【インタビュー】Loe、ドラム&ヴォーカル率いる異色3ピースが1st EPリリース「ノンストップです。止まってるように見せたくないから」

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おそらく実際にライヴを観るまでは、このLoeというバンドのヴォーカリスト=山口篤が、ロック界屈指の手数と熱量を誇る爆裂ドラムを叩いている人と同一人物とはなかなか信じ難いに違いない。それだけ彼のドラム&ヴォーカル・スタイルはメロディアスでエネルギッシュで、それ自体がひとつの鮮烈な表現として成立しているということだ。
“メンバー全員がヴォーカル”という独特のフォーマットで注目を集めたロックバンド=Naifuのドラマーだった山口が、Naifu解散後、安井剛志(G)、大浦史記(Piano・Cho)とともに2012年に新たに結成したのがLoeだ。ピアノ、ギター、ドラム&ヴォーカルという編成からダイナミックで清冽なアンサンブルを繰り出す異色の3ピース・バンドはいかにして生まれたのか。10月、12月、2014年2月と立て続けにEP三部作を世に放つLoeの、まずは1st PIECEとなるデビュー作──10月23日にリリースされる4曲入りEP「放つ音」を通して、その成り立ちと音楽性に迫ってみることにしたい。

◆「掌のアンドロイド」ミュージックビデオFull ver.

■どうしてもクラシックのピアニストがよかったんです──山口
■僕の想像するドラム&ヴォーカルっていう感じじゃなかった──大浦

──先ほど東京初ライヴを見せていただいたんですけど。演奏も歌も、すごい熱量ですよね。

山口:ありがとうございます。スポーツみたいだなと、自分では思ってるんですけど(笑)。

──そもそもLoeというバンドを新たに立ち上げるに至ったいきさつは?

山口:僕がずっと、いくつかバンドをやってきて……曲はずっと作り溜めてたんですけど、前やってたバンドと雰囲気が違うので、ここでは使わないでおこうと思っていて。バンドを辞めた後、本当はずっと楽曲提供だけで生きて行こうと思ってたんですけど、なかなか僕自身が有名じゃないので、使ってほしいアーティストさんに使ってもらえないっていうこともありましたし。そんな中で、曲だけがどんどん溜まっていって、すごい悩んでたんですけど、「やっぱり自分で歌うのがいいな」と思って。特に、ドラム&ヴォーカルができるんじゃないかなあと自分でも思ってたんで、とりあえず形にしていこうと。あと、自分ではピアノ・ロックがすごく好きなので。the HIATUSさんみたいな雰囲気も大好きで。それでバンド・メンバーを探している中で、集まってきてくれたのが今のメンバーですね。

──安井さんと大浦さんにはどういうきっかけで出会ったんですか?

山口:ギターの(安井)剛志は、僕がよく行くライヴハウスのスタッフをやっていて。そこは僕がよく出演していたライヴハウスでもあって、ローディー的に動いてくれていたんです。で、彼は彼でバンドを……メタルのバンドをやっていて、「いいなあ」と思ってメンバーになってもらいました。

──ちなみにメタルって、安井さんはどのあたりのアーティストがお好きなんですか?

安井:ずっと昔から好きなのはイングヴェイ・マルムスティーンなんですけど。ランディ・ローズとか、ザック・ワイルドとか、そっち系のギタリストも大好きですね。

山口:大浦くんは……彼は福岡から上京したんですよ、まず。福岡から歩いて東京まで行ったんです(笑)。

大浦:リヤカーにキーボードを積んで、東京まで歩いたんです。それが10代の最後くらいですね。頭のおかしい10代でした(笑)。途中でいったん大阪に立ち寄ったんですけど、そこでいとこがミュージシャンやってまして。「もし今後音楽をやるんだったら、ぜひ大阪に来ないか」と言われていたので、東京に一度歩いて行った後に、また大阪に戻って……そこは新幹線なんですけどね(笑)。大阪でインディーズとして何年か活動した後に、とあるバーで今の会社のディレクターさんと会う機会があって。それで紹介してもらったんです。

山口:僕はどうしてもクラシックのピアニストがよかったんです。力強いオブリガードとかを弾ける人、坂本龍一さんみたいな人がロックバンドをやるような世界を作りたくて。そういう世界に彼はピッタリだったので。「ぜひLoeに入ってくれ!」って。

──メタル畑のギタリストとクラシック畑のピアニストがいる3ピース・バンドっていう時点で、かなり不思議な組み合わせですよね。安井さんも大浦さんも、全然音楽性は違うけど、山口さんがLoeでやろうとしている音楽には惹かれたわけですね。

安井:山口さんのデモを聴いて、“これはやったことがないけど挑戦してみたい!”と。新しいことをしてみたいなっていう気持ちもあったので、頑張ろうと思いました。

大浦:僕もデモきっかけで“やってみようかな”って思いましたね。ドラマーの書くような曲じゃないなと思って。すごくメロディックじゃないですか。ロックではあるんですけど、歌モノとしての王道的な要素もあって。僕の想像するドラム&ヴォーカルっていう感じじゃなかったんです。そこが面白いなと。もっとラウドで、シャウトして、インストみたいに声を使う、みたいな音楽を想像してたんですけど、そうじゃなかったんですよね。そこがよかったんです。

◆インタビュー(2)へ
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