【インタビュー】餓鬼レンジャー、聴く者すべてをアゲてアゲて投げ飛ばす理屈抜きの破壊力が健在な約7年半ぶりの新作『WeaponG』

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日本のヒップホップ界屈指の超個性がついに完全復活。餓鬼レンジャー約7年半ぶりの新作『WeaponG』は、新曲2曲に過去4枚のアルバムから選りすぐったベスト19曲をプラスした、長年待ちわびたファン待望の一作であり、刺激的な音に飢えている若き音楽ファンの入門編としても最適な作品である。2001年デビュー当初の強烈なバウンス・ビートから、ロックやポップスの要素を軽やかに取り入れた新曲まで、楽曲のスタイルは変わったが、ノンセンスな響きの面白さを極めたリリックと変幻自在かつ高度なラップのスキル、そして何より聴く者すべてをアゲてアゲて投げ飛ばす理屈抜きの破壊力は健在。どころか、さらに増している。時代は餓鬼レンジャーを求めているのか? まずはお試し、この音を食らうべし!
(注/餓鬼レンジャーは遠距離交際グループのため、大阪在住のYOSHIは本日欠席。あしからず)

■これだけ何もやってないのにライヴに来てもらえるのは
■本当にありがたいなと思うし「これはやらねばいかんぞ」と

──とりあえず、復活と言っていいですかね。別にやめてたわけじゃないですけど。

ポチョムキン:そうそう。でも復活ですよ。なにしろ7年半ぶりのアルバムなので。

──率直に聞きますが、7年半何やってたんでしょうか(笑)。

ポチョムキン:何をやってたかと言えば、結婚とか、出産とか、骨折とか。

GP:それ全部、YOSHIくんでしょ(笑)。しかも骨折は結婚前だから。

ポチョムキン:そういうのを乗り越えて、ここにたどり着きました。

──ぶっちゃけ、メジャーの契約って、一回切れましたよね?

ポチョムキン:切れました。で、古巣に戻って来ました。ビクターは本当に素晴らしい会社ですよ。こんな僕らにね。

GP:追い風が吹いてますよ(笑)。でも7年間止まってたというわけではなく、それぞれソロ活動をしていて、音楽的にはより成長できたかもしれないですね。ポチョムキンもソロでやりつつ、僕は遊助とかをやりつつ。

──そうそう。GPさんが遊助のプロデュースをやったのは、ビックリしました。

GP:ですよね。自分でもビックリですけど(笑)。

ポチョムキン:ただ意外と知られてないのが、遊助はあんなお茶の間の人になる前から知り合いで、ずっと仲が良かったんですよ。餓鬼レンジャーの何枚目かのアルバムで、クラップの音をやってくれたりとか。

GP:当時使ってた新宿のスタジオに、よく遊びに来てたんですよ。彼が売れた時はビックリしましたね。駆け出しの俳優として、酒おごったり、遊んだりしてたのに。遊助はリスナーの方の客層も全然違うから、いろいろ勉強になりました。ずっとヒップホップという人生を歩んできて、そこで初めて、また違う形で音楽を意識して作るようになったので。

──この7年半の間、餓鬼レンジャーとしては全然作ってなかったでしたっけ。

ポチョムキン:作ったのは、「Japanese Chin~貝より犬より椅子になりたい~」ぐらいだよね。

──ああ~、3年ぐらい前に配信で出した…。

GP:あれは、けじめの1曲のつもりで作ったんですよ。活動休止が長かったし、ファンの人たちにも、解散してるのかしてないのかよくわかんないし、ブログも更新しないし、適当な人たちだな~と思われてたと思うんですよ。そこでポチョムキンが「ファンに申し訳ないから」って、「解散するならするで、とりあえず1曲作ろう」と。

ポチョムキン:そこまで言えば、やるだろうと思ったんですよ。「最後の1曲作ろうよ」と言って、それでまた火がつけば、解散しなくてもいいじゃんって思ってたので。そしたら、いい感じで録れたので。

GP:まあ曲の内容は、よくわかんないですけどね。ガンキの曲なんですけど。

──ガンキって何?

ポチョムキン:顔面騎乗です。

──あはははは。くだらなすぎる!(笑)

GP:ジャパニーズ・チン、チンチンチンチン、っていうサビですからね(笑)。途中でSの女王様のシャウトが入るし。何のけじめにもなってない。これ1曲ポンと投げられても、むしろファンは逆に不安がると思う(笑)。

──確かに(笑)。

GP:で、そこからまた空いたんですよ。それから餓鬼レンジャーのふるさとである熊本で学祭に呼ばれたのが、2年前ぐらいですかね。そしたら若いお客さんたちが、昔は小学生とか中学生でライヴに来れなかった子たちが来てくれて、「やっと見れました」と言ってくれて。それが僕らには新鮮だったんですよ。待ってくれてる感がすごいあったし、応援してくれてるのを感じたので、そこでまた気合が入ったんですね。だからファンの人たちのおかげでもあります。これだけ何もやってないのに、未だにライヴに来てもらえるのは本当にありがたいなと思うし、「これはやらねばいかんぞ」と。

ポチョムキン:リアルな話、そういうのがないと、さすがにもう自分たちだけでは動けなかったかもしれない。ちゃんと求められてることを感じられたのが良かったですね。

GP:で、いざやろうと思うと、最初に冗談ぽく言いましたけど、追い風のようにいろんなおいしいことが転がり込んできた。たとえばソフトバンク・ホークスのエースの摂津選手が、僕らの新曲を登場曲で使ってくれたり、遊助のフィーチャリングで呼んでもらえたり、ついこの間の話ですけど、嵐の番組で餓鬼レンジャーのネタが取り上げられたりとか。狙ってるわけじゃないのに、話題が続いたんですよ。AAAの日高(光啓)も、ずっと応援してくれてたんですけど、ラジオに呼んでくれたりとか。周りに助けられながら、ここまで来たんですよね。

ポチョムキン:ありがたい話ですよ。こうやって久しぶりにお会いできるのも、それこそ8年ぶりぐらいですもんね。

──そうですよねぇ(しみじみ)。

ポチョムキン:じゃあ次は、また8年後に。

GP:オリンピックより長い(笑)。

◆インタビュー続きへ
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