NEXUSレーベルのプログレ名盤復刻第三弾は平山照継や五十嵐久勝、ジェラルド、ヴィエナなど

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かつてキングレコードにあったNEXUSレーベルは、80年代の日本のロックシーンを大いに盛り上げた名門レーベルだ。プログレッシブ・ロック、ハードロックを中心に、今もなお国内ロックシーンに多大な影響を与え続ける“日本のロック・レジェンド”が多数在籍し、革新的で芸術的な作品を数多く世に送り出した伝説的なレーベルなのだ。

そして今、NEXUSレーベルとその遺伝子を引き継いで誕生したCRiMEレーベルに残された数多くの名盤が、『プログレッシブ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーブ・コレクション』として次々に復刻され、話題を呼んでいる。2011年に20タイトルが発売されたのに続き、2013年9月4日には、シリーズ第三弾として新たに10タイトルがリリースされた。今回は元ノヴェラの平山照継や五十嵐久勝、ジェラルドやヴィエナといったレジェンドたちの名盤が、ジャケット、オビ、ライナーなど可能な限りアナログLPを再現した紙ジャケ仕様、そしてデジタル・リマスターでよみがえっている。

80年代の国内ロックシーンには、関西から熱い風が吹き続けた。この時代の関西は、ラウドネスやアースシェイカーなど“ジャパメタ”の猛者を多数輩出したことで知られるが、その中心にいたのは間違いなくノヴェラだった。シェラザードと山水館、ともに実力派として多くのファンから注目を集めていた2つのバンドが合体する形で誕生したのがノヴェラだ。ハードロックをベースにクラシカルなプログレッシブ・ロックの要素とポップなメロディを同居させたサウンドもユニークだったし、インスト部分を重視して緻密に構成された複雑な楽曲をライヴでも再現できる強力な演奏力を持っていて、じわじわと人気を高めていった。耽美的なノヴェラのサウンドにマッチした中性的なメイクやファンタジックな衣装など、ビジュアル面にも特徴があり、現在のビジュアル系バンドにも多くの影響を与えている。

そんなノヴェラのメンバーは、サイド・プロジェクトやソロ、脱退後に結成したバンドでも、ノヴェラサウンドを発展させて作り上げたプログレの名盤を発表している。こうした名盤のほとんどが、NEXUSレーベルからリリースされていのだ。それを考えると、NEXUSがいかにすごいレーベルだったかがわかるだろう。

シーンの中心的存在だった本家ノヴェラの名盤は、これまでの『プログレッシブ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーブ・コレクション』ですでに復刻リリースされていて、第三弾となる今回は、元ノヴェラのメンバーのサイド・プロジェクトや脱退後に結成したバンドをはじめ、80年代後半から90年代に活躍したプログレ・バンドの名盤、合計10タイトルのリリースとなった。そのうち主なものをいくつか紹介しよう。

ノヴェラの実質的リーダーでギタリストの平山照継が1985年に発表したソロ第二作目にあたるアルバムが『シンフォニア』だ。変則的な拍子と特徴的な音色のギターからファンタジックにスタートする「13日の金曜日に…」で幕を開けるこのアルバム、ノヴェラのメイン・ソングライターである平山照継の作品だけあってノヴェラに近いテイストだが、ハードロック色が少し薄まっていて、よりファンタジックに、ドラマチックに展開する。「シンフォニア1」のような壮大でクラシカルな大曲も収録されている、ジャパニーズ・プログレの名盤だ。

『パズル』は、中期までのノヴェラでリード・ヴォーカルを務めた“アンジー”こと五十嵐久勝が1984年に発表したソロ作アルバムだ。シンセ・プログラミングやサンプリングを前面に押し出した、80年代という時代を反映した作風になっているが、独特の緊張感があって情熱的なあの印象的なハイトーン、それに抒情的なメロディは、彼ならではのものだ。五十嵐はこれ以外にソロ作を発表していないので、五十嵐ワールドを堪能できる貴重な一枚といえる。

元ノヴェラのメンバーが関わった作品としては、キーボードの永川敏郎が結成したジェラルドの1991年作品『アイロニー・オブ・フェイト』も今回リリースされている。重厚で荘厳な作風の、ジャパニーズ・プログレ・ハードの名盤だ。また、ドラマー西田竜一が参加したヴィエナの『プログレス―ラスト・ライヴ―』も今回リリースされている。西田のほか、ギターに藤村幸宏、ベースに永井敏巳、キーボードに塚本周正という強力なメンバーで結成されたヴィエナの、卓越した演奏力が楽しめるライヴ・アルバムだ。大胆なアレンジを施したホルストの「惑星」のカヴァーは、今も評価が高いナンバーだ。

このほか、クラシックの基盤があるメンバーが集まり、バイオリンを加えたユニークなサウンドが特徴のアウターリミッツや、大山曜のソロ・プロジェクトであるアストゥーリアスの初期三作品、今回が初CD化となるソフィアの『ディファイアンス』も同時にリリースされた。

封入物まで含めてアナログLPを再現した『プログレッシブ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーブ・コレクション』は、コレクターズアイテムとしても魅力的だ。なおこのシリーズは完全限定プレス盤なので、この機会を逃すと入手困難になる可能性が高い。早めにチェックすることをおすすめする。

『プログレッシブ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーブ・コレクション』第三弾リリース作品(2013年9月4日発売)

平山照継『シンフォニア』
テルズ・シンフォニア『ヒューマン・レース・パーティー』
五十嵐久勝『パズル』
ジェラルド『アイロニー・オブ・フェイト』
ヴィエナ『プログレス―ラスト・ライヴ―』
アウターリミッツ『少年の不思議な角笛』
アストゥーリアス『サークル・イン・ザ・フォレスト』
アストゥーリアス『ブリリアント・ストリームス』
アストゥーリアス『クリプトガム・イリュージョン』
ソフィア『ディファイアンス』
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