【ライブレポート】須藤元気率いるWORLD ORDER、日本武道館公演で「第二章のはじまり」を宣言

twitterツイート

WORLD ORDERが4月20日、日本武道館公演を行なった 。格闘技をエンターテインメントとして表現することに強いこだわりを持っていた須藤元気による本格音楽プロジェクトが、このステージで表現したのはどんなものだったのか。360°の角度から見渡せるセンターステージでのパフォーマンスをはじめ、弦楽ダブルカルテットやキーボードの生演奏も加わった一夜限りのパフォーマンス。その本気度100%のステージをレポートしたい。

◆WORLD ORDER 画像

「WORLD ORDERの日本武道館ライブは、WORLD ORDERの第二章のはじまりである」

須藤元気をして、そう言わしめた初の日本武道館公演。ロボットのようであり、アニメーションのようでもある動きで、見る者を圧倒してきた彼らのダンスパフォーマンスが、正面からという平面の見せ方のみならず、センターステージで360度、全ての方向のオーディエンスに対して魅せるものへと進化したのがこのステージだ。平面から立体へ、WORLD ORDERの新天地の幕開けを目の当たりにするライブとなった。

観客たちはステージをぐるりと取り囲むように座っている。すり鉢状の日本武道館という会場では、四方八方からステージへ注ぐ視線がWORLD ORDERの登場を待つこととなる。ステージ上部には円筒状のLEDのスクリーン、ステージ床にはLEDライトが設置されているのが見て取れた。そして、センターステージ奥の演奏ステージにはストリングスの楽団、ピアノとマニュピレーターが。そう、この夜のライブは生のストリングスとピアノの音色の中でのパフォーマンスとなるのだ。

ざわめいていた会場に、ショウの始まりを静かに誘うストリングスの音色が響きはじめ、開演が近いことを観客へ知らせる。それから間を置かずに場内が暗転。ライトが演奏者たちへ向けられ、「THE HISTORY OF VOICE」の美しい音が流れ出す。すると、姿を現したメンバーたちが、1人、また1人とセンターステージに向かってゆっくりゆっくりと進みだした。一方、頭上のモニターでは、整然と進む彼らの姿が映し出される。全員がセンターステージへ到着し、ステージの上を確かめるように動きまわると楽曲は「WORLD ORDER」へ。“夢を抱き、希望を手にする”、そんなポジティブなメッセージが込められた名曲は、これまでのように正面の観客へ向けての平面パフォーマンスだった。しかしその動きは少しずつ向きを変え、まるで四方にいるオーディエンスに挨拶をするように全方向へと発展する。タイミングによって横向き、背後をも見せるこの動きが、第二章の開幕ののろしなのだと感じさせる。まだ誰も経験したことのないWORLD ORDERの姿がいきなりオーディエンスを圧倒していったのだった。

コントラバスの音がまるで信号となっているかのように、バラバラと移動を繰り返していた7人。その7つの点がいつしか横並びとなって線を作ると、天井からのカメラの映像がビジョンに映し出される。放物線を描いたり、螺旋を描いたり、様々な動きをみせるその線は、ストリングスが刻むリズムの中に響いた「PERMANENT REVOLUTION」でより躍動感を増した。無機質にも思える彼らの動きと生楽器の生み出す高揚感。そのコントラストで紡がれた爽快なナンバーに感じたのは、「WORLD ORDERをアートとして見せる」という須藤元気の言葉だった。

「いやぁ、WORLD ORDER、かっこいいですね。今日リハーサルして思ったんです。これはモテるなって」

MCで笑顔を見せた須藤元気。全国から集結したオーディエンスへ向けて感謝を述べた後、語り出したのはWORLD ORDERの軌跡だ。始まりは3年前、赤坂の小さなライブハウスだった。そしてついに日本武道館のセンターステージで、1万人の観客を前にライブができるようになったこと。かつて格闘家として武道館のセンターに立った自分が、グローブを外し、スーツを着て、ステージで踊っていること。「これがCHANGEである」と。そんな須藤元気の格闘家時代、リングへの入場の際にダンサーをしていたという内山のロボットダンスから、曲は「CHANGE YOUR LIFE」へ。エレクトロサウンドの中を立体的に動くメンバーたち。

そしてここでメンバーそれぞれのソロが披露された。上西から高橋、内山、野口、森澤、落合へ。動きのタイプも違えば、その速さも違う。6者6様の個性溢れるダンスが会場にWORLD ORDERの真骨頂を届ける。そして中央に現れた須藤元気に吸い寄せられるように集結するメンバーたちの姿が印象的なパフォーマンスだった。

