イーグルス、「ホテル・カリフォルニア」誕生秘話やメンバーの確執などが明かされるドキュメンタリーDVDが遂にリリース

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▲Courtesy of Eagles Archives
あのイーグルスのドキュメンタリーDVD『駆け足の人生~ヒストリー・オブ・イーグルス』が、6月5日にいよいよリリースとなる。デビュー40周年を迎えるイーグルスの歴史を、1980年のバンド解散までと1994年の再結成以降の二部構成でつづる、見ごたえたっぷりの映像作品だ。今回は、中核メンバーであるグレン・フライとジョー・ウォルシュのコメントも合わせ、この作品の内容を少しだけ紹介しよう。

■多数のヒットナンバーに彩られたイーグルス栄光の歴史

イーグルスの原点が、70年代のウェスト・コースト・ムーブメントの立役者、リンダ・ロンシュタットのバックバンドだったことはよく知られている。グレン・フライ(G)、ドン・ヘンリー(Dr)、バーニー・レドン(G)、ランディ・マイズナー(B)の4人が、1971年にそこから独立してバンド活動を始めたことで、アメリカを代表するロックバンド、イーグルスの栄光の歴史が始まった。

1972年、デビュー・シングルの「テイク・イット・イージー」をいきなりヒットさせた当時のイーグルスは、スティール・ギターやマンドリンなどを駆使したカントリー色の濃いバンドだったが、ギタリストのドン・フェルダーが参加する3枚目のアルバム『オン・ザ・ボーダー』あたりから、徐々にロック色を強めていく。カントリーを融合させたロックバンドとしてのサウンドを確立したのが4枚目の『呪われた夜』。よりハードなロックになり、この後80年代前半にかけて大ブームとなるAOR的なサウンドも先取りしたこのアルバムは全米1位を獲得する。

ロックへと大きく舵を切ったことで、バンジョーやマンドリンを担当していたバーニー・レドンが脱退したが、ジョー・ウォルシュの加入により、イーグルスはこのサウンドにさらに磨きをかける。そして1976年、この“イーグルス・サウンド”の完成形とも言えるアルバムが完成する。ロック史に残る名盤『ホテル・カリフォルニア』だ。退廃したホテルになぞらえてロックの衰退を嘆いたタイトル曲をはじめ、深みがあり強いメッセージ性を持つ歌詞と、カントリー畑出身ならではの哀愁漂うサウンド、美しいメロディ、そして幾重にも重ねられたギターサウンドがマッチしたこのアルバムで、イーグルスは名実ともに世界の頂点に立ったのである。

さらに音楽性を広げたアルバム『ロング・ラン』も全米1位のヒット作となり、このアルバムのツアーを収めたライヴ・アルバムも発表されるが、人気絶頂期にもかかわらずバンドは活動を停止、1982年には正式に解散がアナウンスされた。しかし1994年、ライヴに4曲の新曲を追加したアルバム『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』を携えて、イーグルスは再び表舞台に戻ってきた。何度もワールド・ツアーをこなしながら、2007年には28年ぶりとなるオリジナル・スタジオ・アルバムの『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン』で1位を獲得。イーグルスは今なお世界的に人気絶大のアメリカン・ロックバンドなのだ。

■貴重かつ興味深い映像資料の数々


▲Courtesy of Eagles Archives

▲Courtesy of Eagles Archives

▲Courtesy of Eagles Archives

▲Courtesy of Eagles Archives
『駆け足の人生~ヒストリー・オブ・イーグルス』は、イーグルスの栄光の歴史を振り返る貴重な映像が詰め込まれた作品になっている。歴代メンバーはもちろんのこと、そのほかにもデヴィッド・ゲフィン、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタットらイーグルスにとって重要な関係者25人のインタビュー、さらにメンバー個人所有の写真やビデオなど、貴重な初出映像も多数収録されている。

これらの映像により、コアなファンでも知らないような興味深いエピソードがいくつも明かされている。たとえば、階下に住んでいたジャクソン・ブラウンが弾くピアノの音を聴いてグレン・フライが作曲を学んだこと、渡英して初期2作品のレコーディングに臨んだ際、レッド・ツェッペリンの「ロックン・ロール」を録音したオリンピック・スタジオにメンバーが舞い上がったこと、バーニー・レドン脱退直前には、今後のプランを語るグレンの頭にバーニーがビールをかけるという“事件”があったことなど、初期のエピソードも満載だ。

