【特集】ソナーポケット、デビュー5周年記念 ヒット曲を網羅したベストアルバムリリース

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デビュー5周年記念ベストアルバム『ソナポケイズム SUPER BEST』2013.9.3 Release

「今考えれば、あの時期がなかったら
今の自分たちはなかったかもしれない」(matty)

──5周年を目の前にした今の心境はいかがですか?

ko-dai:今思うと、この5年間というのは本当にあっという間だったなと。ただ、1枚目のアルバムを出した後、8ヶ月間くらいリリースのなかった時期があって、その時期だけは長く感じたかなぁって。

matty:僕もko-daiと一緒で、あっという間だったなって思う一方、部分部分を切り取ると、あの時期は結構つらかったなとか、この年はいっぱい人に会ったなとか、いろんなことを思い出すんですけど。でもこうやってベストアルバムの楽曲を並べて聴いてみると、ソナーポケットがどんどん成長してきているのがわかるので、出すのが楽しみだし、気持ちも新たになりますね。

eyeron:5周年を迎えてベストアルバムをリリースできて、この先の方がワクワクするというか、また新たなスタートだなっていう気持ちの方が強いです、今。

──さっきko-daiさんは“8ヶ月間リリースのない時期があった”っておっしゃいましたけど。

ko-dai:はい。デビューして1年間はシングル5枚とアルバム1枚をリリースして、それこそあっという間に毎日が過ぎていったんですよ。それが1枚目のアルバムを出したあと8ヶ月間リリースが何も決まらなかったんです。で、その8ヶ月の間、曲をたくさん書いたり、ライブもしてはいたんですけど、どっちかって言うと家で過ごす時間の方が多くて。結局リリースが決まらないから、書いた曲がいつどこで出せるのかわからなくて不安にもなるし、その間はすごく長く感じましたね。僕は病み症なので、当時は曲を書きながら家でよく泣いていました。“こんなの誰が聴くんだよ!”って思ったら泣けてきて……。でも結果的に、その時期に「好きだよ。~100回の後悔~」も書けたし、「100年先まで愛します。」も書くこともできたので、あのヘコんでた時期が僕らにとってのターニングポイントになったのかなと。

eyeron:あとから考えると、あの時期があってよかったというかね。

matty:うん。今考えれば、あの時期がなかったら今の自分たちはなかったかもしれない。

──でもなぜ、その時期リリースができなかったんですか?

ko-dai:いやわからないです。当時、まだ右も左もわからない状態だったので、なんで出せないのか、どうすれば出せるのかもわからなかったし……。

──えっ、そうだったんですか!?

ko-dai:何が正解で何が不正解なのなのかもわからなくなってましたね……。だから僕はその時期、音楽をやめて普通のサラリーマンになって誰かと家庭を築くのもひとつの幸せなんだろうなって考えたりもしてたんです。

──ほんとに!?

ko-dai:そう。1枚目のアルバムを出したときに『ミュージックステーション』とかも出させてもらったし、もうたいがいの人が目指したものは叶えたんじゃないかなって、そのときは思っていて。あとは普通の暮らしをするのも悪くないんじゃないか、みたいな。

──そこまで追い詰められていたんですね?eyeronさんやmattyさんもそんなふうに思ったことはありました?

matty:僕は基本、なるようにしかならないって思う方なんで。

eyeron:俺も。だから逆に、当時ko-daiがそんなことまで考えていたっていうのは知らなかったというか、それはたぶん今だからこそ話せることなんだと思うし。そういうのを乗り越えた結果が今回のベストアルバムにも繋がっているんだろうなって。

──確かに。それにしても、泣きながらでも曲を書き続けた、そのモチベーションというのは何だったんでしょう?

ko-dai:それはもう、その時期にやっていたライブで“待っててくれる人がいる”っていうのを再確認する事ができていたからです。ソナーポケットを待っててくれる人がいる、聴いてくれる人がいる、求めてくれる人がいるっていう、それがすべてのモチベーションでしたね。

「たぶん「好きだよ。~100回の後悔~」以降の流れが
よかったっていうのもあると思うんですよ」(eyeron)

