SONOMI、3年ぶりのワンマンに師匠・KREVA、「やっとSONOMIが“オギャー”って感じだと思うんですよ。だから、成長を見守ってくれたら」

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SONOMIが7月15日、赤坂BLITZにて、3年ぶりとなるワンマンライブ<SONOMI CONCERT 2013「S.O.N.O.M.I」>を行なった。オフィシャルのレポートをお届けしよう。

◆<SONOMI CONCERT 2013「S.O.N.O.M.I」>画像

2005年に1stアルバム『S.O.N』を「くレーベル」より発表。2008年にはメジャー初のフル・アルバム『S.O.N.O』をリリース。そこから一つひとつ文字を重ね、2013年4月に発売されたベスト・アルバム『S.O.N.O.M.I』の発売によって、ついに完成を見た。これを記念して、大阪でのワンマンを経て開催された今回のライブは、まさにSONOMIというひとりのアーティストが完成されるまでの軌跡を、一つひとつ確かめるようなステージだった。

7月の連休最終日、夕刻を過ぎても未だ蒸し暑い赤坂BLITZの前には長蛇の列が出来ていた。開場時間を迎え、続々と客席が埋まっていく。ほとんどの人の首元にはコンサートグッズである、SONOMIがこれまでリリースしてきた楽曲名がデザインされた、グリーンのタオルがかけられていた。

定刻を回り、ステージ中央のDJブースに立つ相棒、熊井吾郎のプレイがステージの口火を切る。重厚なビートが爆音で流れ出し、ステージ上手に立つふたりのコーラスがその波に乗る。まくし立てるようなサウンドが会場のテンションを急速に引っ張りあげると、眩しい光と共にステージ中央にSONOMIが登場。真っ赤なノースリーブにホワイトベースのパンツ、満面の笑みで歌い出したのは「Hey!」だ。オープニングから全熱量を解放するようなエネルギッシュなパフォーマンスで、BLITZの広いステージを縦横無尽に跳ねまわる。「愛が足りないよ」「Everyday☆エビデー☆」といったアップテンポなナンバーに次いで「こっちきてBaby」「You can see?」など、幅広い楽曲を披露し、息つく間も無い流れで会場をみるみる盛り上げていく。ライブ中盤ではキーボードの前へと移り、SONOMIの弾き語りに熊井のプレイを乗せた「おやすみ」を歌い上げた。「本当に素晴らしい楽曲です。色んな気持ちを込めて、挑戦させていただきます」という前置きの後に続けたのは、KREVAのナンバー「EGAO」。師であるKREVAへの感謝、そして彼から受け取ったすべてを込めるような、ソウルフルかつ純真な歌声は、会場の隅から隅までじんわりと染み渡った。

ライブ中盤に挟まれたのは、「夏」をテーマとした熊井のMPC&CDJプレイ。「イッサイガッサイ」など、夏を代表するキラーチューンでオーディエンスの気温を上昇させていく。熱気を維持したまま再登場したSONOMIは、カラフルなチュニックにパステルカラーのパンツスタイル。充満する夏の香りのなか彼女が歌ったのは「SUMMER Remix」。中盤で「感じてる二人だけの夏を KREVAとの夏を!」と、リリックを文字った呼び込みからスペシャルゲストのKREVAが登場すると、会場からは叫びに近い歓声が湧き起こった。以降は新機材であるAbleton Push(エイブルトンプッシュ)をひっさげたKREVAもステージを共にし「サプライズ」「I miss you (HOUSE MIX)」「Day and Night」のほか、新曲「遠くまで feat.KREVA」などを演奏。3人による特別で貴重な時間に、多くの人で埋め尽くされた客席は思う存分踊り、酔いしれた。ボリューム満点なライブの最後には「I Pray」が歌われ、当然のように巻き起こった割れんばかりの拍手によって、再びステージへ呼び戻されたSONOMIは、改めて今日の感謝を語った。

「私の実力だったらこんな大きなところでライブさせて貰えるはずが無いんですが、スタッフのみなさんが『高い意思を持って歌って欲しい』という気持ちでここを選んで下さって。それにKREVAさんも『応援するよ』って今日の出演を決めてくれたことに、すごく感謝したいです。まだまだですけども、みなさんの暖かさがあったからこそここまで来れたという気持ちを忘れずに、これからも進んでいきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします!」

アンコールの1曲目は、シンガーとして歩む決意を書いた、彼女の処女作「赤い光」。次ぐ「一人じゃないのよ」の途中に「私に一人じゃないって教えてくれた人、私のプロデューサー!KREVA!」と、再びKREVAが呼び込まれる。KREVAの横で溌剌としたステージングを見せる彼女の姿は、本当に堂々たるものだった。

この日SONOMIは、ステージでシルバーのパンプスを履いていた。8年前に始まった、彼女のシンデレラストーリー。その重ねてきた月日のなかで、儚くて脆かったガラスの靴はたくましく強くなり、強烈に輝きを増していった。BLITZのステージを駆け回るギラギラとしたハイヒールは、彼女の物語がもやはおとぎ話ではなくなったことの象徴のようにも感じられた。曲を終え、ステージを降りるKREVAから客席へ一言だけ語られる。

「『S.O.N.O.M.I』が完成して、みんながこうやって集まって、やっとSONOMIが“オギャー”って(生まれた)感じだと思うんですよ。だから、これからゆっくり歩き出すと思うんで、たまに手を伸ばしたりしつつ、その成長を見守ってくれたら嬉しいなと思います」

KREVAの言うように、SONOMIの歩みはまだこれからなのだ。その先の景色は、オーディエンスはもちろん、彼女自身さえ予測できない。けれど、きっと大丈夫だろう。そう信じることの大切さを、彼女はこれまでに十分知ってきた。オーラスを飾ったのは「何とかなる」。ライブの終わりにも関わらず、期待と希望に満ち溢れたまま<SONOMI CONCERT 2013「S.O.N.O.M.I」>は、ついにその幕を閉じた。

この日、赤坂BLITZのステージで“誕生”したシンガーSONOMI。これから紡がれるその成長の記録は、きっと私たちにパワーを与えてくれるだろう。はじまったばかりのストーリーの行く手を、これから楽しみにしていきたいと思う。

◆BARKSライブレポ
◆SONOMI オフィシャルサイト
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