【インタビュー】小林太郎、自分自身の言葉と向き合い、それが自然に音楽として還元されていった初シングル「鼓動」

■自分の中の生々しいものを実際に見るために
■自分の心の中に踏み込んで行く作業だった

――この曲はラブソングにもとれるけど、小林くんと音楽の関係性を唄っているようでもありますね。

小林：うんうんうん。「どうなんだろう？」って思いながら、ある程度、この歌詞のストーリーとしては恋愛を考えていたんですよ。でも音楽と自分の対峙の仕方ともとれるものができた。俺は音楽と近づきたいし、聴いている人とも近づきたいし、どっちでもあり得る歌詞になったなと。洋楽だと音が先行して耳に入ってくるけど、邦楽だと言葉が先に入ってくるじゃないですか。だから自分が日本語で歌詞を書いているからには、いつか言葉の大切さに向き合うタイミングがあるんだろうなとは思ってたけど、やっと今来ましたね。

――もともと歌モノが好きだもんね。

小林：そうなんですよね。だから自分に素直に、自分のことをどう思っているかとか、自分は何を思っているのかとか素直な言葉が出たときに、ライヴでもすごいエネルギーが乗っかる気がしたんですよね。今、生々しい情報って、インターネットとかテレビとか擬似的にはあると思うんですが、実際には見ない気がするんですよね。図鑑で虫を見るのと、山に行って実際に虫が飛んでくるのとぜんぜん違うじゃないですか。だから自分の中の生々しいものを実際に見るために、自分の心の中に踏み込んで行くっていう作業だったかもしれないですね。

――今度はその生々しい曲を実際にライヴで披露するのが楽しみじゃないですか？

小林：そうなんですけど、この曲みたいに、精神的な生々しさがライヴでどう出るのかっていうのがまだ謎なんですよね。

――でも、小林くんのライヴはいつも頭の中がそのまま露出しているような、精神が開いてしまっているような印象ですけどね(笑)。

小林：ははは(笑)。ライヴでは生き物として開いちゃってる感じですよね(笑)。本能が露出して、瞳孔も開いちゃってる。曲では心をできるだけ開いて行きたいと思うんですよ。俺はそうじゃなきゃいけないと思う。

――カップリングの「蕾」ができたのは「鼓動」よりも先ですか？

小林：後ですね。

――「鼓動」は、まだ少し孤独感が残っている気がするんですが、「蕾」では、確実に相手が見えますよね。一人から二人になっていくような流れがあるので、どっちが先なのか聞いたんです。きっと順番的に「蕾」は後なのかなって。

小林：あぁ。「蕾」は「鼓動」よりも後からできたこともあって、自分のことも、より見えているからだと思うんですよね。「鼓動」でも見えてはいるけど、自分と対峙して言葉を紡いだ一番最初の曲だから、まだどうしていいのかわからないってところもあって。だから格闘したあとの「蕾」はすごく書きやすかった。今、相手が見えるって言ってくれましたが、俺の中ではすごく自分が見える曲だなと思ってて。自分と近づくことが相手と近づくことだと思えて、より素直に書けたのが「蕾」なんですよね。「鼓動」を経て「蕾」ができたってことは、「蕾」のあとにできる曲はもっと心を開いているべき。だからこれから楽しみだなぁって。自分でも心が開けていると、こんなにも気持ちがスッキリするんだなぁって。自分と喧嘩していないから、ものすごく聴きやすい。

――なるほど(笑)。

小林：だから、「鼓動」と「蕾」はミドルテンポの歌モノで自分にも近づけたけど、相手にもいくらか近づけたと思う。「蕾」の最初に「誰かに聴こえるほどの声で私語いた」って唄ってますが、理想は誰かの耳元でささやくような歌にしたいから、この二曲を作った。じゃあ、仮に、そこまで近づいたときに、バラードじゃなく、今までと同じようなロックを思いっきりやったらエラく耳が痛いと思うんです。でも、俺がこれからやりたいのはそういうことなんです。そういう曲ならグイグイ心が入り込んでいくような、耳が痛い、心が痛くなるような距離感がこれからの目標だなと思います。

取材・文●大橋美貴子


「鼓動」
2013年7月17日(水)発売
＜初回限定盤＞CD+DVD　KICM-91458 / ￥1,500（tax in）
[CD] 1.鼓動　　2.蕾
[DVD]
1.TOUR2013“tremolo”2013.03.09 SHIBUYA CLUB QUATTROより
リバース / 白い花 / freedom / 輪舞曲 / 答えを消していけ / 安田さん
2.「鼓動」MUSIC CLIP
＜通常盤＞ CD　KICM-1458 / ￥1,000（tax in）
[CD] 1.鼓動　　2.蕾
-BONUS TRACK-
TOUR2013“tremolo”2013.03.09 SHIBUYA CLUB QUATTROより
「Baby's got my blue jean's on」

小林太郎ワンマンツアー＜Tour2013“SOL Y SOMBRA”＞
11月15日(金) 福岡 / LIVE HOUSE Queblick
11月23日(土) 仙台 / LIVE HOUSE PARK SQUARE
11月29日(金) 大阪 / OSAKA MUSE
12月01日(日) 名古屋 / ell. FITS ALL
12月05日(木) 東京 / 渋谷CLUB QUATTRO

＜VS Short Tour Vol.2＞
9月20日(金)　＠名古屋・ell.FITS ALL（VS another sunnyday、黒猫チェルシー）
9月27日(金)　＠東京・渋谷eggman（VS LUNKHEAD）
9月29日(日)　＠大阪・LIVE SQUARE 2nd LINE（VS Droog、onelifecrew）

＜イベント出演情報＞
7月27日(土)　JOIN ALIVE＠いわみざわ公園(北海道)
8月4日(日)　ROCK IN JAPAN FESTIVAL＠国営ひたち海浜公園(茨城)
8月10日(土)　 TREASURE05X＠会場未定（名古屋）
8月17日(土)　　Rock Daze!＠DRUM LOGOS（福岡）
8月21日(水)　　SEACRET BOX BY OTODAMA＠SEACRET BOX BY OTODAMA with キリン カリブーン（神奈川）
8月25日(日)　 MUSIC MONSTERS -2013 summer-＠会場未定(東京)
9月1日(日)　 RADIO BERRY ベリテンライブ 2013＠HEAVEN'S ROCK Utsunomiya(栃木)
9月21日（土）イナズマロックフェス2013＠烏丸半島芝生広場（滋賀）
公演詳細はこちらまでhttp://www.kobayashitaro.com/live

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