【インタビュー】EXILE TAKAHIRO「男子力をアップさせていただいたと思います(笑)。」

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EXILEのTAKAHIROがファーストソロシングル「一千一秒」を6月26日にリリースした。蜷川実花が手がけたジャケットとミュージックビデオ、そして楽曲と、艶っぽいTAKAHIROが全面に出ているこのシングルは、同時にTAKAHIROの音楽性の意外なルーツを知ることができる作品でもある。

◆EXILE TAKAHIRO シングル「一千一秒」 画像、ミュージックビデオ

そんなTAKAHIROに、話を訊いた。

  ◆  ◆  ◆

── 6月26日に、待望のファーストソロシングル「一千一秒」がリリースされます。同シングルは、4曲入りのマキシ・シングル。リード曲である「一千一秒」は、切なさを超え、色香漂う狂おしいほどのラブ・バラードですね。この曲をリード曲に選んだ理由を教えてください。

TAKAHIRO:リード曲を決めるにあたり、たくさんのデモ曲を聴いたんですが、聴いた瞬間からどうしても唄いたかった曲がこの曲だったんです。一目惚れならぬ、まさに“一聴き惚れ”でしたね。

── 4曲中「一千一秒」以外の3曲はTAKAHIROさんが作詞を手掛けられていますが、なぜリード曲は作詞を手掛けられなかったのでしょう?

TAKAHIRO:一聴き惚れした瞬間から、この曲はヴォーカルに徹しようと決めていました。もちろん、作詞をはじめ、すべて自分で関わることもできたけれど、それをやってしまうと自分の色が出すぎて、逆に押しつけがましくなってしまうと思った。僕が心から尊敬する方々の力をお借りして、この曲にさまざまな角度から命を吹き込んで、曲の持つ世界観や可能性を広げたかったんです。

── なるほど。歌詞は、EXILEのアルバム『EXILE JAPAN』に収録されているTAKAHIROさんのソロ曲「PLACE」や、EXILEの「Heavenly White」、三代目J Soul Brothersの「花火」など、数々の名曲を生み出している小竹正人さんが手掛けられていますよね。

TAKAHIRO:小竹さんとは普段から仲良くさせていただいているのですが、僕は小竹さんの書かれる歌詞が本当に大好きなんです。だからこの曲も、絶対に小竹さんに書いていただきたくて直接お願いしたところ、快諾してくださいました。小竹さんの紡ぐ言葉の数々は、まるで自分から生まれた言葉かのように唄っていて違和感がなく、とても心地がいい。それに、“唄う”というよりも“語りかける”ような世界観を持っているんですよね。

── 「一千一秒」というタイトルも、すごく印象的なタイトルですよね。

TAKAHIRO:そうですね。タイトルも小竹さんが考えてくださいました。稲垣足穂さんの短編集『一千一秒物語』のなかに収録されている、ひとつの短編作品のように……という意味が込められているそうで、僕自身もすごく気に入っています。

── ジャケット写真とMVでは、極彩色が印象的なフォトグラファー・映画監督でもある蜷川実花さんが手掛けられています。どのような経緯で蜷川さんに決まったのでしょうか?

TAKAHIRO:まだ曲を制作しているころ、偶然、蜷川さんとお食事をさせていただく機会があったんです。そのときにHIROさんが“TAKAHIROのソロのMVとジャケット写真、蜷川さんにお願いしてみるのはどうかな?”とアイデアを出してくださって。その場で蜷川さんにお願いしたんですけれど、快く“ぜひ!”とおっしゃってくださいました。

── 薔薇の花が散りばめられたプールでのシーンや、赤い糸に絡まるシーン、現実的な街中のシーンなどで構成されていて、一目観ただけで脳裏に焼つくMVでした。

TAKAHIRO:“幻想”と“現実”というふたつの真逆の世界観で構成されています。蜷川さんのなかで描かれている男性像に、僕自身もアイデアを加えさせていただき、詞と画が見事なまでにマッチングしたことに感動しました。より歌詞と対峙することができましたし、蜷川さんとお仕事させていただいたときに僕が観た景色や、撮影時に生まれた新しい発想などを、ライヴやテレビで唄う際に投影し、より「一千一秒」に色づけしていきたいなと思っています。