──なるほど。でもこの世界って、ハタから見るとデビューするまでが大変そうに思えるけど、実は違いますよね?

ko-dai:デビューするのも勿論ハードルは高いとは思いますが、そこから先はもっと難しかったりしますよね。

eyeron:年間400組ぐらいメジャーデビューしてますからね。

ko-dai:そのうち次の年の契約をしてくれるのは数十組で。

matty:その次の年はもっと少なくなるし。どんどん淘汰されていくんですよ。

──じゃあソナーポケットにとって、この5年間を振り返った時に大きなポイントとなる曲というと?

ko-dai:やっぱり(レコード会社を)移籍して出した「好きだよ。~100回の後悔~」はすごく大きいですね。その前に、まずデビュー曲の「Promise」があって。で「好きだよ。~100回の後悔~」の次にポイントとなるのは「365日のラブストーリー。」だと思います。この曲でたくさんのテレビ番組にカムバックできたんですよ。デビューした時はレコード会社さんの力でいろんな番組に出させてもらったんです。『CDTV』とか『ミュージックステーション』とか。でも自分たちの曲の力で呼んでもらえるようになったっていうのはすごくうれしかったですし、ソナーポケットとしてそこまでテンポの速いラブソングっていうのもそれまでシングルで切ったことがなかったので、いろんな意味で大きかったですね。

──実際「好きだよ。~100回の後悔~」が突破口となって、そこから人気に火がついて、「365日のラブストーリー。」が決定打になったっていうのはありますよね。

eyeron:たぶん「好きだよ。~」以降の流れがよかったっていうのもあると思うんですよ。

matty:うん。「好きだよ。~」が口コミで広がっていくとともに、曲を聴いた人が“ソナーポケットって誰だ?”って探り始めて。世間が興味を持ってくれた、その沸点みたいなところで「365日のラブストーリー。」が出たので。

ko-dai:だから「好きだよ。~100回の後悔~」を出して「100年先まで愛します。」「ラブレター。~いつだって逢いたくて~」「ゴメンね…。~お前との約束~」、で「365日のラブストーリー」。そこから「でも・・・。でも・・・。でも・・・。」「世界で一番ステキな君へ。」っていう。この時期、アルバムを出すまでラブソングしかシングルを切ってないんですよね。

──世間もそのへんから“ソナポケのラブソングはいい!”って気がついて、やがて“ソナポケといえばラブソング”、“ソナポケはラブソングマスター”とも言われるようになるわけですけど。ラブソングを書こうっていうのは意識的なものだったんですか?

ko-dai:ラブソングが僕らの軸になっていったのは、もともとラブソングが好きだっていうのもあったし、自分たちがカラオケで歌う時に“もっとこういう曲があったら好きな子に気持ちが伝わるのにな”とか、好きな人に対して“『これって自分たちのような曲だね』って言えるのにな”と思っていて。だったら自分たちでそういうラブソングを書いていこうって思ったのと、あとは「二人いつまでも」を出した時に、僕ら、結婚する300組くらいの方たちに名前入りで“おめでとう”コメントのDVDを撮ったり、結婚式へも直接行って歌ったりしてたんですよ。で、その時に思ったのが、10年後、20年後、30年後、二人が結婚式を思い出したらきっと幸せな門出で歌われたこの楽曲が心に流れるんだろうなって。あるいは、もし結婚がうまくいかなくて二人離ればなれになってしまったとしたら、幸せな楽曲はすごく切ない楽曲に変化するだろうし、その後また誰かと新しい恋をしてその楽曲を振り返ったら思い出の1曲にもなるだろうし。だからラブソングっていうのは、消費される音楽の世界の中でずっと生き続けていくものなんだなと思って。そういうラブソングをソナーポケットの色として歌っていきたいと思ったんです。

──なるほど。ところで今回のベストアルバムには新しいラブソング「夜空咲いた星の下で。~I promise you~」も入っていますね。

ko-dai:はい。「夜空咲いた星の下で。~」は今年の8月にリリースした「線香花火 ~8月の約束~」を作ったあとに書いたんですけど。僕ら4枚目のアルバムを出したあと、「片想い。~リナリア~」っていう曲を出して、その“片想い”を実らせて、二人で“線香花火”をして8月の約束をしたんですよ。で「夜空咲いた星の下で。~」では僕のAメロで“夜空咲いた星の下で”って歌ってるでしょ? それは“線香花火”の火が落ちたあと二人で星を見上げて、その満点の星空の下で愛を誓い合っているという。

