【イベントレポート】Juice=Juiceが涙のメジャーデビュー。「正直、辛いことのほうが多かったけど、でも、みんなと一緒だったから乗り越えられた」

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ハロー!プロジェクトの新人ユニット・Juice=Juiceが、シングル「ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)」でメジャーデビューした。リリース日となった9月11日にはアイドルイベントの聖地・池袋サンシャインシティ噴水広場でイベントを開催。約2000人の熱いファンが会場に押し寄せる中、涙のリリースイベントとなった。

◆Juice=Juice メジャーデビューシングルリリースイベント 画像、コメント動画、ミュージックビデオ

Juice=Juiceは、宮崎由加(リーダー)、金澤朋子(サブリーダー)、宮本佳林、高木紗友希、植村あかりの5人。2013年2月に結成されたハロプロ研修生内グループだ。

元気いっぱいながら、ちょっぴり背伸びした大人の表情をもチラ見させるような「私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)」「五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)」の披露と「私たちJuice=Juiceは、モーニング娘。、“ももち先輩”がいるBerryz工房、℃-ute、スマイレージが所属するハロー!プロジェクトから、今日9月11日にメジャーデビューした新ユニットです!」という、宮崎由加の挨拶とともにスタートしたイベント。

中盤のMCで、メンバーは早速、メジャーデビューの感想を語る。「私はメジャーデビューを早くしたい早くしたい早くしたいってずっと思ってたんですけど、いざ本当のメジャーデビューをするとなったら、表現できない不思議な気持ちになっています。」と、言葉を詰まらせながらの植村あかり。自分たちが5人組であることと、先日決まった2020年の東京五輪をかけて「オリンピックと同じくらい注目してもらえるグループになれるよう頑張ります!」と、笑顔の高木紗友希。

「私はハロプロ研修生として、6年間ずっと夢で……」と口にしたところで涙が溢れだす宮本佳林。彼女は、これまで笑顔の奥に隠していた様々な気持ちを語り始める。

「ずっと夢だったんです、メジャーデビューは。今日、ひとつ大きい夢が叶って。でも、でも、足を怪我してしまってすごい悔しいし、ほんとはみんなと一緒に踊って……。素敵なメジャーデビューだねっていってもらいたかったけど。」

「まともに歩くこともできなかったり。でも、5人みんなが、一生懸命私のサポートをしてくれて。今もこうして……この、場位置とかもやっぱり違うんですよ。ほんとは、もっと移動があったり、もっと大変なんですよ(笑)でも、私が動けないから、みんながその場所でいろいろ話し合って。私ができないせいでこんなに迷惑をかけてしまってる。」

最強のハロプロ研修生と噂され、モーニング娘。でいうところの鞘師里保のようなエースの風格と、それに見合う実力、表現力を備えている宮本佳林。ハロプロファンは昔から彼女のメジャーデビューを心待ちにしていたのは事実であるし、それ以上に本人にとっても、どうしても掴み取りたい夢だった。そして、そんな念願が叶ったのもつかの間、デビュー日を前に「左立方骨骨折」で全治6週間の怪我。大切なデビュー日に、ともにこれから歩んでいく仲間たちと一緒に、ステージ上で全力で踊って歌うことができないということの辛さや悔しさ。そして、自分のせいで仲間たちに迷惑をかけてしまっているという申し訳なさが、中学3年生の胸を苦しめていた。

ただ今回、怪我で足を動かすことができないことを通して、人の痛みがわかったという宮本佳林は、こぼれ落ちた涙もそのままに、笑顔で言葉を続ける。「今まで夢だったメジャーデビューは本当に嬉しい事なので、足をしっかり治して、さらなる大きい夢にむかっていきたいと思います!」

静まり返っていた噴水広場は、この一言で大歓喜。宮本への大きな声援が4階まで突き抜けていった。

金澤朋子は、「メンバーのみんなとか、大変なこととかも正直あったんですけど、佳林ちゃんとか足を怪我しているのにいつも笑顔で……。私がサブリーダーなのに、いつも支えてもらっちゃって。」と涙。メジャーデビューしたからといって気を抜かずに、今よりもっともっと頑張ると頭を下げる。

そしてリーダーの宮崎由加は、ハロー!プロジェクト伝統芸ともいえるサプライズを、“サプライズの聖地(宮崎・談)”で発動。「普段言えないことを手紙に書いてきたので読ませてください。」と言うと、ステージを取り囲んだファンの驚きの声もお構いなしに、佳林ちゃんが「もーおー!」と、早くも泣きじゃくるなど、ほかの4人は大騒ぎ。

