【インタビュー】EXILE ATSUSHI&TAKAHIRO、「Flower Song」を語る。「あなたの命は何にも代えられないかけがえのない命なんだ」

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6月19日にEXILEのニューシングル「Flower Song」がリリースされた。日本テレビ系ドラマ『35歳の高校生』主題歌にもなっているこの曲について、ATSUSHIとTAKAHIROに訊いた。

◆EXILE 「Flower Song」 画像

■ ATSUSHI

── 2013年EXILE第2弾シングル「Flower Song」が6月19日にリリースされます。同作は、日本テレビ系連続ドラマ『35歳の高校生』の主題歌として起用されていますね。

ATSUSHI:そうですね。まず、このドラマは、現在の日本の学校内ですごく問題視されている“スクールカースト”というものに焦点が当てられた作品になっています。自分自身の価値を他人が決めてしまうことによって起こるその“スクールカースト”を、僕もプロデューサーの方からお話を聞かせていただいて初めて知りました

── 実際にATSUSHIさんはその実状をヒアリングし、それを踏まえたうえで歌詞を制作されたと伺いました。

ATSUSHI:“スクールカースト”というものが与えている影響や問題など、さまざまなお話を聞かせていただき、そのお話をもとに、ひとりひとりの命の花を咲かせてほしいなぁという願いを込めて、制作させていただきました。

── すごく深いメッセージ性のある歌詞が、心に響きました。心が救われる方もたくさんいらっしゃるのではないか、と。

ATSUSHI:長い人生を生きていくなかで、誰にでもつらい時期というものは必ずあると思う。そのつらい時期というのは、陽と陰で言い変えるならば“陰”であり、自然界にたとえると冬が“陰”の時期になると思うんです。でも、冬を乗り越えて春を迎えたときに桜が満開になるように、“陽”に変わる時期って必ず訪れるんですよね。だから、たとえ今とてもつらくても、必ず景色が変わって今より少しだけ明るく感じられる……そんな時期が来るはずなんだ、というメッセージを込め、冬から春に変わるときの色鮮やかなイメージを歌にしてみました。

── 寒い冬、多くの植物はきっとその寒さがつらくても、春になるまでじっと耐えている……。“陰”と“陽”というバランスは、人間の心だけではないんですね。

ATSUSHI:“陰”と“陽”は、自然界でも存在する。すべての出来事に存在することなんだな、と感じています。どちらがいい悪いということではなく、両方あるからこそバランスが取れているんだなとも、感じさせられます。

── ATSUSHIさんは、人間においての“陰”と“陽”はどのようなものだと感じていますか?

ATSUSHI:先ほどもバランスの話をしましたが、目立つ人もいれば恥ずかしがり屋の人もいていいと思うんです。けれど、それでどちらかがどちらかの心を傷つけてしまったり、いじめに変わってしまったりすることは決してよくないこと。たとえば、ぐっすりとただ寝ている赤ちゃんの顔を潰してしまうような事件って、なかなか存在しないと思うんです。人間って、反抗するから押さえようとする。摩擦が生じるから抑えようとすると思う。摩擦の原因は、心に生まれた淀みであるとも感じていて、その淀みが、悲しい事件やいじめなどにつながってしまうのかもしれない。だから、摩擦を起こさせないような淀みのない心を、みんなが持てればいいな……と切に願っています。

── 地球上にたくさんある花や緑は、人間と同様、まったく同じものは存在しないですよね。

ATSUSHI:どんな植物も、それぞれが一生懸命生きようとしています。鮮やかな色をした花も緑も、まっすぐに伸びていないゴツゴツの木だって、力強く生きている。花のつぼみを備えていなくたって、一生懸命たくましく生きようとしている。たとえ華やかさがなくても、そのように力強く生きている姿が、美しいと思えるんだなと感じています。僕ら人間にも同じことが言えて、ひとりひとりに美しい個性があって、素晴らしい価値がある。もし、今悩んでいる方がいるとしたら、あなたには何か使命があってこの世に命を授かり、その命は何にも代えられないかけがえのない命なんだと感じてほしいなと思います。

── 現代の問題に対してメッセージを発信している今作ですが、ATSUSHIさんの壮大な愛が伝わる作品だと思います。

ATSUSHI:ありがとうございます。僕が曲を制作するときのテーマって、結局、愛や夢、幸せや希望、優しさといったことになってしまうんですけれど、それはすべて自分のなかでは同じことだと気づいたんです。それを願っているから歌にしたり、歌いながら祈っていたり、自分自身を含め、世のなかの方を愛しているから歌っていたり……。大きなテーマは自分のなかでひとつだったんですよね。そんなことが、この曲を制作したことでまた少し固まってきました。

── メロディは季節にあったすごくキャッチーで聴き心地のいいメロディですね。歌詞は温かいなかにもどこか厳しさが含まれているような、そんな印象を受けました。

ATSUSHI:メロディ自体は華やかで明るく、心に優しく響くメロディ。春に心が躍るような、そんなメロディだなと思います。歌詞に関しては、すごくシンプルに書きました。もし、今悩んでいる方が聴いていただいたときに希望を感じていただけたら、とてもうれしく思います。

── 最後に、読者やリスナーの方へ、「Flower Song」に込められた願いをお伝えいただけますか?

