【ライブレポート】B'z、<B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER->で「25年前、“自分のバンドを作りたいな”とこの人が思わなければ、B'zは誕生しませんでした」

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B'zが9月21日および22日、全国ツアー<B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER->の最終公演を横浜・日産スタジアムで開催した。このツアーは全国24ヵ所全30公演で55万人を動員する巨大規模のもの。オールシングル・ベストアルバム『B'z The Best XXV 1988-1998』『B'z The Best XXV 1999-2012』をひっさげ、2013年6月からはホール公演を、8月からは札幌、名古屋、福岡、大阪のドーム公演を経て、ここ日産スタジアムでそのファイナルを飾る。

◆B'z 拡大画像

開演時間の約3時間前には、日産スタジアムの駐車場に満車御礼が掲げられ、JR新横浜から同スタジアムへ抜ける街並みはB'zグッズに身を包んだファンで溢れかえっていた。もはや街全体がB'zのテーマパーク状態。公式発表によると、2日間合わせて15万人(1日7万5千人)の観客が会場に集結し、1公演の観客動員数としては日産スタジアム史上最多のものとなった。BARKSはその初日、1988年9月21日にデビューを果たしたB'zの、25周年記念日のステージを改めて詳細レポートしたい。

ここ日産スタジアムは2002年日韓ワールドカップ決勝の舞台としても知られる日本最大の会場だ。左右幅100mはあろうかというステージ上には無数のトラスが組み上げられ、そのセットを見ただけでもスケールの大きさを実感できるというもの。午後6時30分、場内にシンフォニックな「OVERTURE」が流れ、ついにステージが幕を開けた。ステージの上手と下手にそれぞれ5本の巨大可動式照明が現れ、その光がやがて天空を照らしクロスする。そして「OVERTURE」のオーケストレーションがギターの音色に移り変わるとステージ上にはローマ数字で25を表す“XXV”の文字が浮かび上がった。さらにはそのモニュメントが炎を上げて燃え上がるというオープニング。目の前でSF映画が現実のものとして起こっているかのような演出は、もはや一大スペクタクル巨編と呼ぶに相応しい。開始から、わずか数分で彼らは7万5千人の心を鷲づかみにしてしまった。

しかし何よりも驚くべきことは、それらをも軽々と超越してしまった生身のB'zが放つ圧倒的な存在感だ。オープニングナンバーはツアータイトルを冠した新曲「Endless Summer」。ソリッドなギターリフが鳴り響き、松本孝弘が舞台下からせり上がって姿を現した。稲葉浩志は、そのギターサウンドに身を委ねるように頭を激しく振りながらせり上がると文字通り会場が揺れる。2曲目に演奏されたのは「ZERO」。そのエンディングでは松本がドリル・プレイを披露して場内の熱気をより高めた。

「B'zの……」とは稲葉のMC第一声だが、言葉を遮るように松本がすかさず咳払いを。ステージ上手に歩みを進めた稲葉が、松本の用意していた小型万国旗のようなものを引き出すと、そこには「B'z」「の」「ラ」「イ」「ブ」「ジ」「ム」「に」「よ」「う」「こ」「そ」なる文字列が記されているという仕掛けが。これには拍手と笑顔の和が場内に広がる。そして、「B'zのライブジムにようこそ!」との稲葉の叫びに続いて「Pleasure2013~人生の快楽~」へ。ここで余談をひとつ。そのイントロで下手の最先端まで全力疾走した稲葉の、その直後にもかかわらず一切乱れぬボーカルワークは、脱帽ものの強靱な安定感をみせていた。

前述した通り、このツアーはB'zのデビュー25周年を記念して行われたものだ。演奏された全22曲は過去から現在までのシングルヒット曲を中心に、コアに愛され続けるナンバーのそろい踏み。16ビートが軽やかな「LADY NAVIGATION」やスカ調のリズムが強調された「太陽のKomachi Angel」などの大ヒット曲は、夏の野外で聴いたら盛り上がらずにはいられない。一方で、ピアノの調べに乗せて稲葉のエモーショナルなフェイクから始まった「ねがい」は歌詞に合わせるように照明が「赤から黄色 白から黒へ」切り替わる美しき光を描き、「GOLD」では会場を金色に染めて楽曲の世界に寄り添う演出をみせた。松本による新曲にしてインストナンバーの「Rain」は、まるで絵画的。早い話が放たれる音の表現力が圧倒的に高いのだ。25年のキャリアに裏打ちされたプレイの数々は、その細部に至るまで圧巻の一言に尽きる。

