【ライブレポート】THE NAMPA BOYS、“ナンパの日”初ワンマンは大入り大盛況。「みんないったい、今までどこにいたの?」

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「これじゃ解散ライブみたいだな!?」

◆THE NAMPA BOYS ライブ画像

小林聡里(Vo&G)が何度となくそう言うのは、己が口を開くたび、発する言葉がどうしても熱く感動的になってしまうから。

「松本の南松本という駅で田中(悠貴)に“ベース弾いてよ”ってお願いして、THE NAMPABOYSを始めて7年半。別にみんな大して巧くもないけど、No.1のカッコいいバンドになりたいと思ってずっとやってきて、初めてのワンマンでこういう景色が見られて、本当にうれしいです!」(小林)
最初にこの下北沢シェルターのステージに立ったとき、THE NAMPA BOYSの客はたったの3人だったという。それがこの初ワンマンは超満員。7月8日を“ナンパの日”としてイベント<NAMPAの日~終演後は自己責任で~>を企画し、ペアチケットを780円で売り出したことも大きな話題になったとはいえ、オーディエンスの前のめりで爆発的な盛り上がりは、小林にこう言わせるに十分だった。

「みんないったい、今までどこにいたの?」

オープニング「到来」から、まるでこの日のためにエネルギーを貯め込んでいたかのごとく、会場のボルテージは上がり続ける。メロウなメロディの行く先に待ち構える怒濤のバンドサウンドは THE NAMPA BOYSがこの7年半で築き上げてきたもので、だからこそステージから見えただろうオーディエンスの笑顔や興奮は、間違いなく彼らが勝ち得たものだった。突き上げられた拳も、感情のままのシャウトも、止まらぬモッシュも、そして何より、このたまらなく熱い空気も。

そもそも彼らのサウンドにある“熱”は、どちらかといえば内側に向かっている。例えば「螺旋インセクト」の詩的でエモーショナルな世界観、例えば「彼女の目」の埃っぽいリズムと泣きのギターが紡ぎ出す情感。楽曲それぞれはまったく別のベクトルを携えてはいるけれど、根っこはたぶん同じ。多くの人がおそらく経験しているだろう、深夜に頭と心が飽和状態になって胸を掻きむしらんばかりの焦燥感に苛まれるような、あの実に個人的なセンチメンタリズムが音に溶け込んでいるのだ。だからきっと、ライブの場にあってもTHE NAMPA BOYSという音楽は一人ひとりに届いている。結構な奥深くまで伝わっている。じゃなければ、ここまでの一体感は生まれるはずがないし、何よりこの場にある多大な熱は明らかにステージとフロア、互いの感情のぶつかり合いがもたらすものだった。そしてその熱は、決して冷めない。

自然に手拍子がわき上がり、あちこちでシンガロングして、もみくちゃになり、汗なんだか涙なんだかわからないけどグショグショで、会場はただただ恍惚とした状態へと導かれていく。本編ラスト「待つ元」が放った決定打もまた強力だった。骨っぽいサウンドワークゆえに暑苦しさを感じるほどのミディアムナンバーは、実はこのバンドの最大の武器だと私自身は思っている。メロディーが生まれ持った深淵な感情や、それに呼応する饒舌なボーカル、独特のタイム感をはらんだリズムに歌うようなギター、すべての要素を取り込むから楽曲としての充実度も半端ない。この日のクライマックスでは、さらに会場の熱を巻き込んで、楽曲も、そしてバンドも、圧倒的な存在感を放った。

「これからも一緒に旅を続けよう! シェルター、本当にありがとう。また会おうぜ!」

ナンパの日だからと思いつきで企画が立ち上がり、思いつきでチケット代を安くし、だからお祭り気分で集まった人も少なくなかっただろうのこの日のライブだが、終演と同時にきっと誰もが、THE NAMPA BOYSの未来にある種の確信を持ったはずだ。7年半もやっていれば、バンドの足元がそれなりに固まっているのは当然としても、とはいえメンバーの年の頃、若干二十歳。長野県松本市のロックヒーローにならんとしている4人は、本当にまだハタチ! 今秋リリース予定のミニアルバムも一筋縄じゃいかないはずで、やはり先行き恐ろしいこと、かくのごとし。

文◎斉藤ユカ


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日時:2013年08月13日(火)/開場18:00/開演19:00
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料金:早割(eplusプレ)\2,300(+1D) 前売\2,800(+1D)
出演:w/KANA-BOON/GOING UNDER GROUND

<RockDaze! showcase '13summer>
日時:2013年08月18日(日)開場12:30/開演13:00
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