【インタビュー】NoGoD「メタルっぽいお約束が詰め込まれているのが「神髄-FRONTIER-」、ハードロックっぽいのが「神髄-THE POWER-」なんです」

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2ヵ月連続リリースの第1弾としてリリースされた前作「神髄-FRONTIER-」は、とことんドラマティックに、とことんスピーディに、そして、とことんメロディアスに、“90年代のメタル"を追求した1枚であったのだが、第2弾としてリリースされる「神髄-THE POWER-」は、“80年代のハードロック"を追求した1枚に仕上げたかったのだと言う。彼らが思う、メタルとハードロックの違いとはどんなところなのか? 彼らがこの2作を通してやりたかったこと、伝えたかったこととはいったい何なのか? 彼らが掲げた“神髄"という言葉には、どんな意味があるのか? そして。今回2作品連続リリースというこの企画を思い付いた、そもそものきっかけとは何だったのか? ヴォーカルの団長とメインコンポーザーであるギターのKyrieに話しを訊いた。

■自分が昔音楽を始めようと思ったきっかけを作ってくれた衝撃ってどんなモノだったっけな? っていうところ立ち返ってみた(Kyrie)

──今回、8月に「神髄-FRONTIER-」、9月に「神髄-THE POWER-」と、2ヵ月に渡って、タイトルに“神髄"というワードを用いた企画シングルをリリースし、それぞれ違った角度から、NoGoDと言うバンドの原点を知らしめたという印象ですが。なぜ、2作品連続で、このスタイルでシングルをリリースすることに?

団長:なんでですかねぇ?(笑)、なんか、1つのジャンルを突き詰めてみたくなっちゃったんです。2月に出したアルバム『V』が、ものすごくバラエティに富んだ1枚だったんですよ。メンバーのやりたいジャンルを1つずつ出していって、それをNoGoDらしくアレンジしたというノージャンルな1枚でもあったそのアルバムで、どんなジャンルもすべてNoGoDらしく消化させられるということが証明出来たし、自信がついたんです。どれを聴いてもクロスオーバーな楽曲ばかりだったんですが、今回は、そうじゃなく、単体のジャンルを追求してみたいなと。我々は、やっぱり激しいロックというジャンルが好きですし、Kyrieさんが、“メタルがしたいメタルがしたい!"って我が儘言ってきかないもんですから、じゃぁ、メタルをやろうじゃないか、とことん突き詰めてみようじゃないかってことで。

Kyrie:まぁ、最初の方の話しは間違ってないんだけど、メタルがやりたいって我が儘なんていった覚えないし(笑)。そもそも、俺だけの意見じゃないし(笑)。でも、たしかに、『V』というアルバムがあったからこそ、そういう方向に向けたってところはありましたけどね。今回の意図としては、“今、自分たちがやりたい音楽をやる!"というところではなく、自分が昔音楽を始めようと思ったきっかけを作ってくれた衝撃ってどんなモノだったっけな? っていうところ立ち返ってみたんです。そのときの感動を、自分たちがもう一度味わってみたかったし、その感動を今NoGoDの音楽を聴いてくれてる人たちにも与えたかったし、その原点が何であるかを知ってほしかったというか。

──その“原点"こそがメタルだったと。

Kyrie:そうですね。10年前に自分がギターを始めたり、音楽にどっぷりと浸かるようになった衝撃をくれたものって言うのは、未だに好きだし、そのときの印象は忘れずに心の中にしっかりありますからね。自分たちの音が、そんな存在になれたらいいな、っていうところがこの企画の発端だったんです。なので、より正確に説明するとするならば、ジャンルから絞っていったというより、たなたま、突き詰めた原点がメタルだったっていうことになりますね。