「今日はメジャーデビュー記念日だね。この手紙を書いている今は、まだあんまり実感わいてないです。2月に結成されて、まだみんなお互いのことを知らない関係でのスタートだったね。今日まで一日一日が濃くて、ほんとに濃くて。正直、辛いことのほうが多かったんですけど、でも、みんなと一緒だったから乗り越えられたことばっかりで、本当にこのメンバーで良かったなと思いました。」

涙ながらに手紙を朗読するリーダー・宮崎。そして、ひとりひとりへのメッセージが伝えられていく。

「金澤朋子ちゃんへ。朋は、初めて会った時は、すっごいおとなしくて、しっかりしていて、大人っぽいなって思っていました。でも、一緒にいて、すごい面白い、ギャグ線が高い娘だっていうことを知って、朋の凛とした顔も好きだけど、くしゃっと笑う、笑顔が大好きです。しっかりしているのは今でも変わらないです。リーダーの私がこんなんだから、もっと気楽でいいよって言いたいところだけど、もうすこし頼らせてください。」

「高木紗友希ちゃんへ。紗友希ちゃんはいつも堂々としていて、パフォーマンスもかっこよくて羨ましいなっていつも思ってます。不安そうにしている紗友希ちゃんを見たことがないような気がします。でもほんとは、紗友希ちゃんにも、不安なこととか辛いこと、いっぱいあるよね。そこを見せないようにしている紗友希ちゃんがかっこいいけど、私たちには見せてほしいです。一緒に乗り越えたいと思います。アドバイスとか苦手だけど、私にできることがあったら、頼ってほしいなって思います。」

「宮本佳林ちゃんへ。佳林ちゃんはプロとしての意識が人一倍高くて、本当に尊敬しています。でも、まだ中3だよ? 甘えたい時は甘えていいんだよ? 今は足を怪我しちゃって、誰よりも辛いと思うし。でも、私たちにできることがあったら言ってね。誰かが辛い時は、みんなで支えていくよ。」

「植村あかりちゃんへ。あーりーは、大人っぽい顔立ちとは真逆の、とっても甘えん坊な性格。あーりーが甘えてきた時、逃げる時もあるけど、本当は嬉しいです。中3だし、学校の勉強もあって、いろいろ大変だと思うけど、それをやりこなしているあーりーは、意外としっかりしているのかなって思います。淋しい時は、ちょっとだけなら、甘えていいよ。」

「Juice=Juiceがこのメンバーで本当によかったです。5人ともみんな大好きです。これから先、いろんなことが待ってると思うけど、5人なら、大丈夫だよね。」

宮崎からのメッセージをひとりずつ、涙を拭い、頷きながら聞く金澤、宮本、高木、植村。なお、宮崎からは、ファンも含めたJuice=Juiceに関わる人たちのことをファミリーと呼びたいという提案もなされ、会場は拍手と歓声でこれを受け入れた。

ところで、宮崎由加の手紙の中にあった「正直、辛い事のほうが多かった」という一文。これには、もちろん突然訪れた仲間との別れも含まれることだろう。そして集まった観客の中には気づいた人もいるかもしれない。「正直、辛い事のほうが多かった」によく似たフレーズを、前日、9月10日の日本武道館でも聞いたことに。

℃-uteにとって初めての日本武道館公演。ラストのMCで岡井千聖は、「11年間辛かったことが今まで多いって思ってた」と語っていた。

奇しくもメモリアルデーだけでなく、メジャーデビュー前後の状況も似ていると言えるかもしれない、この2つのグループ。先輩・℃-uteは、地道な活動とひたむきな努力が開花し、ほかのアイドルグループからも一目置かれる存在にまでなった。

そして研修生たちやファンといった、周りからの多くの期待、仲間が果たせなかった想いを胸に、今、メジャーシーンへと踏み出したJuice=Juice。彼女たちのたどり着いた先には、一体どんな光景が広がるのだろうか。


text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

【イベント情報】
Juice=Juice ミニライブ&握手会
9月12日 池袋東武百貨店
9月13日 ららぽーとTOKYO-BAY
9月23日 山野ホール
9月28日 森ノ宮ピロティホール
9月29日 BOMBER-E 秋まつりアイドル裏のウラのうらLIVE(メ~テレ秋祭り2013)



◆BARKSアイドル
◆Juice=Juice オフィシャルサイト
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365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

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