──おおっ、全部つながっているんですね!? この「夜空咲いた星の下で。~」は楽曲的にもスケール感があるし、フックもいろいろあって。

ko-dai:そうですね。飽きない楽曲になったと思います。ライブでも映える思いますし。

matty:うん、オープニングとかで使えたらいいなって。

──ちなみに「Promise」でデビューして、「夜空咲いた星の下で。~I promise you~」の中にも“promise”という言葉が入っていますが。

ko-dai:約束したかったんですよ。今回のベストアルバムはデビュー曲の「Promise」で本編を締めようかと思ったんですけど、そのあとに「夜空咲いた星の下で。~I promise you~」を入れたのは、ここからまた10周年に向かって歩いて行くっていう。その新たな第一歩として新曲を入れたんですね。だからこれは恋人たちのラブソングだけじゃなくて、僕らを応援してくれる人に対して、10周年も一緒に迎えたいなっていう想いを込めて。で、また新たな第一歩だから“promise”っていう言葉を入れたんです。

──つまりソナサポ(ソナーポケットのファン)との新たな約束の歌でもある、と。じゃあ今度10周年になったら、また15周年20周年に向けて、新たな約束が交わされる可能性も……。

ko-dai:そうですね。10周年の時は「約束」っていう曲が生まれるかもしれない(笑)。

「すごいね、よく10年もったね」って。僕、音楽でデビューして
10年続けられたら天才だと思ってるんですよ」(ko-dai)

──(笑)今から10周年も楽しみです。では最後に、お題を一つ。5年前の自分と5年後の自分にメッセージを贈るとしたら?

matty:なんだろう……デビューした頃の自分には「想いは変わらず、頑張ってください」と。で、5年後の自分には「見た目はどうなっていますか?」(笑)

ko-dai:「結婚してますか?」とか「彼女いますか?」とかね(笑)。

matty:(しみじみと→)あ~、彼女、いるかなぁ?(一同笑)

──eyeronさんは?

eyeron:「仲間を信じて頑張れば、ベストアルバムが出せるぞ!」(笑)。で、5年後の自分には「スタジアムツアー、できてますか?」。

ko-dai:俺は東京ドームがいいな。

──じゃあ、そんなko-daiさんは5年前の自分に何か言葉を贈るなら。

ko-dai:う~ん、特にかける言葉はないかなぁ。すべてが成長につながって、病んだことも大切な経験だったと思うので。……あ、でも、1つあった! 5年前の自分に一言言うなら「一人焼き肉はやめとけよ」(笑)。

──ははは。なんですか、それ(笑)。

ko-dai:いや俺、5年前、デビューした時に一人焼き肉をしたんですよ。そしたらすごい疎外感と淋しさを覚えたので、それは「やめとけよ!」って言いたいです(笑)。あと、5年後の自分に声をかけるとしたら、「すごいね、よく10年もったね」って。僕、音楽でデビューして10年続けられたら天才だと思ってるんですよ。

──厳しい世界ですからね。みんなが思っている以上に。

ko-dai:はい。だから10周年の時には「よくやったね」って言いたいです。

──じゃあ9月3日に5周年を迎えて、そこからはまた10周年を目指すという感じですか?

ko-dai:いや、10周年を目指すというより、まずは6年目を目指すって感じです。

matty:そうだね。一歩一歩。

ko-dai:僕ら、これまでも5周年を目指してやってきたわけじゃないですし。

matty:だから、5周年っていうのは通過点にしか過ぎないんですよ。

ko-dai:そう。常に“今”を大切に生きてきて、気づけば“来年5周年だね”みたいにここまで来たので。これからも“今”を大切に進んでいった結果、“そういえば来年10年じゃん!”になったらいいなと思うんですよね。

eyeron:うん。ずっと変わらないスタンスでね。

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