ATSUSHI:新たなスタートラインに立つ、すべての方々の応援歌になればいいなと願っています。人間同士の摩擦から起きるいじめや悲しい事件がなくなるためにも、ひとりでも多くの方が、たくさんの愛に包まれて生きていることを感じながら、自分にしか持っていない花を咲かせてほしいなと思います。


■ TAKAHIRO

── 2013年EXILE第2弾シングル「Flower Song」が6月19日にリリースされます。同作は、日本テレビ系連続ドラマ『35歳の高校生』の主題歌として起用されていますね。

TAKAHIRO:そうですね。EXILEとしては久々に、ドラマの主題歌として起用していただきました。4月からスタートしているこの『35歳の高校生』というドラマでは、昨今注目されている“スクールカースト”という制度に焦点が当てられています。僕自身“スクールカースト”という言葉自体、ニュースやネットなどで耳にしたことがあったくらいで、実状は同作の主題歌の起用をキッカケに知りました。生徒同士で互いの価値を勝手に格づけし合い、クラスや学校のなかで差別が生じる……。教師までもが追い込まれてしまうと。本当に驚きました。

── TAKAHIROさんご自身、学生生活を振り返ってみるといかがですか?

TAKAHIRO:学生時代って、すごく狭い世界のなかで生きていたんだなぁと感じています。すごく狭いんだけれど、毎日が順風満帆かといったら、各々で違うとも思う。僕も多少なりともストレスを感じた経験はありますし、もしかしたら知らず知らずのうちに誰かを傷つけていたこともあったかもしれない。でも、こうやって大人になるにつれ感じることは、“強い人”って傍観者にならず目を背けない人だったり、人の痛みを心から理解して、思いやれる人のこと。そういう人って、歌詞にもあるけれど、自分の弱さも自分で受け入れていて、ありのままの自分を大切にし、愛している。だからこそ、他人を思いやることができるんですよね。自分自身を大切にできないと、他人に優しくすることはできないと思います。

── 今作はATSUSHIさんが作詞を手掛けられ、優しくも強いメッセージが込められていますね。

TAKAHIRO:そうですね。ATSUSHIさんが、学校教育における現場でのスクールカーストの実情や問題をヒアリングし、それを踏まえて詞を書き下ろされました。現代に投げかけるようなメッセージが、ドラマの内容にもピッタリと合っていると思います。ドラマとこの曲の相乗効果が生まれることで、より強いメッセージを世のなかに発信できているとも感じています。“音楽”というツールをとおし、このような現代の実情や問題にメッセージを発信し、かつ残せるということは、EXILEとしてもすごく本望なことだと思いますね。

── メロディは、久々にキャッチーなメロディですよね。

TAKAHIRO:春から夏に切り替わる時季に相応しいメロディで、すごく心地よく聴いていただけると思います。“心地いい曲だなぁ”と、メロディそのものを楽しんでいただきつつも、ぜひ他人事ではなく自分事として歌詞と向き合っていただきたい。ただ優しいだけの歌詞ではなく、優しさのなかにも厳しさのようなものが込められている気がするので……。そして、誰かを傷つけている子、傷つけられている子が、今、蓋をしてしまっている情の部分を少しだけ開けてこの曲を聴いてみてほしい。きっと、自分自身を見つめ直すことができて、生きていくうえでのヒントが見つかるかもしれません。誰かの心を1から10まですべて元気づけられるかどうかはわからないけれど、この曲が誰かの心を優しくし、そして強くするキッカケになってほしい……そんなふうに願っています。

── TAKAHIROさん個人として、この「Flower Song」をとおし投げかけるメッセージは、どのようなものですか?

TAKAHIRO:特に中学、高校って、先ほどもお話ししたとおり、すごく狭い世界で成り立っていると思うんです。苦手な子がいても毎日顔を合わせなければいけないですし、嫌なことがあっても毎日通わなければいけなくて。狭い世界にいながらも、そのぶん悩みは広がるんじゃなくて、どんどん濃くなっていく。僕にも経験がありますが、そんなときに音楽で勇気づけられたり、背中を押してもらったり、元気づけられることが多々ありました。年を重ね、今こうして自分が発信し、届ける側の立場になって感じることは、この曲を聴いたことによって少しでも優しい気持ちになれたり、たとえば今誰かを傷つけてしまっている人が、なんて情けないことをしているんだろうって気づくキッカケになったり、いじめられて心に傷を負っている子が、決して今がすべてではないんだって希望の光を見出すことにつながってほしいということ。寒い冬をじっと耐えて春が訪れ、鮮やかな花を咲かせる桜のように、今目の前にある景色は、必ず変わる日が来る。人間一人では決して生きていくことはできなくて、誰かが必ずそばにいるということにも気づいていただけたらうれしいですね。そして、自分の価値というのは自分が決めるべきで、他人が決めた価値に左右される必要がないということも、この曲から伝えていけたらと思います。

interview_桜井麻美

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