【ライヴレポート】HAPPY BIRTHDAY、劇場でのミュージカルワンマンライヴ2days、大盛況のうち終了

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歌とギターの“きさ”とドラムの“あっこ”からなる2人組ガールズバンドHAPPY BIRTHDAYが6月23日(日)、24日(月)に東京・新宿シアターモリエールにて行った東京でのワンマンライヴは、芝居と楽曲を交えた新しい形の表現方法「ミュージカルライブ」が話題の二人にとって、初の劇場ライヴ。6月24日(月)のチケットが即完したことを受け、6月23日(日)の追加公演含む2days開催となった今回、彼女たちの魅力が存分に発揮されたライヴとなった。

◆HAPPY BIRTHDAY~拡大画像~

女の子の面倒くささを全部受け入れ、時にはそこと闘いながらも“女の子は楽しい”と言うガールズ・ユニット、HAPPY BIRTHDAY。恋愛の酸いも甘いも同じように楽曲にしてしまう正直さが、悩み多き乙女たちを中心に、圧倒的な支持を受けている。

その彼女たちが新宿シアターモリエールで、ワンマンライヴ<「ムーンプリズムパワー★メイクラブ~」~誕生日歌劇団のおたんじょうび会~>を行った。チケットは即日完売。追加公演を含む2DAYSライヴとなった。

満員の客席は、男女比3対7くらい。三つ編み&オーバーオールと“きさフレーバー”を取り入れた女の子が目立つ。ぱっつん前髪のボブの“あっこフレーバー”の女子もちらほら。

舞台のスタートは、寸劇仕立て。きさとあっこが、この日のライヴに遅刻した、彼女たちの部屋をのぞいて見ようというシチュエーション。まずステージに現れたのはあっこ。持ち前のハイテンション&度胸を存分に発揮し、ミュージカル風パフォーマンスで爆笑を誘う。それを受けたきさは、王道の演技で応戦。しっとりと歌を披露したりと、キャラクターの違いで引きつけた。

ライヴのオープニングを飾ったのは、きさのアカペラから「アイプチコンプレックス」。サポートを入れたバンドは、ボーカル&時々アコースティックギターのきさ、ドラムのあっこ、ベースとエレキギターの4人編成。序盤は、バンドサウンドが飛び跳ねるアップチューンを中心に駆け抜ける。

5曲終わったところで、サポートの2人も巻き込み、再び寸劇コーナーに。きさ、あっこが、サポートメンバーとそれぞれカップルになり、カップル同士で別れ話を。しかも、きさの相手はあっこを、あっこの相手はきさを好きになったから……という、悪夢のような展開だ。この劇を受け「恋暴動」。そして「わたしは君のママじゃない」。寸劇の台詞が、この2曲の伏線になっていたことに気が付く。

ライヴスタイルでスタンバイしたまま、きさの台詞。「あの子のことが好きだなんて、信じられないよ……あの子の彼氏が幸せになりますように」と言う切ない言葉を受け「あの子の彼氏」へ。

劇と歌、そして台詞と歌が、見事にリンクしていく。寸劇+歌というアイデアをライヴの演出として成立させたのは、きさのボーカル力だろう。歌が良くて、メロがキャッチ―で、言葉をちゃんと伝えられるアーティストでなければ、この寸劇+歌という方法は成立しないのだ。そこを見事にまとめたハピバの心意気と実力に、改めてこの2人のエンターテインメントへの本気度を感じた。

中盤。彼女たちの噂を広めた「しゃかいのごみのうた」は、バンド編成もあって、いつもとちょっと違った趣き。フォーキーというよりもカントリー。一緒に歌いながら、すすり泣きをしているお客さんが何人もいた。あっこの体を張ったサービス精神がさく裂した男装&宝○歌劇団風のパフォーマンスで観客の目を釘付けにした後は、未発表曲「ラップ」でラップを披露。DIVA風にソウルフルに儚く歌い上げるきさにも大爆笑したが、あっこの客いじり&ラップは、後を引く面白さだった。

さて。この歌劇団スタイルの良さをまたひとつ発見。ファンならご存知かもしれないが、ドラムスのあっこのキャラ&行動は、じつにファンキー。制御不能、予測不可能のワイルドアニマルっぷりは、ハピバのライヴのひとつの個性と面白さでもあるが、ライヴからはみ出して観客置いてきぼりな瞬間も、正直、多々あった。しかし、歌劇団というスタイルで、わかりやすく“役”をつけることで、それが無くなった。ハピバのライヴにとって、この発見は、きっと大きい。

後半は最新シングル「イチャイチャチュッチュッキャピキャピラブラブスリスリドキドキ」で、観客と一緒に振付で遊んだ後、本編最後は「目を開けて」をじっくりと聴かせた。アンコールは「ありがとうまたね」。

きさが、大好きだったおばあちゃんが亡くなったことをテーマに作った1曲。素直な言葉で輪廻転生が綴られた、牧歌的なミディアムナンバーである。顔をくしゃくしゃにして歌うきさ。しかし最後には、にっこりとほほ笑んでみせた。これまで苦しげな顔で歌うのが、きさの特徴だったが、この日は、笑顔が多かったように思う。その笑顔は、とてもおおらかで、彼女たちが何かを乗り越え、いい意味で開き直ったのかな、なんて想像させた。

全16曲。約1時間30分のステージ。最後は2人で「ありがとうございました!」と叫び、抱擁し合いながらステージを後にした。直後、暗幕の裏にから「ありがとうー!」という大きな声が、会場中に響いた。帰り支度をしている客席から拍手が起こった。

この日、ステージには、新しい2人がいた気がする。生まれ変わったというのも大げさかもしれないけど、でも、今の2人にぴったりな言葉を最後に贈りたい。

きさ、あっこ、HAPPY BIRTHDAY!!

文●伊藤亜希

6月24日(月)の公演終了時、12月にSHIBUYA O-EASTで行われるワンマンライヴ<HAPPY BIRTHDAY 大感謝祭2013>の開催もアナウンスされた。彼女たちの、まさに“2013年の大感謝祭”となることは間違いなし。期待は膨らむばかりだ。

そして、7月28日(日)、HAPPY BIRTHDAYが出演する北海道<JOIN ALIVE 2013>に、ゲストメンバーとして田渕ひさ子(bloodthirsty butchers、toddle、LAMA)、345(凛として時雨)の出演が決定。この日限りのガールズバンド編成で挑む。いつものミュージカルライブに一味加えたHAPPY BIRTHDAYを感じることができるだろう。

次回、7月5日(水)に行われるHAPPY BIRTHDAYのレギュラーUstream「HAPPY BIRTHDAY 秘密のじかん」では重大発表もあるとのこと。

<HAPPY BIRTHDAY 大感謝祭2013>
12月3日(火) SHIBUYA O-EAST
※詳細は後日発表。

<JOIN ALIVE 2013>
7月20日、21日、27日、28日
※HAPPY BIRTHDAYは28日の出演になります。
会場:北海道 いわみざわ公園(野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地)

<レギュラー情報>
OTOTOY Ustream「HAPPY BIRTHDAY 秘密のじかん」
次回日時:7/10(水)21:00~22:00
※視聴は下記リンクより
http://ototoy.jp/tvflat/
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