スガ シカオ「アイタイ」デビュー17年目の新しいスタート

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2013年4月10日、約2年振りにシングル「アイタイ」をリリースするスガ シカオ。2011年にオフィスオーガスタから独立。そして、デビュー17年目にして再び新しいスタートを切る。

新しいスタートの前の2月25日に、中野サンプラザで行われた<Suga Shikao Hitori Sugar Tour 2013 16th Anniversary Hitori Sugar Premium Adult Night>。50回以上行われている、スガ一人で行う<Hitori Sugar Tour>の特別バージョンだ。

大人のための着席のライブが始まる。かなり偏ったライブになるとMCで本人も語る。ライブが始まっても座り続けるのは暗黙の了解なのか、それとも本当は立ち上がるべきか悩むところだが、日頃のライブでは聴き逃してしまう言葉をしっかりと聴くとても良い時間。

広いステージ。真ん中に敷かれた絨毯の上がパフォーマンスエリア。ステージセットは何もなく、2222席にガチで一人で向かう。

1997年5月に発売された2枚目のシングル「黄金の月」の<ぼくの未来に 光などなくても>という歌詞。16年後の今、彼にとって、この歌詞はどんな意味を持つのだろう? 外からみる光と本人が感じる光は違う、そんなことを考えた。演奏が始まると、ステージの背景に大きな月が浮かぶ。ライブに来る途中に見た大きな丸い月を思い出す。この日が14番目の月で、翌日ツアーファイナルでデビュー16周年の日が満月。<黄金の月などなくても>と歌いつつ、空には満月がある。これも演出だろうか?

続く「夜空ノムコウ」。何度も聴いた曲だが、<あのころの未来>という言葉が胸に刺さる。あのころの未来=なりたい自分であるとすれば、それは目指す場所に来たかどうか? ただ、目指していた場所の居心地は、来てみないと分からない。その場所に違和感があれば、留まらない勇気を持つこと、別の場所へ挑戦し続けていくことが必要。想像でしかないけれど、きっとそんな思いで、2011年から自らの立ち位置を変えてきただろう彼が歌う姿が、とてもリアルに見えた。

ライブ後、「アイタイ」という楽曲を耳にするようになり、ミュージックビデオや歌詞を目にして、この楽曲に関わるすべてが、「今の彼の<あのころの未来>」なのかもしれないと思った。体裁を繕わない、まるで16年前に初めて彼の楽曲を聴いたときに感じた、秘密を解いていくような感覚がたまらなく清々しい。

<Suga Shikao Hitori Sugar Tour 2013 16th Anniversary Hitori Sugar Premium Adult Night 2月25日@中野サンプラザ>
1.Re:you~かわりになってよ
2.アシンメトリー
3.Party People
4.Festival
5.サヨナラホームラン
6.春夏秋冬
7.NOBODY KNOWS
8.ひとりぼっち~アイタイ(with Strings)
9.黄金の月(with Strings)
10.夜空ノムコウ(with Strings)
11.Progress(with Strings)
12.夕立ち
13.Hop Step Dive
14.ヒットチャートをかけぬけろ
15.コノユビトマレ
16.午後のパレード
En1.バクダンジュース(with M-OTO,Tokyo)
En2.傷口(with Strings)
En3.19才(with Strings)

「アイタイ」
2013年4月10日発売
初回盤\1,890(税込)VIZL-532
通常盤\1,260(税込)VICL-36762

[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/

◆スガ シカオオフィシャルサイト
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