【ライブレポート】BOOM BOOM SATELLITES、見事な復帰を遂げたステージから、高らかに響いた川島のメッセージ

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BOOM BOOM SATELLITESが5月3日、自身初にして、川島道行(Vo&G)の療養復帰後一発目となる日本武道館公演を開催したことは、5/4付けBARKSニュースの速報レポでお伝えした通り。あまりにも感動的で、実に新たな試みが満載されたステージだった。その模様を詳細レポートで改めてお伝えしたい。

◆BOOM BOOM SATELLITES 拡大画像

川島道行の脳腫瘍治療のため、最新アルバム『EMBRACE』を引っさげての全国ツアーが中止となったBOOM BOOM SATELLITESのカムバックステージ、2013年5月3日、日本武道館。そのステージに立った2人のこの姿に誰もが胸を熱くしたに違いない万感のラストシーンを、原稿の冒頭から恐縮だが、どうしても記しておきたい。

「最後にひとこと言わせてください。言いたかったことがあります……。BOOM BOOM SATELLITESでした! ありがとうございました!」

BOOM BOOM SATELITESとしてこのステージに立てた喜びを、川島は改めて言葉に託す。そして、後方の巨大LEDスクリーン一面を埋め尽くす“BOOM BOOM SATELLITES”のロゴを振り返り、両手を力強く突き上げる。そのかたわらで、拳を胸に当てて武道館へ感謝の意を伝え、最後は並んで深い礼をする2人に盛大な歓声が贈られる。

全16曲、トータルタイムは2時間超え、まさに全身全霊のパフォーマンスで完全復活を遂げたBOOM BOOM SATELLITES。YouTube Live、ニコニコ生放送、JAMBORiii STATIONを経由した生中継に加え、特設サイトでは360°インタラクティブによるUstream生配信という斬新な試みも展開され、日本中、あるいはネットを通して世界中の人々と共有された記念すべき一日を、彼らの復帰への祝福の意を込めて今一度振り返ってみたい。

時刻は18時40分、ループするSEのビートが会場の興奮を高める中で、先にステージへ登場した中野が左手をかざし川島を招き入れる。ボリュームがさらに上がる歓声の中で、ステージ向かって中央右手に立つ川島、左手に立つ中野が奏でる「ANOTHER PERFECT DAY」のディストーションギターで日本武道館が激しく揺れる。そして、オープニングナンバーでいきなり強烈なインパクトを放ったステージから続いたのは、『EMBRACE』にも収録されたTHE BEATLESのカバー「HELTER SKELTER」だ。

「僕らはデビューから15年が経ったけど、今でもチャレンジャーなので、“こんなカバーのスタイルもあるんだよ”っていう」――中野

BARKSでのアルバムインタビュー時に彼らはそう語っていたが、深い余韻をまといながらエコーするメロディと大音響のバンドサウンドが融合する、まさにBOOM BOOM SATELITES流のチャレンジスピリットを感じさせる新たなスタイルのカバーに会場からは大歓声が舞う。そして、さらに続いていく数々のナンバーに、再びインタビュー時の彼らの言葉を思い出す。

「1曲1曲、その曲自体が持っている表現力をサポートする形で、あるいは押し上げる形で様々な音楽スタイルというか、手法だったりを自由に扱っている感じはします」――中野

重々しい雰囲気から、サイケデリックな感触を伴って広がる音像に合わせて、LEDスクリーンに映し出されるペースメーカーのような光の筋が激しく脈打った「BROKEN MIRROR」。かと思えば「DISCONNECTED」は、4つ打ちのビートが高速でリフレインする中で、スクリーンに連なる巨大なプラグが火花を散らしながら“DISCONNECTED(切り離される)”されてゆく。まさに中野の言葉通り、それぞれ異なる個性を持つ『EMBRACE』の1曲1曲が、サウンドとビジュアルの見事な融合を伴って日本武道館に多彩な起伏を描いてゆく光景が印象的だった。

