを持って生きて行けたらとか、そういうことをいつも願っていて。それは自分自身に対してもそうなんですけど。本当に私って自己チューだったなって思うんですよ(笑)。考え方も自分中心になっちゃうことも多いし、わがままだなって思うこともあるし。そういう自分が嫌だなって思うこともあるし、逆に言うと電車に乗ってるときとか、町中歩いてるときとか、人に優しく出来ない人を見ると苦しくなっちゃったりもするんです。今、テレビとかラジオとかネットとか、いろんなメディアがありますが、Twitterを見てても、今ってなんでも簡単に意見が言えちゃうぶん、相手のことを傷つける感覚もなく傷つけちゃってることがあると思うんです。そういう世界が広がっているなぁって感じるし、改めて人は人の中で生きているっていうことをみんなで感じ合えたらいいのにって思っていて。

――同感です。

曽根:どこで人は傷つくのかわからなかったりするじゃないですか。家族の中なら、お母さんと言い合いをしているときにヒートアップして、お母さんを傷つけるような一言を言っちゃうとか。そういうことも誰でもあると思うし。会社の中の会議で意見を言い合ってるうちに揚げ足を取り合ってしまったり。人間、そういうことってあると思うんですね。それが悪いって言っているわけじゃないんですけど、相手のことを傷つけて、その瞬間だけ気持ちよくなれたって幸せになれるかって言ったらそうじゃないと思うんですね。本当に幸せになれる人って、相手を傷つけて自分が優位に立とうとする人じゃなくて、自分以外の誰かを大切に出来る人なんじゃないかなって心底思っていて。だからこそ、今回のこの曲は、自分以外の誰かを大切にする気持ちを改めて自分も持っていきたいという思いで書いているんです。誰かを傷つけてしまったり、卑屈な気持ちになることがあったとしても、本当は温かい気持ちを求めているということを信じているので、ぜひ誰かの気持ちを願う気持ちを忘れないでほしい……そういう歌ですね。

――1対1のラヴソングなのかと思いきや、とても大きな愛の歌だったんですね。

曽根:学生時代だったら、こんな風に思えてないですね。現実は汚いことばっかじゃんって思ってた時期もあったんですよ。不安な現実が広がっているのもわかってる……その事実は変えられないんですが、その中に温かい人もいるし、人間って捨てたもんじゃないっていう出来事もいっぱいあるし。そういう素敵なものをもっともっと温かいなって感じたり、喜びに感じられたほうが幸せじゃないですか。そういう心を持っていたいと思うんです。私も年齢を重ねて丸くなったのかもしれませんが、純粋に温かいものというのを心から信じたくなってるんですよ。

――何かきっかけがあったの?

曽根:ずっと思ってたことではあるんですよ。ただ、それを人に言って「すごい!」って感動してくれる人って、そういないと思うんです。「綺麗ごと言っちゃって」とか捉えられやすいことだと思うので、この気持ちをドーンって表現したことがなかった。だからこそ、曲の中にちょっとずつちりばめて伝えようとしてたんですね。私自身、小さい頃に「やっちゃったなぁ」と思うような体験って、ずっと覚えているんですよ。いまだにそのときの光景が目に浮かぶくらい覚えてたりするんです。そういう感情って誰もが持っていると思うので、誰かを傷つけてしまった瞬間とか、自分も傷ついてしまったこととか、そういう思い出をたくさん持っていればいるほど人は優しくなれるはずじゃないですか。他の人に優しくしたり、何かをしてあげたり、そういう力は絶対にみんなが持っていると思うので。まずその気持ちを感じてもらいたいからこそ、誰か大事な人、一人の人を思う気持ちを持って、そこから広がってったらいいのにっていう気持ちなんですよね。

――ただのラヴソングじゃなくて、深い曲ですもんね。

曽根:だからこそ発表するのも勇気のいる歌だったんですよ。一見ただのきれいごとですし、でも、たぶん誰だって本当は願っているんじゃないかって私は信じているし、辛い経験をたくさんしている人ほど、これ以上、辛い思いもしたくないし、汚いものも見たくないって思ってると思うし。あったかい気持ちを共有できたらいいなっていう私の願いですね。

