【ライヴレポート】<LOUD PARK 13>総まとめ第1日目、熱く新鮮なステージを楽しめたSTONE TEMPLE PILOTS他

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▲LOST SOCIETY

▲CROSSFAITH

▲DEVIN TOWNSEND PROJECT

▲THERION

▲LORDI

▲LYNCH MOB

▲BEHEMOTH

▲CARCASS

▲ANGRA

▲EUROPE

▲STONE TEMPLE PILOTS with Chester Bennington
2010年以来の2日間開催が復活となった今年の<LOUD PARK>。台風の影響か、かなり冷え込む曇り空の下、朝からたくさんのヘヴィ・メタル・ファンが今か今かと開演を待っている。開場後、走らないように制する係員の声にも待ちきれずに、グッズ売り場目掛けてダッシュする観客たち。早くもグッズ売り場は長蛇の列。通路には様々な飲食店の出店もあり、ライヴの合間の空腹を満たせてくれそうだ。オフィシャル・バーではセクシーな女性店員がお出迎え。お祭り気分が盛り上がる中、お目当てのアーティストTシャツに着替えて、さあ<LOUD PARK 13>初日の開演だ。

◆<LOUD PARK 13>~拡大画像~

場内に入ると、ステージは客席から向かって左側に「ULTIMATE STAGE」、右側に「BIG ROCK STAGE」となっており、間にスクリーンを配している。交互にバンドが出演する形態をとっているため、転換のストレスが無いのが特徴だ。早くもアリーナには多くの観客がステージ前に陣取っている。「メタルヘッズのみなさん、おはようございます!MCのマツコデラックスです!冗談です!」とMCのBooが登場して笑わせる。注意事項を読み上げつつ観客を煽る。いよいよ開演だ。

すぐさま場内が暗転するとまずBIG ROCK STAGEの記念すべきオープニングを任されたLOST SOCIETYが登場。フィンランドから現れたニューカマーの彼らはなんと全員ティーンエイジャー。しかしとてもそうは思えないテクニックを見せつける。さすがメタル王国、北欧のキッズは違う。グッズ売り場から急いで駆けつける観客でアリーナ前方は早くも揉みくちゃだ。

続いてULTIMATE STAGEにはCROSSFAITHが登場。日本勢ということもあり、大きな拍手で迎えられた。ステージに上がると、銃弾のようなベース音で体が撃ち抜かれるようなサウンドを披露。スペイシーなキーボードの音が他とはひと味違う。ラスト2曲、ダンス・メタルとでも呼びたくなるサウンドは出色の出来だった。「さいたま!ラウドパーク!行けるよなー!?」とボーカル・Koieに煽られ拳を掲げるファンたち。午前中の気だるい雰囲気はラウドパークには一切感じない。はなっからテンションが高いファンが多い。アリーナには若者が多く、スタンドには40代、50代の観客も多くいるようだ。ヘヴィ・メタルが必ずしもユース・カルチャーではないことがわかる。

ベテラン、DEVIN TOWNSEND PROJECTは出演者の中では比較的落ち着いたプログレッシヴ的な世界観も感じさせるサウンドを聴かせてくれた。背後のスクリーンに映した次々に姿を変えていくアニメーションも楽しい演出だった。

この日唯一の女性ボーカルを擁するTHERIONがステージに。白塗りフェイスの男性ボーカルの低音と対照的なハイトーン・ボイスに多少フェス中盤の疲れが漂い出した場内の空気が締まる。シンフォニック・メタルのイメージがあるが、オリエンタルなサウンドにもなかなかの味わいだ。

フェス中盤、注目を浴びたのがLORDI。そのモンスター然としたおどろおどろしいビジュアルと、刺さくれ立つソリッドなギターを中心としたサウンドで多くの観客をアリーナに引き寄せた。途中ティアラを頭に乗せて歌う茶目っ気も。

