【連載】山崎あおいの“山崎あつい” 第4回「一人旅」

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山崎あおいの“山崎あつい”。夏の「暑さ」は9月に入ってだいぶマシになり、秋を感じる近頃ですが、大学生の私、つい先日まで夏休みを満喫しておりました。

この夏、私が初めてしたこと。「一人旅」。
日頃、Facebookなどで大学生が「○○へ行って価値観が変わりました」などと言ってしまっているのを「そんな一瞬で変わるわけないでしょ」と冷めた目で見てしまう側の人間の私ですが、今回はちょっとそんなことも期待して、弾丸、京都へ一人旅に行ってきました。

自分一人で宿を予約したことも、新幹線のきっぷさえ買ったことのない私。「なんとかなるでしょ!」という自信のもと、なぜか行く手段も、帰る手段も、泊まる場所さえも決めずに家を出てしまいました……恐ろしい。しかしスマホがあればなんとかなるものです。旅で見つけた新たな価値観1つめ、「スマホは信仰に値する」。

無事に予約できた宿は、海外からの観光客が主に泊まる、4人相部屋のゲストハウス。幼い頃から人見知りのしすぎで損をしてきた私ですが、一人旅の勢いで、海外のルームメイトさんに積極的に流暢な英語で話しかけ、「Oh! Are you Japanese singer? Wow! Amazing!!」となり、国際交流が始まり、海外で山崎あおい人気に火が付く……的なのは完全なる妄想。

そんな状況に自ら飛び込む勇気はあったものの、そこまでだったようで、実際は相部屋だった他3人の顔すら見ていません。ルームメイトの台湾人姉妹(宿の人に聞いた)の荷物を眺めながら、「台湾人も昆布のお菓子とか食べるんだ……。」と思うだけでした。旅で見つけた新たな価値観2つめ、「台湾人が昆布を食べないとか、決めつけるべきじゃない。」

しかしそんなグダグダな旅も意外となんとかなるもので、2日目にはきちんと観光地を巡り、無事に夜行バス(大学生っぽい!)を予約して帰ってくることができました。後日、「意外と私出来る子じゃん!」と調子にのって、今度は友人とふたりで日光にいきましたが、旅開始10分で財布を落として素敵なおじさまが見つけてくれるというトラブルを起こしましたが、これはいつものこと。

寝るところ、食べ物、移動手段を自分で手配すると、急に一人で生きていけるような気分になるんですね。実際一人で生きていけるなんて思いませんが、自分のお金で、自分の力で「生きていくことの基礎」にあるものを用意することができたとき、「一人でも死ぬことはないかな」と思いました。

小学生のころは母親に怒られて「家出する!」と言っても、どこにも行けずに夕方には家に帰ってしまっていたけれど、今だったら一生家に帰らない本格的な家出も出来てしまうんだなあ、とか。大人になったということですね。親の同意書なしでどこでも行けて、どこでも泊まれてしまう訳ですから。

結局、旅に出て価値観が変わることはなかったけど、意外と自分が大人になっていることに気付いて、もっといろんなことが出来るような気分になった、そんな旅でした。

と同時に、自分の行き当たりばったりすぎる性格にも気付くことが出来たので、この性格を直さない限り、海外旅行には行けないだろう……と思います(笑)


text by 山崎あおい

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山崎あおい
4thシングル「恋の予感」2013.11.13 Release!!

気づいたこの想い、高鳴るこの胸。 それはきっと、「好き」のはじまり。
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◆BARKS新人アーティスト
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