そこから続くセットリストは、6thアルバム『EXPOSED』収録曲「MORNING AFTER」や、シングルカットもされた「BACK ON MY FEET」など、もはや説明不要の代表曲群を挟みながら展開してゆく。そして、その2曲のグングン加速してゆくBPMにアッパーな雰囲気で包まれる武道館にさらに異なる表情を演出したのは、これもまた『EMBRACE』収録の新曲「SNOW」と、アルバムのタイトルナンバー「EMBRACE」だ。

「聴いていて、それを弾いている手元がビジュアル的にイメージできるぐらいの“人が見えてくる”音。ボーカルのブレスの息づかいは目の前に歌い手がいるような感覚」――中野

川島がアコースティックギターを手にして、繊細な音色と歌声のアンサンブルを響き渡らせた「SNOW」。さらに続いた「EMBRACE」も、弦楽、ピアノ、細やかな電子音など多彩な音色に包まれながら、美しいメロディが壮大に広がってゆく。その丁寧に、かつ情熱的に重ね合わせたアンサンブルもまた、『EMBRACE』で彼らが目指した理想の音楽をまさしく具現化させたもの。演奏者の意思、メッセージや情熱が伝わってくるBOOM BOOOM SATELLITESの“人肌の音楽”。その一音一音を奏でる2人の姿をオーディエンスは熱い眼差しで見つめ、感動の歓声をステージへ贈る。

「ありがとう! こんばんわ、BOOM BOOM SATELLITESです!」――川島

いろとりどりに輝くラインティングに包まれて鳴り響く「FOGBOUND」のビートに客席が波打った日本武道館に、この日初めてのメンバーのMCが投げかけられ、ライブはさらに佳境へと向かう。「MOMENT I COUNT」、「EASY ACTION」、本編ラスト「KICK IT OUT」と続いたライブ終盤は、肌を震わせるほどの音圧と陶酔的なビートの3連打に、気がつけば取材という立場を忘れてライブに没頭してしまう。

そして、巨大な熱気で包まれる武道館に、煌びやかに瞬く光の粒子とともにLEDスクリーンに映し出された数字がカウントダウンを刻み、歓声と手拍子に包まれる中でメンバーが再びステージへ歩を進める。キーボードの前に立つ中野と、マイクスタンドに向かう川島が奏でたアンコール・ナンバーの幕開けは「NINE」だ。ループするバスドラム、その上を電子音が浮遊するように舞い、厳かに、そして力強い川島のボーカルとともに上空へ広がってゆく。その2人の背には、純白のドレスに身を包んだ天使が大空を舞う姿がスクリーンを彩り、美しい音色と美しい映像のシンクロにその場にいた誰もが見惚れている。この「NINE」の映像は、前述の360°インタラクティブ映像によるUstream配信でアーカイブされているので、この良き日の思い出とともに改めて楽しんでもらいたい。

さらに、客席からの撮影が完全OK、そして通常ではライブスタッフ以外一切立ち入り禁止のPA席で、PAから出力されるライブMIX音をヘッドホンで聴くことができるという超プレミアムVIP席へ限定2名の招待など、BOOM BOOM SATELLITESの復活をファンとともに祝う様々なプレゼントが満載だったこの日のライブ。新たな音楽体験を様々な形で堪能させてくれた日本武道館は、「DIG THE NEW BREED」と「DRESS LIKE AN ANGEL」で、ステージ両翼に設えられた長い花道を川島と中野が駆け、スタンド席の目の前でダイナミックに演奏する姿に熱狂が降り注ぐ。

「ありがとう! 今日は、日本武道館へようこそ。いろいろとみんなには心配をかけたと思いますが、こうして、元気で帰ってくることができました」――川島

会場からは盛大な拍手とともに、「お帰りなさい!」の声が飛ぶ。そして、その祝福の声に、さらに言葉を紡いでゆく彼ら。

「今夜、こうやって、お互いの存在を確かめ合うリアルな現場に立てて、僕らは本当に幸せだと感じています。『EMBRACE』というアルバムをこうしてライブで届けることができて、念願叶いましたので、すごく良い夜になったと思います。あともう少しですけど、楽しんで帰って下さい。今日はどうもありがとうございました!」――川島

