映画『受難』、良いも悪いも滑稽も美しいも醜いも大友良英の音楽で

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女子のアソコに人面瘡ができ、その人面瘡から「お前はダメな女だ!」と日々罵倒されるという謎すぎる姫野カオルコ原作の映画『受難』はご存知だろうか。

◆映画『受難』予告編

「女優岩佐真悠子がフルヌードの体当たり演技により、剥き出しの性を過激にコミカルにピュアに真正面から描く」…というキャッチコピーが目に飛び込むが、BARKSが注目したいのはフルヌード…ではなく、奇想天外ながらも性と愛の本質に迫る映画『受難』を、あるときはコミカルにあるときはしっとりと彩る音楽の世界だ。そう、映画『受難』の音楽を担当しているのは、「あまちゃん」を手掛けた大友良英なのだ。

製作時期が「あまちゃん」と並行していたという裏事情も手伝い、本人曰くに“われながら似てるなっ”という音楽が、ほっこり笑顔を誘ったりもする。

「実はあまちゃんの音楽をつくるのとまったく同じ時期に合間を縫って受難の音楽も作りました。われながら似てるなって思います。すいません。でも、映画のおかげで、似たような音楽なのに全然違う世界に向けて扉をひらいてくれてます。ほっとしました。扉の向こうはわたしの大好きな世界、みなさんも扉の向こうをのぞいてみてください。」──大友良英

「映画が終わった瞬間、一体どんな音楽が流れるのだろう?という事から今回は考えていました。その時ふと、大友さんのお名前が浮かんだのです。良いも悪いも滑稽も、美しいも醜いも色々なものが詰まったそんな楽曲。そういうものが映画の中で響いてくれたら嬉しいとお伝えした覚えがあります。あがって来た楽曲はとても素敵でした。デモから実際の演奏、録音、ミックスと、工程を経る毎に変化し増殖していく様を見るのもとても楽しかった。『受難』の音楽は大友さん以外ありえません。」──吉田良子監督

1959年生まれの大友良英は、ノイズミュージックやフリー・ジャズの分野で作品を発表する一方、様々なバンドでギターやターンテーブルを担当。また映画音楽、テレビドラマの劇伴などの作曲も数多く手がけ、カヒミ・カリィや浜田真理子等ポップシンガーのアルバム・プロデュースも手がけている。2011年、東日本大震災を受けて遠藤ミチロウ、和合亮一等とともに『プロジェクトFUKUSHIMA!』を立ち上げ、<フェスティバルFUKUSHIMA!>の開催をはじめとした活動を継続的に行っている。2012年には『プロジェクトFUKUSHIMA!』の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽で一躍注目され、「大友良英あまちゃんスペシャル・ビッグバンド」を率いて全国でコンサートを行っている。


映画『受難』
天涯孤独でずっと修道院生活育ちの汚れなき乙女、フランチェス子(岩佐真悠子)。社会に出てもどうして男女は付き合うのか?なぜセックスをするのか?という疑問に真剣にぶつかり悶々とする毎日。そんなある日、彼女のオ××コに突然、人面瘡ができます。しかもその人面瘡は、「お前はダメな女だ!」と主人である彼女を日々罵倒する相当にひねくれた人格の持ち主。ところが彼女は人面瘡を“古賀さん”と名付け、罵詈雑言を浴びながらもけなげに共同生活を送ることになります。
原作は、「ツ・イ・ラ・ク」「ハルカ・エイティ」「リアル・シンデレラ」と並び、直木賞候補になること4回を数える人気小説家・姫野カオルコの同名小説更に本作は姫野カオルコ初の映像化となる記念すべき作品となった。とにかくアソコの描写が頻繁に登場するだけに映像化は100%無理だろうと言われた原作を新鋭・吉田良子監督が果敢に挑戦。主演はグラビアアイドルで頂点を極め、女優として活躍の場を広げる岩佐真悠子。とてつもない難役をフルヌードも辞さず演じ切り“女優魂”を見せつけた。そして「あまちゃん」で一世を風靡したことが記憶に新しい大友良英が音楽を担当。様々な個性がぶつかり合い生み出された本作は、過激でありながらどこかピュアな世界観で、あなたに性と愛の本質とは何かを問いかけます。
岩佐真悠子/淵上泰史 伊藤久美子/古舘寛治
原作:姫野カオルコ「受難」(文春文庫刊)
監督・脚本:吉田良子
音楽:大友良英(「あまちゃん」)
2013年12月7日、ロードショー
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