【ライヴレポート】FOUR GET ME A NOTS、熱気に満ちているのにすがすがしい風が吹き抜けていくようなツアーファイナル

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音楽を共有する楽しさ、バンドの生み出すエネルギーをシャワーのように浴びられたライヴ。サード・アルバム『BLINKS』を掲げて行なわれたFOUR GET ME A NOTSのツアーファイナル公演が5月2日(木)に渋谷CLUB QUATTROで行なわれた。

◆FOUR GET ME A NOTS@渋谷CLUB QUATTRO~拡大画像~

“ウォーッ!”という歓声の中、3人がステージに登場。「嬉しい気持ちも 悲しい気持ちも みんな分かち合えばいいんだ」と歌うアルバムのオープニングチューン「Walk togeth er」が鳴らされると、フロアーは早くもダイブ続出。続いて、高橋智恵(Vo& G)のギターで始まる「Arrow」が奏でられ、みんな腕を掲げてジャンプ。前半戦からフロアーの温度は上昇。イントロで石坪泰知(Vo&B)が煽った痛快でメロディックな「By your hands」と、たて続けにニューアルバムからの曲が披露されていく。スリーピースバンドならではの間あいを活かしたソリッドな演奏が気持ちいい。

「『BLINKS』というアルバムには聴いてくれる人の思い出に語りかける曲が詰まってます。僕らの最高傑作なので、聴いてみてください。最後まで全力でよろしく!」(石坪)

FOUR GET ME A NOTSの魅力のひとつは、石坪と高橋のツインボーカルだ。2人の声が混ざりあい、かけあいも楽しめる「Milestone」は、阿部貴之(Dr&Vo)の超パワフルなドラミングと甘酸っぱいメロディのバランスも絶妙。彼らの歌詞は英詩だけれど、そのまっすぐなアティチュードは十分に届いてくる。セカンドミニアルバム収録曲「Notebook」ではパンクスピリッツ炸裂の演奏でみんなに火をつけ、高橋がリードボーカルをとるファーストマキシシングル「Heroine」ではイントロから大歓声。ソロを弾きながら高橋も笑顔を見せる。

「あがり症なんです。マイクを前にすると……でも、思いきり気持ちこめて歌います」

そうテレ気味に高橋が話して始まった「Crescent moon」からナンバー「Changes」への流れでは、ライヴバンドの底力が発揮された。阿部が間奏ですさまじいタイコを叩くと、そのプレイに触発されるように石坪と高橋が冴えたプレイで応酬する。絶対、生でしか味わえない瞬間だ。

石坪のベースラインが幻想的な雰囲気を醸し出す「Cosmos」では、曲のスケール感を増幅させるように会場にミラーボールが回り、ライヴ中盤のいいフックにーー。「Shining」へと続く中盤では、メロコアバンド、FOUR GET ME A NOTSにおさまりきらない奥行きのある世界を見せてくれた。

そしてツアー中のエピソードにも触れたMCタイムでは、「スペシャルゲスト呼んでます! 金沢と長野にも出てくれました。僕らがリリースする前からずっと仲良くて……」と石坪の紹介で、Northern19の笠原健太郎がステージに呼びこまれた。笠原がアコースティックギターをセンターで弾き、今回のツアーで一度も演奏していない曲だという新作の中の名バラード「Lifework」が披露された。

「FOUR GET ME A NOTSとは、彼らが“ファイナル御飯”っていうふざけた名前のバンドだった頃から仲がいい」

そう笠原が笑わせた後は、エレキギターに持ち替えて、新作の中でも、ギターリフと石坪のボーカルがアグレッシブなナンバー「Independence」をプレイ。「自分の未来は自分にしか手に入れられない」とメッセージするこの曲では高橋と笠原が並んでギターを弾き、交互にソロをとるスペシャルな場面も。会場をさらに盛り上げた。

このアクトをはさんで「Coming」から始まった後半戦で、さらに加速していった3人。テンションのアガった高橋が「サンキュー! サンキュー!」と連発し、阿部が「最近、智恵さん、よくしゃべるのよ。だれど、投げっぱなしなんだよね(笑)」とジョークを飛ばしたり、しゃべりからも3人のいい空気感が伝わってくる。

「4月に新しいことを始めた人もいるけど、踏み出さないといけない一歩ってあると思う。意味は後からついてくるものだと思います。みんなの大切な一歩に次の曲を捧げます」

そう石坪が話したあとに演奏された「Beginning」も、「最後まで自分の好きなように駆け抜けて終り。そんな生き方は俺はイヤだな。大切な人に何かを残して生きていきたい」とメッセージして歌った本編ラストナンバー「Left behind」も、今の彼らが伝えたいウソいつわりのない気持ち。自分たちの鳴らす音楽で、笑顔になってほしい、パワーをチャージしてほしい、という願いが伝わってくる。

アンコールでは2曲が披露され、ダイブ&モッシュの嵐。『BLINKS』というアルバムタイトルはFOUR GET ME A NOTSがインディー時代から行なってきた企画イベントの題名でもあるということが明かされ、6月2日に当時と同じライヴハウス、下北沢SHELTERでゲストを迎え<BLINKS 4>が行なわれることも発表された。

客電がついても、あきらめないみんなからのアンコール。しばらくして出てきた3人は嬉しそうな笑顔。

「二度とないこの夜に捧げます!」

明るくなったフロアーで鳴らされたラストナンバーはファーストフルアルバム収録曲「Never again」。熱気に満ちているのに、すがすがしい風が吹き抜けていくような、そんなライヴだった。

<セットリスト @渋谷CLUB QUATTRO 5/25>
01.Walk together
02.Arrow
03.By your hands
04.Start all over
05.Hot water music
06.Milestone
07.Universe
08.Notebook
09.Heroine
10.Crescent moon
11.Changes
12.Cosmos
13.Shining
14.Dear Black
15.Rivals
16.Lifework
17.Independence
18.Coming
19.Stop keeping things as you are
20.My guitar my songs
21.Blame and braves
22.Beginning
23.Awakening
24.Sunflower
25.Firm resolution
26.Left behind
EN1
1.Pike your shield
2.Chase after rainbows
EN2
1.Never again

3rdフルアルバム『BLINKS』
3月6日(水)発売
KICS-1891 ¥2,300(tax in)
01.Walk together
02.Arrow
03.By your hands
04.Milestone
05.Independence
6.Left behind
07.Cosmos
8.Rivals
9.Stop keeping things as you are
10.Same sky, same ground
11.Lifework
12.Sunflower

◆FOUR GET ME A NOTS オフィシャルサイト
◆FOUR GET ME A NOTS オフィシャルサイト
◆FOUR GET ME A NOTS オフィシャルサイト
◆キングレコード
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