【連載】山崎あおいの“山崎あつい” 第3回「今ではフリーライブが大好きです。」

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「千年猛暑」というとんでもない夏、らしい2013年の夏。最近は本当に……本当に……暑いですね。北の大地、北海道の出身である山崎あおいは日々、暑さに心が折れそうです。そんな夏に負けず、山崎もあつくなっていきたいと思います。

◆山崎あおい タワーレコード新宿店インストアライブ 画像

先日、人生初の<ツアー>っぽいものを無事に完走しました。<ツアー>と言ってもチケットを買って見るワンマンライブではなく<フリーライブツアー>というものです。全国各地のショッピングモールの中だったり、駅ビルの中だったり、誰でも見ることができる開けたスペースで歌わせて頂きました。

<フリーライブ>は、デビュー前からよくやってきたことです。路上ライブもフリーライブのうちのひとつ。高校生の頃はよく、地元の地下街で歌わせて頂きました。私の音楽が大好き! って人も、無料なら一回見てみようかなって人も、ちょっと冷やかしに行ってやろうって人も、全く知らないけどたまたまその時間にそこにいた人も、みんな一緒になって見るフリーライブ。得意か苦手かでいうと、私はずっと苦手でした。

私のような、ギター弾き語りスタイルのシンガーソングライターという生き物は、「路上ライブで経験を積んできた」と思われがちです。実際、地元の札幌にもたくさんそのような路上ミュージシャンはいましたし、私も「かっこいいな」と憧れてやってみたことはあります。しかし、路上ライブが苦手なシンガーソングライターもたくさんいると思うのです。私のように。

私は一度、閉店後、商店街でやってみて、寒さが嫌になり、通りがかりの酔っ払ったおじさんの超接近カメラが嫌になり、「デビューしたいなら」と突然語り出す怪しい人が嫌になり……今よりもっと人見知りで、もっと人の視線を怖がっていた当時の私に、路上ライブで得られる快感はありませんでした。ステージでも何でもない場所で目立つのが、凄く怖かった気がします。

そんな気持ちを捨てきれないまま、<フリーライブツアー>。デビューしてからもフリーライブはやってきましたが、大体が共演者のいるイベントだったので「山崎あおいのフリーライブ」として地元以外の場所で行うのは初めてのことです。「人、来るかなあ」。それだけが不安でした。

タワーレコード新宿店から始まった、怒濤のフリーライブ&インストアライブ。いざステージに出てみると、本当にたくさんの人。「まあ新宿だもんな……初日だもんな……」。しかし続く大阪、名古屋もたくさんの人。川崎にも、たくさんの人。

地元、札幌でも、以前より確実に多い人。ライブ中にも足を止めてくれる人。
そして何より、ライブが終わった後に全会場で行なった、握手会。「アイドルみたいで照れくさい」と言っていましたが、直接、私の音楽を好きと言ってくれる人たちの顔を見ることができて本当に嬉しかったです。私が好きなアイドルの握手会に行ったときのように、緊張している様子の高校生を見て、「私、全然そんな緊張されるような凄い人じゃないのに」と思いつつ、でも、そういうことなんだよなあ、と。不思議な気持ちになるのと同時に、ちょっとした自覚と、ちょっとした自信が湧いてきました。

フリーライブツアーを終えて、今ではフリーライブが大好きです。いろんな人がくるフリーライブ。私に興味のない人も、通りすがりの人もたくさんいるけど、それを巻き込もうというエネルギーをくれる味方も、たくさんいる。ベタな言い方だけど、「一人じゃ無いんだな」と思いました。

とは言っても、まだまだこんなもんじゃあありません。一人じゃないということが分かったので、ここから突き進んでいきます!

いつか、「フリーライブなんかしたら怪我人が出ますよ! やめて下さい!」って言われるくらいになるまで。これからも、宜しくお願いします。


text by 山崎あおい
タワーレコード新宿店 にて

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