繊細な音の粒が、静かに、空間を漂うように舞う。そこへ、ゆっくりとループするビートが重なり、エンディングナンバー「STAY」のメロディが流れ出す。強烈な音圧の中から、ファルセットボイスが厳かに、かつ、壮大に響き……上空から光の筋が客席を照らし、この日一番の盛大な歓声が巻き起こる中で迎えたのが、冒頭でも書かせてもらった感動的なエンディングシーンだ。

「最後にひとこと言わせてください。言いたかったことがあります……。BOOM BOOM SATELLITESでした! ありがとうございました!」――川島

問答無用の大迫力なサウンドで、フロアをロックする。ダンサブルなループ感で、陶酔させる。そして、繊細な一音一音の紡ぎで感動を生むetc。見事な復帰を遂げたステージから高らかに響いた川島のメッセージで締めくくられたこの日のライブは、『EMBRACE』へ至るまでにBOOM BOOM SATELLITESが試行錯誤しながら作り上げてきた、音楽の様々な楽しみ方を与えてくれる楽曲が満載だった。そして、「来てくれた人が何か直接的なものを持ち帰ってくれるだけのエネルギーを発したいですよね」と中野がアルバム取材時に語った言葉通りのエネルギーに満ちあふれていた。多くの人々と共に祝った復活の日を経てさらに続いてゆく今後の活動とライブで、その大いなるエネルギーをまた何度でも感じたい。

取材・文◎道明利友

■360°配信特設サイト(PCのみ体験可能)
http://360.bbs-net.com/

<BOOM BOOM SATELLITES EMBRACE TOUR>
2013.5.3日本武道館セットリスト
1.ANOTHER PERFECT DAY
2.HELTER SKELTER
3.BROKEN MIRROR
4.DISCONNECTED
5.MORNING AFTER
6.BACK ON MY FEET
7.SNOW
8.EMBRACE
9.FOGBOUND
10.MOMENT I COUNT
11.EASY ACTION
12.KICK IT OUT
encore
en1.NINE
en2.DIG THE NEW BREED
en3.DRESS LIKE AN ANGEL
en4.STAY

Album『EMBRACE』
2013年1月9日発売
【初回盤(CD+DVD+USB)】SRCL8162~4 ¥4,750(tax in)
【通常盤(CD Only)】SRCL 8165 ¥3,059(tax in)
1. ANOTHER PERFECT DAY
2. HELTER SKELTER
3. BROKEN MIRROR
4. SNOW
5. FLUTTER
6. DISCONNECTED
7. DRIFTER
8. THINGS’LL NEVER BE THE SAME
9. EMBRACE
10. NINE
<DVD>
1. ANOTHER PERFECT DAY (MUSIC CLIPS)
2. BROKEN MIRROR (MUSIC CLIPS)
3. LOCK ME OUT (MUSIC CLIPS)
4. BACK ON MY FEET (MUSIC CLIPS)
5. WHAT GOES ROUND COMES AROUND (MUSIC CLIPS)
6. EASY ACTION (MUSIC CLIPS)
7. KICK IT OUT (MUSIC CLIPS)
8. PILL (MUSIC CLIPS)
9. MOMENT I COUNT (MUSIC CLIPS)
10. DIVE FOR YOU (MUSIC CLIPS)
11. PUSH EJECT (MUSIC CLIPS)
<USB>
1. (データトラック)EMBRACE SELF LINER NOTES/「DISCONNECTED」「DRIFTER」「NINE」 (REMIX PARTS)/SCREEN SAVER/PHOTO GAL

◆BOOM BOOM SATELLITES オフィシャルサイト
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