【インタビュー】2CELLOS、「毎日何が起きるかわからない、その状況を楽しんでいる」

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クロアチア出身のステファン・ハウザーとルカ・スーリッチによる2CELLOS。子供の頃からチェロの英才教育を受けて、共にロンドンに留学していた。その彼らが「もっとクリエイティヴなことをやりたい」との思いから、マイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」を演奏する映像をYouTubeで公開したのが2011年1月のこと。

◆2CELLOS画像

それから2人を取り巻く環境は、急速に変化し続けてきたが、2013年7月に彼らが出演するNTTドコモの「ツートップ」CMが放映されると、問い合わせが殺到。2ndアルバム『2CELLOS2~IN2ITION~』にCM曲「影武者」のフル・バージョンなどが追加収録されたコレクターズ・エディションを8月21日に発売。それに合わせて来日した2CELLOSにインタビューを敢行した。

──CMの反響がすごいと聞いています。それは自分達でも確かな手応えとして感じていますか?

ステファン:感じているよ。ファンが増えたという実感はあるし、アルバムも好調にセールスを伸ばしていると聞いた。まさにアメイジングなことだと思っている。

ルカ:昨日も新宿で僕らが映った巨大な看板を目にしたけれど、自分としてはあの白い衣装を来た人は誰?みたいな感じで見ていた(笑)。

──CMで演奏した「影武者」のタイトルの由来は何ですか。

ステファン:タイトルは、ぜひ日本語にしたい、それもSAMURAIとか、NINJAとかありふれたものではなく、オリジナリティがあって、サウンドもカッコいい言葉がいいと思い、見つけたのが「影武者」だったんだ。

──その「影武者」が追加収録された2ndアルバムですが、前作との違いは、大勢のゲストを迎えている点。あなた達のマネージメントのボスでもあるエルトン・ジョンをはじめ、スティーヴ・ヴァイ、ラン・ラン、ズッケロなど6組も参加している。なぜこれだけ多彩なゲストを迎えたのでしょうか。

ステファン:前作とは違う、何か新しいことをしたいと思い、2本のチェロで出来ることを発展させたかったんだ。多彩なゲストと共演することで、自分達の音も成長することができるだろうし、たくさんの刺激を受けることにもなるだろう。そういう考えがあったからだ。

──選曲も前作以上にバラエティに富んでいますよね。この選曲はどうやって決めたのでしょうか。ゲストとのマッチングも考慮してのものですか?

ルカ:もちろんだよ。ボーカリストの場合は、それぞれの声の魅力を活かすことを一番のテーマにした。例えば、ズッケロ。イタリア人特有の朗々とした彼のボーカルを活かしたかったので、ピーター・ガブリエルの「ザ・ブック・オブ・ラヴ」をイタリア語に翻訳して歌ってもらった。

ステファン:僕らは、コールドプレイの曲が好きで、デビュー作でも取り上げている。今回「クロックス」を演奏しているけれど、ピアノの旋律がすごく美しい曲なので、ぜひラン・ランと共演したいと思った。彼は、優れた演奏テクニックに加えて、感情表現も豊かなので、その魅力を存分に引き出せるようなアレンジ、レコーディングを心掛けた。

──追加収録された「影武者」以外にもオリジナル楽曲「オリエンタル・エクスプレス」があるでしょ。気持ちが徐々に高揚していくようないい曲ですが、これはどのようにして生まれた曲なのでしょうか。

ルカ:予定になかった曲なんだ。スタジオでプロデューサーのボブ・エズリンが弾くピアノと即興演奏を楽しむなかで偶然生まれた曲で、ボブが「おもしろいから、これをちゃんと曲にしてみないか」と提案してくれて。「オリエント・エクスプレス」というのは昔パリからイスタンブールまで運行されていた列車の名前で、バルカン半島に位置するクロアチアを通過していた。曲冒頭のリズムが列車の車輪がレールを踏む音に似ているし、メロディーに僕らのルーツが反映されていて、どこかノスタルジックな曲になっている。

──ところで、今回で来日は何回目?

ルカ:2CELLOSとしては7回目。毎回本当に自分達でもよく働いていると思う(笑)。

ステファン:そうだよ、僕らはワーカホリック。でも、2013年は夏休みを楽しむつもりでいた。そしたら突然Eメールが入って、CMが決まったから日本に来てくれないかと。今は、毎日何が起きるかわからない、その状況を楽しんでいる。

──短期間であまりに多くのことが起きて、いきなり大きな成功を手にしたかと思います。YouTubeが話題になった頃は、今の状況を想像していましたか。

ステファン:自分達の運命を信じて、成功するイメージを持っていたけれど、こんなにも短期間で達成できるとは思っていなかった。

──短期間で成し得た秘訣は?

ステファン:もちろん僕らの才能、コンビネーション、ルックス、情熱、エネルギー、選曲、いいアレンジの賜物さ(爆笑)。

──いい答えだわ(笑)。先ほど何か新しいことをしたいと思って、という発言がありましたが、最近また新しいことをやりましたね。2人で1本のチェロを演奏する「ウォーターフォール~一粒の涙は滝のごとく」(コールドプレイのカバー)の映像を観ました。なぜ2人で1本のチェロを演奏しようと?

ルカ:常にみんなを驚かせるようなことをしたいと思っているんだ。それであの映像を公開する前に「2CELLOS は、1CELLOになります」と発表したら、解散かと大騒ぎになったんだけれど、その直後に種明かしとして映像をアップさせたというわけなんだ。

──なるほど、そんな仕掛けがあったんですね。さて、最後に今後の予定を教えてください。

ルカ:10月から全米ツアーを行う予定で、その前にエルトン・ジョンとラスヴェガスで共演することになっている。

──気の早い話ですが、次のアルバムは?

ステファン:アイディアはあるけれど、3枚目はじっくり時間をかけてレコーディングしたいと思っているので、いつになるかな。今は言えないよ(笑)。

──楽しみにしています。その前にぜひ早いうちに来日公演を行ってくださいね。お待ちしています。

インタビュー・文:服部のり子


『2CELLOS2~IN2ITION~COLLECTOR'S EDITION』
8月21日発売 完全生産限定盤
2CD SICP3880-3881 \3,000(税込)
NTTドコモ「ツートップ」テレビCM曲「影武者」収録

◆2CELLOSオフィシャルサイト
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