団長:ということは、やっぱメタルが原点なんですよ。大好きなんです! しかしですね、僕個人としましては、世代的にジャパニーズハードロックというものは、通っていなく、メタルの方なんですよね。「神髄-FRONTIER-」の方は、ジャーマンメタルとかネオ・クラシックとか、メロディアス系なメタルな音楽というか。解りやすいメタルを追求してまして、今回の「神髄-THE POWER-」の方は、どちらかというとハードロック寄りなので、僕個人としましては、歌詞を書くのも、歌い方も、これがなかなか苦労したんですよ。「神髄-FRONTIER-」のような音楽は、自分が10代の頃にやっていたバンドの近い音のモノだったので、消化も早かったんですけどね。だけど、「神髄-THE POWER-」の方が、日本人がより好むメタルというか、一般の方も聴きやすいんじゃないかなと思いますね。僕のハード・ロックのイメージは、SHOW-YAさんや歌舞伎ロックスさんです。80年代の日本のヘヴィ・メタってハードロックだと思うんですよね。派手にショーアップしてるバンドというか。

──なるほどね。「神髄-FRONTIER-」の方は、年代にしたら90年代のヘヴィメタルで、「神髄-THE POWER-」の方は、80年代のハードロックっていう感じなのかなって感じだよね。そもそも、Kyrieくんが最初に聴いて、ビビビってきたアーティストって誰だったの?

Kyrie:98年くらいに、ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン』を聴いて。

──それがビビビの原点だったんだ。

Kyrie:いや。まったく。

団長:こなかったのかよ! オマエね、質問の答えになってないじゃんか!

Kyrie:まぁそうなんだけど(笑)。最初はね、“なんだ、これ?"って感じだった。

団長:まぁでも、そんなもんだよな。俺も小学校の3年生の頃に、筋肉少女帯さんの「躍るダメ人間」を聴いたときは、正直、“これ、なんだ?"って感じでしたからね。本当にその良さに気付けたのは、後々のことでしたからね。後に、“うわ! カッコイイ!"ってなりましたけど、最初は良さが解らなかった。兄ちゃんや姉ちゃんの居るヤツから、X JAPANさんを教えてもらって聴いたんだけど、やっぱり小さい頃はその良さがなかなか解らなくて。“カッコイイ!"って思うようになって、X JAPANさんの原点となった音楽に興味を持つようになって、そこから、どんどん遡って聴くようになったんですけど、それは後になってからですからね。

Kyrie:それそれ。俺も同じ。俺も、その、“よく解らない……"っていうまま、『レッド・ツェッペリンII』を親父に買ってもらって、基本的にはよく解らないまま聴いてたんだよね。そんで、そのアルバムに入ってた、「リビング・ラビング・メイド」っていう曲を“なんかこの曲好きだなぁ?"って思いながら、何回も何回も繰り返し聴いていたら、いつの間にか好きになっちゃってたんですよ、こっち系のジャンルが(笑)。

──ハマっちゃったんだね(笑)。

Kyrie:そうそう。まさに、ハマっちゃったって感覚。

団長:俺がハマったっていう感覚に陥ったのは、98年にKorn(コーン)を聴いた瞬間でしたね。あと、スリップノットを初めて聴いたときには、“こんな音楽聴いたことねぇ!"って思いましたからね! もう、ワクワクが止まらなくて大変でしたもん。“胸が躍るぜ!"って。

──あはははは。でも、すごく解るな、その感覚。私も中学の頃にメタルを知ったときに、胸のトキメキってものを知ったからね(笑)。


団長:ですよね、ですよね! そうなんですよ! それそれ。胸躍らなかった?

Kyrie:う、うん(笑)。俺はスリップノットではなかったけど、たしかに、そういう感覚だな。

団長:そうそう。なんかね、そういう胸が躍る感覚って、最近ないなって思ったんです。最近、胸が躍ってないなって。

──でも、それを言うなら、今回の「THE POWER」を聴いたとき、私は胸が躍ったよ。イントロの、ギターリフ始まりからの、一拍置いたヌケのいい、あのストンと響くドラムのスネアの音なんてのは、“そうそうそう! こういうのこういうの! この感じがたまんない!"って、胸が躍ったけどね(笑)。

団長:マジですか! それ嬉しいです! なかなか自分たちが実際に自分たちの音としてやってると、衝撃を受ける側の聴き方は出来ないんで(笑)。

◆インタビュー続きへ
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