「屋根がないので一段とキャンプな雰囲気を醸し出してますね。今日はキャンプファイヤーセットを用意してきました(笑)」と稲葉がステージ上にセットされた小さなレンガ囲い(を装った例の井戸)に火を灯す。松本のセミアコによるムーディなBGMをバックに、稲葉はこう続けた。「今日は9月21日です。ちょうど25年前のこの日、僕たちがデビューしたということで。こうして続けてこられたのもひとえに、みなさんが愛して聴いてくださったおかげだと思っています。ありがとうございます」。そして、「25年の我々に相応しい曲を」という言葉に続いて演奏されたナンバーは「あいかわらずなボクら」だった。1991年リリースのアルバム『IN THE LIFE』に収録された同曲は、原曲からしてアコースティックギター中心のアットホームなナンバーだ。巨大LEDモニターには、カラオケ映像を模した歌詞が映し出されて場内爆笑……だが、さらなる驚きはその後に。松本孝弘の歌い出しを皮切りに、サポートメンバーであるキーボードの増田隆宣、ベースのバリー・スパークス、ドラムのシェーン・ガラス、ギターの大賀好修が歌をリレーしていくというアレンジが施されていたのだ。また、稲葉と増田を除いて、全員がアコースティックギター(松本はセミアコ)を抱えた演奏は、それぞれのソロがフィーチャーされ、エンディングでは稲葉のブルースハープが「赤とんぼ」を奏でるというものに。なお、カラオケ映像の最後は“消費カロリー:25th kcal”が表示されるという芸の細かさもあった。

オープニングから7万5千人の度肝を抜いた演出だったが、極めつけは「愛のバクダン」だ。ステージ奥のカーテンが開き、そこから全長19メートルにおよぶ巨大飛行船が姿を現したのだ。会場内上空を遊覧する飛行船がばらまいたのは、ハートのカタチを模した小さな紙飛行機だった。ここにも歌詞をなぞる素晴らしき演出があったことを記しておきたい。大がかりなステージセットや凝った演出で観客を楽しませるアーティストはたくさんいるだろう。しかし、これほどまでにロックの熱狂をまとうのがB'zなのだと感じずにはいられない光景があった。

後半は息もつかせぬ怒濤の勢い。広大なスタジアムというシチュエーションにもかかわらず、凄まじい音圧が身体を襲う。しかしこれはただ単に音が大きいという次元の話ではない。「NATIVE DANCE」のド頭に響き渡ったシェーン・ガラスのバスドラムを聴いただけでもそれはすぐに分かった。1音1音の破壊力がハンパないのだ。そのバスドラにバリー・スパークスの超人的なベースプレイが乗り、力強いリズムを弾き出すとシーケンスや打ち込みでは太刀打ちできない生のリズムのウネリが巻き起こる。大賀好修のギターは静と動の場面を自在に操り、増田隆宣の鍵盤は重厚にしてヒステリックだ。絶大な信頼を置けるサポートメンバーの存在があるからこそ、松本孝弘のギターと稲葉浩志のボーカルは、自由にその上を泳ぎ回ることができるのだろう。

それらステージと一体となった会場全体は、まるで生きているかのように鼓動する。広大な空間がひとつとなった7万5千人、1人1人の一挙一動が熱い。「ギリギリchop」では、その光景を祝福するかのようにステージ上のそこかしこから火柱が上がり続けた。タンクトップ姿の稲葉の身体が大量の汗で光る頃、その夜のテンションも最高潮に達する。本編ラストは「RUN」。“飛べるだけ飛ぼう 地面蹴りつけて”と歌うこのナンバーを前に、稲葉は「みなさんが僕らのモチベーションなんです」と観客に感謝を告げ、続けてこう語った。

