【インタビュー】YOSHIKI、青い血と美しきメロディに刺を忍ばせて

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先日のインタビューに続く、YOSHIKIのロングインタビュー・パート2をお届けしよう。傷を追った手負いのようなYOSHIKI少年が、美しきメロディに刺を持ち、3.11被災の子どもたちに手を差し伸べる真意、そしてX JAPANのリーダーとして、一音楽家としてのストイックな精神性に触れてみたい。

◆YOSHIKI画像

■「こだわりまくりました。墓場です(笑)」

──東京オリンピック決定に沸いた日本でしたが、五輪関係者から楽曲制作に関するオファーがあるとかないとか?

YOSHIKI:まだ7年先ですけど、そんなオファーが来る様なアーティストになるように頑張って行きたいですね(笑)。

──もし実現するとなったら、どれくらいの期間をかけてどんな作品創りに取り組んでいくんでしょう。

YOSHIKI:これまでは、例えば、天皇陛下の奉祝曲(天皇陛下御即位10周年の記念式典)のときは結構時間があったんですね。作曲時間は2週間くらいで書きましたけど、その前にイメージをふくらませる時間があったので。

──曲に対する具体的なリクエストってあるんですか?

YOSHIKI:天皇陛下の時(天皇陛下御即位10周年の記念式典での奉祝曲)は、日本の大きなイベントだったので、誰かがこうしてくれと言っていたわけではありません。ただ、いろんな人からの「こういうイメージもあるかも知れませんね」みたいな話を断片的な言葉を自分の中で吸収していきながら、何が一番合うんだろうと。極端に言うとあの場ではロックバンドが演奏してもおかしくはなかったんです。そういうことをいう人もいました。こちらから「奉祝委員会でイメージありますか?」ときくと、雅楽のような三味線や琴の音が入っているような曲が送られてきたりして「こういうのも有りなのかな?」って考えたりして。そんな中で、自分ではあのようなピアノコンチェルト風の“時代の悲しみ・喜びを表せるような曲”として「Anniversary」を構成しました。

──リクエストがないというのはかえって難しい面もありますよね。

YOSHIKI:大変でしたけど、それが実際に式典になって良かったと自分でも思えた。愛知万博(の公式ソング「I'll be your love」)のときも、明るい未来に向かっていくテーマながら、環境やオオタカの問題(編集部註:会場予定地の海上の森に希少野生動植物に指定されているオオタカの営巣が確認され、会場の変更・縮小に至った)も抱えていましたから、実際に自分で名古屋に出向いて、現地でいろいろ学んだ上で、曲を書かせていただきました。吸収できるものはなんでも吸収したいと思います。そういえば、ハリウッド映画の『ソウ4』主題歌(X JAPAN「I.V.」)もやってますけど、もともと僕、結構ああいうグロイの、キライだったんですよね(笑)。「テーマ曲を書くってことは観なきゃいけないの?」って半分目をつむりながら(笑)

──あんな激しい曲を演っている人が(笑)?

YOSHIKI:結構そういうのダメで(笑)。…だったんですけど、観たらあれはあれで面白いストーリーだなと思って、『ソウ1~3』を観て『ソウ4』の主題歌を書いたんです。「Golden Globe Theme」の場合はキーワードが2つありまして、とても権威のあるものであるということと、一方でアカデミー賞などよりもパーティー形式で、もっとカジュアルであるということ。シャンパンとか飲みながらみんながそれを祝うアワード賞なので。でも本当に時間がなかったから、1週間で3曲書いて「どの方向性ですか?」と意見を聞いて、それを元に膨らませて最終的に仕上がったのは、もうゴールデングローブ賞の1週間前っていう状況でしたね。

──例えスケジュールが厳しくても、成し遂げるために必要なものは“集中力”でしょうか。

YOSHIKI:まあ…あのX JAPANのことを例に出されると申し訳ないんですけど、時期を限ってくれたほうが、逆に僕の場合は力を発揮するのかもしれないですね(笑)。

──それは…

YOSHIKI:今、完全に自爆した(笑)。だって、ここまでって線をひかれたらやるしかないじゃないですか。

──自分の作品では、その線が引かれていないと。

YOSHIKI:そうですね。普通はレコーディング費用の問題とか制約があるんですけど、その費用を自分で作ってしまうのがいけないんですかね(笑)。スタジオを持っちゃっているし。でもスタジオを持っているのはやっぱり武器かな。どんな音楽でも対応できるしね。

──YOSHIKIのスタジオは結構ブースも広いですよね?

YOSHIKI:それって前のスタジオですよね?実は引っ越したんです。というかYOSHIKIスタジオ(仮)というのが、ほぼ完成しているんです。どんな最新の音にもどんなアナログの音でも対応できるというスタジオで。

──へえ、それはすごい。

YOSHIKI:実はその構想は3年くらい前からありまして、この2年間はずっと工事をやってきまして、今9割完成したという状況です。

──またハリウッドですか?最高のおもちゃ箱であると同時に墓場のようなものですね。

YOSHIKI:おっしゃるとおりです(笑)。自分で言うのもなんですけどハリウッドでもTOP10には絶対入るスタジオだと思います。ということは、世界でも多分TOP10に入る。

──当然いろんなアーティストが使うんでしょうから、そこから名盤も誕生するんでしょうね。

YOSHIKI:以前のスタジオでは、KISS、マイケル・ジャクソン等のアーティストに貸出したりもしましたが、新しいスタジオは、他のアーティストには…

──え?貸し出すつもり、ないんですか?

YOSHIKI:今のところ、全セットアップを自分用にしてあるので…はい。どんなハイテクの音でもできるようにシンセも完璧に装備してありまして。ドラムの音も素晴らしく鳴るように、ストリングスも。あ、今回『YOSHIKI CLASSICAL』の「Golden Globe Theme(Quartet Version)」はその僕の新しいスタジオで録ったのです。素晴らしい鳴りでしたね。

──ブースのアンビエンスも素晴らしいと。

YOSHIKI:はい、こだわりまくりました。墓場です(笑)。

──自分で使うのは当然ですけど、開放していろんなアーティストに使わせましょうよ。

YOSHIKI:もともと僕が改造する前は、ミューズとかレッチリとかストーンズ、リアーナも使っていたんですけどね。

──以前のYOSHIKIのスタジオもいいスタジオでしたよね。メタリカとかもレコーディングしていたでしょ?

YOSHIKI:そうですね、あそこはドラムの音が良いという評判だったんです。今回はドラムに限らず何でも良い。前回スタジオを手に入れたときはドラマーとしての観点が強かったんですけど、今回はもっとプロデューサーとしての観点から見ていますね。

──自らの墓場を作ったと。

YOSHIKI:はい、作ってしまいました。X JAPANやVIOLET UKもそうなんですが、多くのプロジェクトが進みすぎてて、他のアーティストに貸し出す余裕が無いんです。今僕がこうしている間もいろんなプロジェクトが動いてて、電話で指示している感じなんで。

■「ちょっと待ってください。まだX JAPANのツアーも正式に決まっていないのに」

インタビュー続き(2/3)
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