――軽快な曲調だから重くも説教臭くもならずにスッと聴けるところもいいね。

曽根:そこはだいぶ意識しました。今までも、一曲の中で一行にしか書けなかった私の願いも、「何、この説教臭い歌」って思われるのが嫌だったからというのもあるんです(笑)。自分がずっと言いたいし、伝えたいし、願ってるしっていう感情なんだけど、どう表現したらいいかわからなかった部分ってすごくあるんですよね。2012年に初めてワンマンライヴが出来て、フルアルバムを出せて、目標だったことのひとつとか、ふたつとか、ちょっとずつ出来たっていうこともあったんですね。その後のシングルなので、ここは頑張って、ずっと思っていたことを書きたいなって勇気を出した曲でもあるので。だから説教臭くならないようにっていうのは意識して書いたので。この曲を聴いて、単純に幸せだったらいいなって思う相手の顔が浮かんだら嬉しいです。

――カップリングの「愛しい人」はすごくラヴラヴな曲ですが。

曽根:私の曲は、女の人の複雑な感情みたいなのを描いてきた部分が多くて。それは自分が学生のときに一生懸命恋をして、一生懸命悩んでっていう、あの恋愛がすごい青春だなと思ってたから書いてた部分もあったんですが、最近それこそ丸くなったので、昔なら「何それ!こっ恥ずかしい!」って思ってたような「愛しい」っていうような言葉も、ちょっと身近に感じられるようになってきたっていうか。年を重ねるごとに大切な人が増えていくのは幸せなことだと思うんですが、愛しいってこういう感情なのかもなって。それは恋の相手もそうですが、友達とか家族とかペットとか、なんでも愛しいって感情はあると思うんです。自分が一番じゃなくても良くなるような相手への気持ちっていうのを理解できるようになってきて。だからこそ、そういうストレートな愛の歌って書いたことなかったなって思ったんです。なので、せっかくそういう感情がわかるようになったわけだし、そういう曲を書きたいと思って、ストレートに書きました。きっと昔なら、もっとヒネりを入れてたと思うんですけど。自分にとっての愛しい人とか、大切な人とかを大事にする気持ちを持っている人ほど、心に余裕を持てたり、人間としてすばらしい人になってるんじゃないかなという気はします。

――新年度ですが、これからの目標は?

曽根:先輩方が、年を重ねると月日が早いって言うので、今年はこういうことをしたってちゃんと言えるように充実させていきたいですね。できること探して努力して、変わらず音楽と向き合って行きたいと思います。

取材・文●大橋美貴子

「願っているから」
4月10日(水)発売
【初回限定盤 DVD付き】MUCD-9053 ¥1,600(tax in)
(CD)
1.願っているから
2.愛しい人
3.手をたたこう‐弾き語りバージョン‐
4.願っているから‐Vocal-less Track‐
5.愛しい人‐Vocal-less Track‐
(DVD)
1.願っているから Music Video
2.願っているから Music Video メイキング映像
【通常盤】MUCD-5216 ¥1,260(tax in)
(CD)
1.願っているから
2.愛しい人
3.ねぇ、どうして‐弾き語りバージョン‐
4.願っているから‐Vocal-less Track‐
5.愛しい人‐Vocal-less Track‐

<「願っているから」発売記念LIVE&サイン会>
4月9日(火)19:00START
場所:府中フォーリス1F 光と風の広場
4月10日(水) 17:00START
場所:たまプラーザ テラス ゲートプラザ1F フェスティバルコート
4月11日(木)18:00START
場所:文化放送1Fサテライトプラス
4月12日(金)17:30START
場所:相模大野ステーションスクエア 3階 南北自由通路 特設ステージ
4月13日(土) 1回目14:00~、2回目16:00~ 
場所:MONA新浦安A館 1F スパイラルコート
4月14日(日)1回目14:00~、2回目16:00~ 
場所:上尾ショーサンプラザ 1Fセンターコート
[問]ドリーミュージック営業部 TEL03-5775-7483

◆曽根由希江 オフィシャルサイト
◆曽根由希江 オフィシャルブログ
◆曽根由希江 オフィシャルmixiページ
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