また、ジョー・ウォルシュの加入により、ドン・フェルダーがギター2本が共演するための楽曲を書きたいと思って作ったテープの“スペインの音楽とレゲエを混ぜたような”フレーズにグレン・フライとドン・ヘンリーが興味を持ち、そこから「ホテル・カリフォルニア」が完成したこと、7分もあったためレコード会社から“編集しろ”と要求されたがこれを拒み、その結果見事1位を獲得したことなど、名曲「ホテル・カリフォルニア」に関する裏話も面白い。

興味深いのが、あえてマイナスイメージになりそうなこともきっちり収録されていること。初期にはドラッグ漬けだったことをはじめ、1980年、バンドが支持していた上院議員との面会で暴言を吐いたドン・フェルダーにグレンが激怒したというエピソードでは、その晩のステージで罵り合う2人の会話も生々しく収録されているし、再結成にあたり、グレンが“ドンと俺が他のメンバーより大きな報酬をもらえないなら参加しない”という条件を提示したことなど、解散や再結成にまつわる泥沼劇も収録されているのだ。

さらに、3枚構成の豪華ボックス仕様の<デラックス・エディション>には、貴重な写真満載のハード・カヴァー写真集と、1977年3月21日、メリーランド州のキャピタル・センターで収録されたホテル・カリフォルニア・ツアーの貴重なライヴ映像を収録したDVDが同梱されている。

■グレン・フライとジョー・ウォルシュからのコメント

『駆け足の人生~ヒストリー・オブ・イーグルス』のリリースに先立ち、ロンドンでインタビューが行なわれた。そこでのグレン・フライとジョー・ウォルシュのコメントも紹介しておこう。(Interview by 高野裕子)

結成から40年、今ここで『駆け足の人生~ヒストリー・オブ・イーグルス』というドキュメンタリーを作ろうと思ったのは何故か? という問いに対してグレン・フライは、“歳もとったし、皆が生きているうちに作ってみようじゃないかということになったんだよ。メンバー4人だけでなく、僕らの関係者、話を聞きたい人たち全員について言っているんだよ。そんなわけで今、この物語を語ろうと思ったわけだ”と答えている。

また、あなた方それぞれにとっての最高の思い出は? との質問にジョー・ウォルシュは、“僕にとって最高の瞬間は『ホテル・カリフォルニア』が成功した時だ。僕は当時新メンバーで、アルバムが完成したときには、レコーディングも上手くいったので、きっと成功するだろうとは感じていたが、どこかに不安もあった。だからそれが現実になった時、とても感激したね”とコメントしている。

なお、イーグルス ユニバーサル日本公式サイトでは、『駆け足の人生~ヒストリー・オブ・イーグルス』特別映像が公開されている。

[3DVD] UIBY-75033/5<デラックス・エディション> \6,800 約3時間7分(本編)約46分(ライヴ)[2DVD] UIBY-15021/2 \3,800 約3時間7分(本編のみ収録)
[Blu-ray] UIXY-15003 \4,800 約3時間7分(本編のみ収録)
DVDディスク1/ブルーレイ:ヒストリー・オブ・イーグルス・パート1(約120分)
DVDディスク2/ブルーレイ:ヒストリー・オブ・イーグルス・パート2(約68分)
DVDディスク3(<デラックス・エディション>のみに収録):イーグルス・ライヴ・アット・ザ・キャピタル・センター1977年3月21日(約46分)
1.ホテル・カリフォルニア(『ホテル・カリフォルニア』収録)
2.ニュー・キッド・イン・タウン(『ホテル・カリフォルニア』収録)
3.テイク・イット・トゥ・ザ・リミット(『呪われた夜』収録)
4.呪われた夜(『呪われた夜』収録)
5.いつわりの瞳(『呪われた夜』収録)
6.ロッキー・マウンテン・ウェイ(『ジョー・ウォルシュ・セカンド』収録)
7.我が愛の至上(『オン・ザ・ボーダー』収録)
8.テイク・イット・イージー(『イーグルス・ファースト』収録)


◆イーグルス ユニバーサル日本公式サイト
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