ジョージ・リンチのプロジェクト、LYNCH MOBは、リンチの往年の虎柄ギターから繰り出されるテクニカルなフレージングを堪能できた。

続いてはラウドパーク初参戦となるBEHEMOTH。登場するや否や機関銃のごとくボトムの連打を響かせ、その悪魔的な音像にモッシュピットで狂喜乱舞する観客たち。

そして、17年ぶりのスタジオ・アルバムを9月に発表したばかりのCARCASSにはオープニングから大歓声が起こり、早くも大盛り上がりだ。「Buried Dreams」から始まったライヴは重厚なサウンドと、これぞデス・メタルといわんばかりのボーカルが詰めかけたアリーナの観客に叩きつけられる。アリーナに立っていると、地を這うような重低音に、内臓が揺さぶられて体がバラバラになってしまうような感覚さえ覚える。怒涛のヘヴィ・サウンドでたっぷり60分のステージに観客も満足した様子だ。曲中の“人体解体映像”には少々目を背けてしまったが…。

フェスも後半となり、スタンドにもかなりの観客が席を埋めている。だが、多くのファンは両ステージのトリを飾るバンドを少しでも近くで体感しようとアリーナに集結。徐々にステージ周辺の人だかりが後方まで広がり出した。間髪入れずブラジリアン・メタルバンド、ANGRAがステージに登場。前のめりなビートとメロディアスな曲調でアリーナ全体を巻き込む遠心力を見せた。「ミンナニ、アエテウレシイ!」と日本語のMCには大喝采だ。美声で観客とのコール&レスポンスを成功させたり、日の丸をマントにしてステージを駆け回りながら歌うなど、サービス精神満点だ。ボーカルの歌の上手さに唸り、バンドのハーモニーも見事だった。演奏が終わりエンディングSEが流れる中、日本とブラジルの国旗を並べて持ち深々と礼をする姿は感動的ですらあった。

BIG ROCK STAGEのトリを務めるのはEUROPE。世界規模で大成功を収めている大ベテランバンドだけに、さすがに多くの外国人のファンの姿も見える。いきなりステージが明るくなるとバンドが登場。「Riches to Rags」でライヴはスタート。黒いスリムパンツと革ジャンに身を包みマイク・スタンドを掲げて歌うボーカル・ジョーイ・テンペストの姿は80年代ハードロック・テイストを感じる。今年デビュー30周年。紆余曲折を経て現メンバーで再出発を果たしてからはタフな活動を続けている彼らの演奏は、良くも悪くもラウドパークの出演者の中ではオールド・スクールだが、ソロ・コーナーで聴かせてくれたジョン・ノーラムのレスポールから繰り出されるエモーショナルなソロは絶品だった。そしてラスト、必殺の大ヒット曲「The Final Cowntdown」のイントロが飛び出すと、この日最大の大歓声!会場中の観客が一体となって両手を高く掲げて手拍子、大合唱する光景は壮観。この大ヒット曲を生で聴けていることに鳥肌だ。演奏が終わると「ファンタスティック!マタ、アオーゼ!」とジョーイが叫び、大きな拍手の中、ステージを後にした。

いよいよラウドパーク初日ヘッドライナー、STONE TEMPLE PILOTS with Chester Benningtonがステージに。チェスターがバンドに加入後、初の来年となるだけに、果たしてどんなライヴを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。インストのビートルズナンバーをSEにバンドが入ってくると大歓声が起こる。ヒゲをたくわえたチェスターがゆっくり歌い出し「Down」でライヴがスタート。チェスターのボーカルは普段より重くじっくりと歌い込んでいるように聴こえた。

MCで観客に呼びかけ、「Vasoline」をともに歌い出すとモニターに足をかけ徐々に熱くなり熱唱するチェスター。バンドもヘヴィなビートを叩き出す。アリーナの観客から「S.T.P!S.T.P!」とコールがあがり、バンドも呼応するように乗りの良い曲を次々プレイ。「Sex & Violence」で本編を終了し一旦ステージを後にしたものの、観客からの「S.T.P!S.T.P!」コールに再びステージへ。

アンコールは3曲。「Wicked Garden」等、一際ラウドなサウンドを投下してライヴを終えた。チェスターのStone Temple Pilots参加への意気込みが随所に感じられた力のこもった演奏。迎えるファンの温かさもあり、素晴らしいライヴとなった。所謂ヘヴィ・メタル・バンドではないだけに、ラウドパーク初日のヘッドライナーに疑問を呈する声があったことも事実だが、話題性もあり新鮮なステージを楽しめたことでラウドパーク初日を見事に締めてくれた。

8年目という、成熟したフェスの安定感と、メタル・ファンにとって唯一無二の信頼出来るお祭りであることを感じさせてくれた、ラウドパーク初日であった。

取材・文●岡本貴之

2013年10月19日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
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