【月刊BARKS つんく♂ロングインタビュー vol.4】「いまの自分は子供たちともう1回人生を歩んでいってる感覚」

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── なるほど。では、つんく♂さんが今後挑戦してみたいと思ってることは何かありますか?

つんく♂:映像は作りたいなといつも思ってます。

── それは映画をやりたい、ということですか?

つんく♂:そうですね。でも映像をやろうとなると本当に時間がかかるんで、それが本格的にできるのは、ハロー!プロジェクトが止まるときだと思うんですね。だから、なかなか難しい。でも、どっぷり映像の世界に浸ってみたいというのは以前からあります。あとは、プロデューサーとかアレンジャーとか作家みたいなところで人を育てていきたいな、というのもありますね。コツさえつかめば跳び出せる人がいるはずなんですよ。そのコツを教えてあげるスキルはあると思うんですね。ただ、ハングリー精神がないとダメですけど。だいたい「つんく♂になんか言われなくても俺のやり方があるんだよ」と思ってるヤツがほとんどなので。でも、20曲ぐらい書くと出なくなるんですよ。そういうヤツらは。

── つんく♂さんは元々人の面倒見たり教えるのが好きなんですよね。

つんく♂:好きですね。

── じゃないと、ハロー!プロジェクトのような集団のメンバーそれぞれのキャラクター考えて育てるとかできないですもんね。

つんく♂:まあそんな人数多くないですから。彼女たちのことはオーディションのときからずっと見てますから。あんまりそこは意識してなかったですけど。

── 彼女たちを育てていった達成感ってどんなときに感じられるものなんですか?

つんく♂:オリンピック選手なら金メダルとったらとか、ゴールがはっきりありますけど、あの子たちはゴールはないので。最終的には人間形成をちゃんとしてもらって、いい旦那さんを見つけてくれたらいいな、ってホントに思ってますよ。「途中で間違うな、貧乏くじ引くな、ちゃんといい人を見極めろよ」って。そういう感じですけどね。だから、あんまり(結婚が)遅いと「はよいけ、はよいけ」って思いますからね。

── 親みたいですね(微笑)。

つんく♂:でも、そんな彼女たちも親になったら送ってくるメールの内容が変わっていくんですよ。「最近、あの曲のつんく♂さんの歌詞を読んで、今頃になってこんなこと思いました」っていうのがあったりだとか。僕がブログに嫁さんの弁当あげてたりすると「私は子供一人育てるだけでも大変なのに、3人の子育てなんて……」みたいなのがきたりして面白いんですよ。

── そういうところも歌詞のモチーフになりそうですね。

つんく♂:ヒントになったりね。あと、どこまで気づいてるかわからないですけど、歌詞はこの娘にこういうこと歌わせてやろって当て書きしたりすることもあるんですけど。当て書きしてるときのほうが楽しいですよ。歌ってるほうは「私こんなんじゃないし」と思ってるかもしれないけど(笑)

── では最後に。これから50歳まで、つんく♂さん自身はどんな人生を歩んでいきたいと思ってますか?

つんく♂:さぼってるとどんどんオッサンになっていくんで(笑)、これからは軽い運動はしようかなと思ってます。僕は結婚も子供できるのも遅かったんですけど、そのぶん、20歳ぐらいにパパになって駆け足で生きてきた人とはちょっと違って、ひとつひとつを落ち着いて見ていけてるんですね。これから子供もどんどん大きくなっていって、多感な時期に向かっていくんですけど。いまの自分はそういう子供たちともう1回人生を歩んでいってる感覚で。忘れていた事をいっぱい思い出してるんですよ。それが非常に面白くて。そのなかにいろんなヒントもあって歌詞とかも面白い展開を見せてるんですね。そういうプライベートがありながら、ビジネスの面ではモーニング娘。たちとともに、もうひとブレイク、結果を出したいです。それがあるとシャ乱Qの充実感もまた変わってくると思うんですよ。そういうふうに思いながら50歳までいければなと思ってます。


text by 東條祥恵
photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

【リリース情報】
「シングルベッド」
2013年7月17日リリース
通常盤:
CD 1,050円
1.「シングルベッド」
2.蜃気楼 しんきろう
3.Come on!僕たちの未来
4.「シングルベッド」
5.蜃気楼 しんきろう
6.Come on!僕たちの未来

初回生産限定盤:
CD+DVD 1,680円
DVD付
・shibuya eggman 記者会見ダイジェスト
・シングルベッド
※ shibuya eggman より
・上・京・物・語
・いいわけ
・愛するということ
・ズルい女
※ 結成20周年記念武道館ライブより

◆つんく♂ オフィシャルサイト
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