【インタビュー】2CELLOS、「毎日何が起きるかわからない、その状況を楽しんでいる」

クロアチア出身のステファン・ハウザーとルカ・スーリッチによる2CELLOS。子供の頃からチェロの英才教育を受けて、共にロンドンに留学していた。その彼らが「もっとクリエイティヴなことをやりたい」との思いから、マイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」を演奏する映像をYouTubeで公開したのが2011年1月のこと。
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──CMの反響がすごいと聞いています。それは自分達でも確かな手応えとして感じていますか?
ステファン:感じているよ。ファンが増えたという実感はあるし、アルバムも好調にセールスを伸ばしていると聞いた。まさにアメイジングなことだと思っている。
ルカ:昨日も新宿で僕らが映った巨大な看板を目にしたけれど、自分としてはあの白い衣装を来た人は誰?みたいな感じで見ていた(笑)。
──CMで演奏した「影武者」のタイトルの由来は何ですか。

──その「影武者」が追加収録された2ndアルバムですが、前作との違いは、大勢のゲストを迎えている点。あなた達のマネージメントのボスでもあるエルトン・ジョンをはじめ、スティーヴ・ヴァイ、ラン・ラン、ズッケロなど6組も参加している。なぜこれだけ多彩なゲストを迎えたのでしょうか。
ステファン:前作とは違う、何か新しいことをしたいと思い、2本のチェロで出来ることを発展させたかったんだ。多彩なゲストと共演することで、自分達の音も成長することができるだろうし、たくさんの刺激を受けることにもなるだろう。そういう考えがあったからだ。

ルカ:もちろんだよ。ボーカリストの場合は、それぞれの声の魅力を活かすことを一番のテーマにした。例えば、ズッケロ。イタリア人特有の朗々とした彼のボーカルを活かしたかったので、ピーター・ガブリエルの「ザ・ブック・オブ・ラヴ」をイタリア語に翻訳して歌ってもらった。
ステファン:僕らは、コールドプレイの曲が好きで、デビュー作でも取り上げている。今回「クロックス」を演奏しているけれど、ピアノの旋律がすごく美しい曲なので、ぜひラン・ランと共演したいと思った。彼は、優れた演奏テクニックに加えて、感情表現も豊かなので、その魅力を存分に引き出せるようなアレンジ、レコーディングを心掛けた。
──追加収録された「影武者」以外にもオリジナル楽曲「オリエンタル・エクスプレス」があるでしょ。気持ちが徐々に高揚していくようないい曲ですが、これはどのようにして生まれた曲なのでしょうか。

──ところで、今回で来日は何回目?
ルカ:2CELLOSとしては7回目。毎回本当に自分達でもよく働いていると思う(笑)。
ステファン:そうだよ、僕らはワーカホリック。でも、2013年は夏休みを楽しむつもりでいた。そしたら突然Eメールが入って、CMが決まったから日本に来てくれないかと。今は、毎日何が起きるかわからない、その状況を楽しんでいる。

ステファン:自分達の運命を信じて、成功するイメージを持っていたけれど、こんなにも短期間で達成できるとは思っていなかった。
──短期間で成し得た秘訣は?

──いい答えだわ(笑)。先ほど何か新しいことをしたいと思って、という発言がありましたが、最近また新しいことをやりましたね。2人で1本のチェロを演奏する「ウォーターフォール~一粒の涙は滝のごとく」(コールドプレイのカバー)の映像を観ました。なぜ2人で1本のチェロを演奏しようと?
ルカ:常にみんなを驚かせるようなことをしたいと思っているんだ。それであの映像を公開する前に「2CELLOS は、1CELLOになります」と発表したら、解散かと大騒ぎになったんだけれど、その直後に種明かしとして映像をアップさせたというわけなんだ。
──なるほど、そんな仕掛けがあったんですね。さて、最後に今後の予定を教えてください。
ルカ:10月から全米ツアーを行う予定で、その前にエルトン・ジョンとラスヴェガスで共演することになっている。
──気の早い話ですが、次のアルバムは?
ステファン:アイディアはあるけれど、3枚目はじっくり時間をかけてレコーディングしたいと思っているので、いつになるかな。今は言えないよ(笑)。
──楽しみにしています。その前にぜひ早いうちに来日公演を行ってくださいね。お待ちしています。
インタビュー・文:服部のり子
『2CELLOS2~IN2ITION~COLLECTOR'S EDITION』
8月21日発売 完全生産限定盤
2CD SICP3880-3881 \3,000(税込)
NTTドコモ「ツートップ」テレビCM曲「影武者」収録
◆2CELLOSオフィシャルサイト
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