【ライブレポート】→Pia-no-jaC←、嵐をも味方にしてしまうライブセンス

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全国30ヵ所を回ったピアノとカホンのインストゥルメンタルユニット→Pia-no-jaC←の<→Pia-no-jaC← 5th Anniversary JACKPOT TOUR 2013>ツアーファイナルが4月6日渋谷公会堂で行われた。

◆→Pia-no-jaC← / EAT A 野音2映像

爆弾低気圧が直撃し外は嵐のような天候ながら、2000人を集め超満員の客席に、このツアーで積み重ねてきた期待を強く感じることが出来た。それを感じてか、カホンを担当するHIROは「30ヵ所やって来たので、(各地から)タスキを受け渡されてきた気持ち。それを今日のライブで伝えられたら。」と語ってくれた。

確かなテクニックに裏打ちされたコミカルな演出で→Pia-no-jaC←らしさを強く感じることが出来る「エリーゼのために」からライブはスタート。まるで音楽で奏でる掛け合い漫才のような、ピアノとカホンによる絶妙な呼吸の間と、笑顔を生む数々の仕掛けを織り交ぜたパフォーマンスには、世代も性別も問わずファンが増殖し続けているのもうなずける。

激しさと悲しさが共存するアップチューン「組曲『惑星』から木星」「Paradiso」で客席はクラップの嵐。そんな空気をHIROの「渋谷公会堂だけに、渋谷もう最高!」とダジャレで一瞬冷ましたものの、「ジ・エンターテイナー」で再度ヒートアップ。さらに、→Pia-no-jaC←としての新しいことへのチャレンジとして、デビュー曲でもある「組曲『 』」を新しいアレンジで演奏。オリジナルよりも攻撃性を増したアレンジに→Pia-no-jaC←の約4年半の進化を証明してみせた。

MCを挟み、こちらはメロウに新アレンジした「台風」、さらに「ハンガリー舞曲 第5番」「2つのアラベスク 第1番」と、今までとは一転、大人なPJを見せつけた。

ここで、このツアーではおなじみとなっている「今日来てくれたお客さんのためだけの音楽の時間」(HAYATO)である『大喜利ジャック』のコーナーへ。今日来ているお客さんから開演前にお題のアンケートを集め、くじで引いたお題2つに沿った即興演奏を2人が披露。今日のお題は「嵐を呼ぶ男。それは…」「ひとつつの恋愛が終わったばかりなので、私のテンションが上がる励ましの曲」。演奏しながら相談するという荒業やHIROの「嵐を呼ぶ男」の小芝居を挟みつつ、全く即興とは思えない「まさしく恋はハリケーン」(HIRO)な物語が展開する見事な即興演奏を披露した。

さらにライブ後半では、こちらも→Pia-no-jaC←定番『シャカシャカ大作戦』。会場で販売されているビニール袋を使ってパーカッションとして観客も参加。途中、膨らませた袋を勢い良く叩きすぎて破裂させる人が多発するというハプニングがありながらも、客席とステージの垣根を感じさせない空間を作り出すことに成功。さらには「それでも猫は追いかける~結婚行進曲」のメドレーでは、新旧の色とりどりのPJタオルが客席で踊った。最後に、新生活の始まる4月ということで「新しいことへチャレンジする人へ贈る」(HAYATO)「風雅」「ジムノペディ 第1番」を演奏して本編は終了。

「夜桜~yozakura~」の美しくもどこか悲しいプレイで会場を魅了し、アンコールがスタート。続くMCでは、9月21日に日比谷野外大音楽堂で<→Pia-no-jaC← 5th Anniversary FINAL EAT A 野音2 ~今年もやります全曲ジャック~>と題したライブを行うことをサプライズ発表。2012年の野音が伝説となっているだけに、会場も大歓声に包まれた。

新アレンジの「美しく青きドナウ」から「Jack」「PEACE」と、定番曲で会場いっぱいに笑顔があふれる中、響くHIROの「ありがとう!愛してるぜ!」の声とともに、3時間を超える至福の時間は終演。

たったピアノとカホンだけながら、時にメロディアスに、時にコミカルに、時に情熱的にと、さまざまな顔を魅せる→Pia-no-jaC←。嵐をも味方にしてしまうライブセンスは、ツアーを重ね進化を続けた賜物だろう。今年の野音まで、彼らがどこまで進化し続けるのか?その答えはひとつひとつのライブで産まれたたくさんの笑顔だけが知っている。

取材・文:エドボル
Photography:Takumi Nakajima

<→Pia-no-jaC← 5th Anniversary JACKPOT TOUR 2013>
2013年4月6日@東京渋谷公会堂
1.エリーゼのために
2.組曲「惑星」から木星
3.Paradiso
4.ジ・エンターテイナー
5.組曲「 」_NEWver.
6.交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第4楽章
7.台風_NEWver.
8.ハンガリー舞曲 第5番
9.2つのアラベスク 第1番
10.大喜利ジャック
11.HAYATO SOLO
12.HIRO SOLO (眞)
13.ダイナマイト ~ Time Limit
14.交響詩 禿山の一夜
15.威風堂々 ~ ウィリアム・テル序曲 ~ 夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2
16.それでも猫は追いかける ~ 結婚行進曲
17.風雅
18.ジムノペディ 第1番
EN1.夜桜 ~yozakura~
EN2.美しく青きドナウ_NEWver.
EN3.Jack
EN4.PEACE

<→Pia-no-jaC← 5th Anniversary FINAL EAT A 野音2 ~今年もやります全曲ジャック~>
2013年9月21日(土)
@東京・日比谷野外大音楽堂
開場 16:15 / 開演 17:00
前売 ¥5,000 (指定席/消費税込)
※3歳以上有料
【チケット先行予約】
モバイルファンサイト「ジャックと豆の木」:~4月21日(日) 23:00
→Pia-no-jaC←OFFICIAL HP:~5月6日(月・祝)23:00
チケット一般発売日:2013年5月25日(土)

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