「前に進んでたら、また絶対会えるよ」SOPHIA、活動休止前ラストライブ開催

ツイート

全国ツアー<SOPHIA TOUR 2013 未来大人宣言>をもって活動を休止すると宣言していたSOPHIAが、8月12日、その最終公演となる日本武道館でのライブを行なった。奇しくもこの日は、ボーカル・松岡充の42歳の誕生日だった。

◆SOPHIA 全国ツアー<SOPHIA TOUR 2013 未来大人宣言> 日本武道館公演 画像

もともと8000人規模を予定していたステージプラン。しかし活動休止の発表後、「一人でも多くのファンに同じ時間を共有してもらいたかった」というメンバーの意向で、360度、ステージ後方にも観客を入れるステージプランに変更。連日の猛暑にも関わらず、この日は1万2000人にまで膨らんだ満員の観客が会場を埋め尽くし、その時を待った。

オープニングに流れるのは、いつものごとくエディットピアフの「愛の賛歌」。耽美な旋律が流れると、満員の観衆はいよいよ始まる5人の“有終の美”を一瞬たりとも見逃すまいと、ステージ上に熱い視線を送る。

「とうとうこの日がきてしまいました、8月12日!」── 松岡充

上京後始めてのライブで演奏したという思い出の曲「Eternal Flame」からスタートしたライブは、「Believe」「黒いブーツ~oh my friend~」「街」「HARD WORKER」「KURU KURU」……。松岡の饒舌なMCも絡めながら、ほぼ過去から現在の曲へ駆け上がるようなセットリストで思い出の曲が次々と演奏されていく。

途中「ヒマワリ」では、舞台中央から客席に向けて作られていた階段が、多くの関係者からの無数のヒマワリで埋め尽くされている姿があらわになったり、途中のMCでこの日は松岡が誕生日ということで、サプライズケーキが出現したりと、凝縮された全28曲・約3時間半に及ぶライブはまったく時間を感じさせずあっと言う間に過ぎていった。

「どれだけ『ありがとう』と言っても、言い切れないほど感謝です。あなたたちと出会わなければSOPHIAというバンドはこんなに続かなかったでしょう。都のガンがあって、初めて活動を休止しなければならなくなったけど、都はそれを乗り越えて元気になりました。それができたから……自分たち自身で休止したいと思ったのかもしれません。もっともっと音楽を大切にしたい。そんな思いで、一度まっさらに戻ってみたいと思いました。流れていく時に自分たちでストップをかけました。20周年じゃなくて19年でっていうのも俺ららしいだろ?(笑) 明日からは心の中のSOPHIAを糧にまたそれぞれの道を歩いていこう。前に進んでたら、また絶対会えるよ」── 松岡充

「未来大人宣言」を歌う前のMCで、松岡が活動休止に関して真剣な眼差しで観客に語りかける。その、ひとつひとつの言葉を噛み締めるように、丁寧に伝えていく言葉には、休止という言葉とは相反するような、希望や未来が見えた。

ラスト、いつもならばステージ上で横並びのメンバーたちの挨拶で終わる彼らのライブだが、この日はさらにもう一曲、松岡のアカペラから始まる全くの新曲「WHITE」が演奏された。スノーマシンで会場に降り積もる季節はずれの雪。SOPHIAは一旦、冬に入る。アーティストとしては冬眠するようなものかもしれないが、きっと春は訪れる。そんな希望を感じさせたラストだった。

2014年がバンド結成20周年となるSOPHIA。そう遠くない未来にまた彼らに出会える日が必ず来る。そんな確信にも近い思いがめぐるライブだった。

SOPHIA「SOPHIA TOUR 2013 未来大人宣言」
01. Eternal Flame
02. Believe
03. ヒマワリ
04. little cloud
05. ゴキゲン鳥 ~crawler is crazy~
06. 黒いブーツ~oh my friend~
07. 街
08. CIRCUS
09. ALIVE
10. Place
11. 理由なきNew Days
12. one summer day
13. 僕はここにいる
14. 旅の途中
15. HARD WORKER
16. STRAWBERRY & LION
17. 青い季節
18. 蜘蛛と蝙蝠
19. Early summer rain
20. KURU KURU
21. ヤングアダルト
22. cod-E ~Eの暗号~
23. Kissing blue memories
24. エンドロール
25. 未来大人宣言
26. happy birthday to you
27. Thank you
28. WHITE

◆BARKSライブレポ
◆SOPHIA オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報