「火が点いたまま次に向かっていきたい。人によっては悪あがきというかもしれません。でも、あがいていると気づくこともある。我々、あがき続けようと思っています。火が点いたと思える瞬間があれば、どうかその火を灯し続けてください。この先もいろいろなことが起きるでしょう。でも、火さえ点いていればまた会えますから。いつまでもピカピカに輝き続けることを祈っています」

25周年を飾るステージは、聖火の点火式のような幕開けから、「今日もみんなのハートに火が点く演奏をしたいと思います」と序盤のMCで宣言、最後にはその火を絶やさずに灯し続けて次へ向かうことを約束してくれた。ショウ的な見せる要素に加えて、曲をしっかりと聴かせるライブは「25年前、“自分のバンドを作りたいな”とこの人が思わなければ、B'zは誕生しませんでした。ON GUITAR TAK MATSUMOTO!」という紹介から松本のギターがイントロを奏で、「RUN」を披露して本編の幕を閉じた。興奮冷めやらぬアンコールは「juice」と「ultra soul」。燃えさかるようなナンバーに観客は身を委ねている。そして、楽曲のエンディングに続けて打ち上げられた2500発の花火。間近で見る花火の美しさと激しさに、この日のB'zが重なった。26年目をスタートさせた彼らの輝きは今後ますます磨かれていくことだろう。彼らを信じて待ち望んでいる人たちのために。

取材・文◎BARKS編集部 梶原靖夫

■<B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER->
2013年9月21日(土)、22日(日) 日産スタジアム公演 セットリスト
〔OPENING〕
OVERTURE

1. Endless Summer
2. ZERO
3. Pleasure2013~人生の快楽~
4. LADY NAVIGATION
5. 太陽のKomachi Angel
6. ねがい
7. さよならなんかは言わせない
8. GOLD
9. C'mon
10. Rain
11. 核心
12. あいかわらずなボクら
13. 愛のバクダン
14. イチブトゼンブ
15. LOVE PHANTOM
16. Q&A
17. NATIVE DANCE
18. さまよえる蒼い弾丸
19. ギリギリchop
20. RUN

〔ENCORE〕
1. juice
2. ultra soul

■<B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER->
全国24ヵ所30公演/総動員数約55万人
【ホールツアー】
6/15(土)都城市総合文化ホール 大ホール (宮崎)
6/16(日)薩摩川内市川内文化ホール (鹿児島)
6/18(火)市民会館崇城大学ホール (熊本)
6/19(水)鳥栖市民文化会館 大ホール (佐賀)
6/24(月)隠岐島文化会館 (島根)
6/26(水)とりぎん文化会館 梨花ホール (鳥取)
6/27(木)豊岡市民会館文化ホール (兵庫)
7/05(金)南魚沼市民会館 大ホール (新潟)
7/07(日)キッセイ文化ホール 大ホール (長野)
7/09(火)富士市文化会館ロゼシアター 大ホール (静岡)
7/11(木)多治見市文化会館 大ホール (岐阜)
7/16(火)明石市立市民会館 アワーズホール (兵庫)
7/17(水)丸亀市民会館 (香川)
7/19(金)ひめぎんホール メインホール (愛媛)
7/22(月)リンクステーションホール青森 (青森)
7/24(水)盛岡市民文化ホール 大ホール (岩手)
7/26(金)名取市文化会館 大ホール (宮城)
7/29(月)山形県県民会館 (山形)
7/31(水)會津風雅堂 (福島)
【スタジアムツアー】
8/24(土)札幌ドーム
8/29(木)ナゴヤドーム
8/31(土)ナゴヤドーム
9/01(日)ナゴヤドーム
9/07(土)福岡 ヤフオク!ドーム
9/08(日)福岡 ヤフオク!ドーム
9/12(木)京セラドーム大阪
9/14(土)京セラドーム大阪
9/15(日)京セラドーム大阪
9/21(土)日産スタジアム
9/22(日)日産スタジアム

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