── 撮影は真冬に行なわれたと伺いました。

TAKAHIRO:そうですね。今年の2月に撮影しました。当日は都内を大寒波が襲い、朝は雪も降っていてものすごく寒かった。でも寒いのは僕だけではなく、蜷川さんをはじめ、関わってくださっているすべてのスタッフの方々やエキストラの皆さんも同じ。皆さん、本当に寒いなか頑張ってくださって、すごくいいチームワークで撮影できました。

── 今作で蜷川さんとお仕事をご一緒されてみて、いかがでしたか?

TAKAHIRO:“現実”と“幻想”という真逆の世界観の振り幅が大きすぎて、完成形をまったく想像できなかったんですが、でき上がった作品を観て圧巻の一言でした。それに、女子力ならぬ、男子力をアップさせていただいたと思います(笑)。

── 男子力(笑)。すでにじゅうぶん持たれていると思いますが……(笑)。さて、「一千一秒」はTAKAHIROさんにとって、どのような作品になっていますか?

TAKAHIRO:艶っぽいメロディと歌詞が特徴的な、ファーストにして本当に最高の作品に仕上がりました。恋愛における皆さんなりの思い出や想いをこの曲に当てはめて、ひとつのドラマを作っていただけると思います。小竹さんの意図した歌詞に僕なりの解釈が加味され、それを蜷川さんが聴いて感じてくださったものが映像になった。詞や楽曲の捉え方は各々で違うけれど、それが融合したときにこそおもしろい作品が生まれるのだと、今作で改めて感じました。ファーストソロシングルのリード曲を、このようなオールスターにバックアップしていただいたことで、EXILE TAKAHIROソロとして、本当にいいスタートを切ることができました。そんな環境に心から幸せを感じています。

── 続いて、カップリング曲についても1曲ずつ教えていただけたらと思います。『with…』はラブ・バラード。4曲のなかでいちばんさわやかなイメージの楽曲ですよね。

TAKAHIRO:そうですね。恋愛における“光”の部分を表現した楽曲になっています。眠っているときに見る夢と、未来に対する夢をかけ合わせるようなイメージで書きました。たとえば恋人と一緒にいられる時間が少なかったり、社会人の方だったら仕事が忙しくてなかなか会えない日が続いたり、遠距離恋愛をしている方もいると思うんですけれど、そんな状況のなかでも、2人一緒にいる未来をお互いが想い描くことで、つながっていけると希望を抱くことができると思うんです。

── “今”ではなく、その先の未来に焦点を当てるということですね。

TAKAHIRO:やっぱり、“今”しか見ないとそのときだけの感情に左右されて、どうしてもすれ違いが起きたり、ケンカが生じてしまったりすると思うんですよね。

── Dメロの“暗闇に閉じ込めた涙は 僕がこの胸で受け止める”という歌詞が、強くて優しく、とても心に染みました。

TAKAHIRO:逢えない時間に押し寄せる寂しさやつらいことがあっても、きちんと心の拠り所がある……そういう想いをこのフレーズには込めています。

── タイトルの『with…』にある“…”には、どのような想いが込められているのでしょうか?

TAKAHIRO:“いつか”というメッセージです。ただ人間同士が一緒にいるのではなく、心と心が寄り添っているイメージ。そういう気持ちって、恋人同士ではなくても感じることがあると思う。恋愛のことを描いた歌詞にはなっているけれど、大切な家族や友達など、各々の大切な人に当てはめて聴いていただくこともできると思います。“いつか”という約束が、人の心を躍らせたり、明るい気分にさせたりもする。想い描いた未来に向かうことで、目の前にあるつらいことを乗り越えられることってあると思うんですよね。
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