2度目のMCで須藤元気は、なぜセンターステージでのライブを選択したのかについて話した。初のセンターステージをどうして行うのか…それはあえて自分たちの弱点を出そうということなのだと。

「面での表現は綺麗に見えないところもある。敢えて弱点を見せると、今まで見えなかったものが見えた。表現が広がった」

WORLD ORDERは夢と希望を失ったこの世界を浄化し、人々に希望というインスピレーションを与え、マインドレボリューションしていくことがテーマのプロジェクトである。“自分が変われば、世界は変わる”、須藤はそう話した。そして曲は「A BRAVE NEW WORLD」へ。アンビエントなサウンドが震動する中、黒い箱を被ったメンバーたちによるダンスが繰り広げられる。スクエアな箱を被ってみせるサークルなパフォーマンス、光を放つ黒い箱、光と闇、動と静…音数が少ない楽曲だけに、ダンサーの動く音までも響きそうなほどだ。続く「FIND THE LIGHT」では激しく打ち鳴らされるエレクトロビートにのって、雄大に歌いあげる須藤元気の姿があった。そしてビートの速さと同期するかのように細かいニュアンスをつけた動きを披露すると、そのまま「BLUE BOUNDARY」へとなだれ込む。バイオリンとピアノの音色が、青い光に包まれたステージで、楽曲を立体的に浮かび上げた。夜明け前を思わせる音を彩ったのは、ストリングスの美しく温かな肌触りと、7人のシルエットだった。

「MIND SHIFT」は、千手観音のような手の動きや須藤元気の背後から出てくるメンバーの顔、不思議な手の動作などで知られるナンバーだ。それを平面のみならず、側面も背面も惜しみなく見せることで、パフォーマンスの秀逸さがこれまで以上のものに感じられた。そして、インストナンバー「BE MAN MACHINE」をはさみ、「MACHINE CIVILIZATION」へ。大きく動きは変えないままに、それでもカメラの動きと視点の変化によって新たな姿となって表現されていた。またここでは、密着したフォーメーションで大きく動くという、見せ場のパフォーマンスがあるだけに、その様子を側面や背面からも堪能できたことで“見せることで見えてくるもの”という彼らの核心を垣間見た気がした。

そんな驚きと感動を覚えたナンバーに続いては「AQUARIUS」だ。ビジョンと床のLEDには、水面に美しい波紋が広がって行くイメージ映像が。ストリングスの音色が美しいこの曲では天井からのカメラが寝転がったままのタットでみせる。映像とダンスとの融合で体感させる浮遊感と高揚感。そしてラストは「2012」だ。華やぐフロアミュージックに、ライトを浴びたステージで回転しながら踊るメンバーたちが、楽曲の光降る感覚を動きで届けていった。

「日本武道館がWORLD ORDERの第二章の始まりである」。須藤元気がそう話してくれたのは武道館公演リハーサル初日のことだった。ここまでやってきたこと、ここまで感じてきたもの、それらを出してきた第一章がある。そしてここからは「世界」へ向けたものとなるという。そういう意味では通過点である武道館だけれど、はじまりの日という点でもある。点は彼らが想像する未来の点へと繋がるもの。その未来へと向かう彼らの全てをさらけだしたステージに、とどまることのないWORLD ORDERの快進撃を感じた夜だった。

取材・文◎えびさわなち

ライブBlu-ray&DVD
「須藤元気 Presents WORLD ORDER in 武道館」
2013年8月7日発売
【初回限定版Blu-ray】
PCXP-50156 \6,800(税込)
豪華BOX仕様、特製ブックレット、限定版のみの映像を収録!
【Blu-ray】
PCXP-50157 \5,800(税込)
【DVD】
PCBP-52249 \4,800(税込)
本編:約90分
特典映像:未定
<WORLD ORDER>
須藤元気
落合将人
野口量
内山隼人
森澤祐介
高橋昭博
上西隆史
<構成/演出/舞台制作>
タグチヒトシ(GRINDER-MAN)
伊豆牧子(GRINDER-MAN)
梨本威温(GRINDER-MAN)
※WORLD ORDERが初となるライブBlu-ray&DVDをリリース!
※4月20日に行われた武道館ライブの模様を完全収録!
※360°から見渡せるセンターステージでのパフォーマンスに加え、ダブルカルテット(弦楽器)、キーボードの生演奏が加わり、ここでしか見られない1夜限りの パフォーマンスを披露!
※このステージの後に、第2章に入るというWORLD ORDERの今後の動きにも目が離せない!

◆WORLD ORDER オフィシャルサイト
twitterこの記事をツイート

この記事の関連情報

amazon
amazon
amazon