【インタビュー】塩ノ谷 早耶香「私にとって歌とは“いろんな世界に連れてってくれるもの”」

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■客席の一人ひとりに語りかけるように歌っています
■この曲で私も皆さんの心に光を灯していきたい

――一方で「Smile again」はガールズトーク的なシチュエーションの曲ですが、ガールズトークってすることあります?

塩ノ谷:ありますよ! 相談することもあればされることもあるけれど、結局深い話をするというより、何気なく愚痴を言って、それに同意してもらうだけで気持ちが楽になるんですよね。そんなガールズトークを切り取ったような曲だから、歌詞を読んでもスッと共感できて、実際、自分が言いそうな台詞も入ってるんですよ。例えば“今日なら 朝まで OK”とか、一字一句同じではなくても、いつも私が相手に対して思っているのと同じ内容が書いてある。歌詞自体、完全にお喋りしてるような口調なので、ライヴでは客席の一人ひとりと目を合わせながら、その方に向けて語りかけるように歌っています。MV撮影でもカメラが友達のつもりで臨んだんですよ。夜っぽい雰囲気の中でライトが優しく灯っているような映像になっているので、この曲で私も皆さんの心に光を灯していきたいですね。

――そういう意味では自分自身に向けて歌っている「片恋」とは正反対ですよね。

塩ノ谷:そうなんです。完璧に皆さんに向けて、皆さんのことだけを考えて歌う。だから、「片恋」とは正反対の明るい歌声を意識しましたし、ライヴになると皆さんが手拍子をしてくださって、一体感を感じられるのがすごく楽しいんです。この曲を歌うことで、聴いてくださってる方々との距離を、より縮められる気がするんですよね。1stシングルの「Dear Heaven」も切ないバラードで、こういう“聴き手の皆さんに届ける曲”が出来て、また、ここで新たな塩ノ谷 早耶香も魅せられたんじゃないかと思います。

――ただ、よく読むと“泣くだけ 泣いて”とかっていう歌詞もあったり……。

塩ノ谷:タダの笑顔じゃなく、辛さを乗り越えたからこそ、今また笑顔になれてるんだっていう意味での「Smile again」なんですよね。つまり、根本には“辛いことがあるから笑顔になれる”っていうメッセージがあるわけで、そこは「片恋」とも通じるところだと思います。もう一つ、2曲に共通してるのが“淡さ”。

――映像で表すと、両方とも淡いってことですか?

塩ノ谷:そうです。最初に「片恋」を聴いたとき、真ん中だけが黄色い白い花が、パッ!と思い浮かんだんですね。「Smile again」はカラフルなパステルカラーの風船が飛んでるイメージで、どっちにしても淡くて優しい色のイメージなんですよ。ジャケット写真のほうも全体的に淡い色になっているので、上手く繋がって良かったです。

――では、ここでズバリ聞きます。塩ノ谷 早耶香にとって“歌”とは何でしょう?

塩ノ谷:なんだろう? 今までは“届けるもの、自分の想いを伝えるもの”って考えていたけど、それは少し違うのかなぁって、今“うた修行”を続けている中では感じています。届けるだけじゃなく、届けてもらってるというか、歌っていく中で学べるものも、すごく多いんですよ。例えば「片恋」にしても、自分の経験とリンクさせながら“こういう考え方もあるんだ”って気づけたところが大きい。だから“いろんな世界に連れてってくれるもの”が一番ピッタリくるかな。

――そうやって見た世界に、今度は塩ノ谷さん自身が、聴き手の方々を連れていくわけですね。

塩ノ谷:はい。そのためには自分自身が曲ごとの世界に入り込んで、楽しんだり悲しんだり、そこで人間的に大きくなればなるほど、連れていける世界の幅も広がって、より深いところまで行けるんじゃないかと思うんです。なので6月15日、品川ステラボールでの初ワンマンライヴでは、“うた修行”で学んだことだったり、いろんな想いを皆さんに届けたいですね。ロマンチックな要素も盛り上がれる場面も入れつつ、アーティストとしての塩ノ谷 早耶香と人間としての塩ノ谷 早耶香、その両方を見てもらえるライヴにしたいです。私、よく“ギャップが凄い”って言われるんです。

――ギャップって?

塩ノ谷:楽曲やヴィジュアルのイメージから、シャイで大人しそうに思われるんですよ。声質のせいもあって、バラードや切ない曲ばかり歌ってきたので。

――いわゆる“ミスト・ヴォイス”ですよね。ガツンとインパクトを与えるんじゃなく、霧で吹くように、徐々に沁み込んでいく優しい声。

塩ノ谷:アーティストとして、そこは武器と言いたいところですよね。自分にしか出せない声で、少しでも感動していただけるように努力したい。ただ、おかげで静かそうな印象を持たれるのか、実際に会うと“こんなによく喋るなんて意外ですね”って言われるんです。だから今後は、アップテンポでノリのいい曲も歌っていきたいですね。その前に、まずはワンマンライヴで人間としての塩ノ谷 早耶香を魅せられるように頑張ります。そこは“うた修行”でも鍛えてきたところですから!

取材・文●清水素子



「片恋/Smile again」
5月15日(水)発売
通常盤【CD+DVD】:KIZM-205~6 ¥1,500(tax in)
Disc-1
1.片恋
2.Smile again
3.片恋 (Instrumental)
4.Smile again (Instrumental)
Disc-2
1.片恋(Music Video)
2.Smile again(Music Video)

うた修行盤【CD】:KICM-1446 ¥500(tax in)
1.片恋
2.Smile again

<塩ノ谷 早耶香 LIVE&握手会&クリアファイルプレゼント会>
5月14日(火) 18:00~ 兵庫・阪急西宮ガーデンズ 4階スカイガーデン・木の葉のステージ
5月15日(水) 18:30~ 愛知・アスナル金山presents「Brand New Vibeのアスナルトレジャー」
5月16日(木)16:30~ / 18:00~ 東京・池袋サンシャインシティ噴水広場
5月17日(金) 18:00~ 群馬・イオンモール太田 専門店街1階セントラルコート
5月19日(日) 15:00~ 福岡・キャナルティ博多 B1Fサンプラザステージ

<音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2013>
6月29日(土)音霊 OTODAMA SEA STUDIO
(神奈川県逗子海岸)
http://www.otodama-beach.com/
■出演(五十音順)
キマグレン/C&K/平井大
opening act:塩ノ谷 早耶香

◆塩ノ谷 早耶香 オフィシャルサイト
◆キングレコード
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