【インタビュー】MUCC、シングル「World’s End」リリース「MUCCが鳴らす音楽には陰が欲しい。陰がないと光の部分は誰にも見えない」

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突き抜けるダイナミズムとキャッチーなメロディ、そしてMUCCならではのエッジと陰も内包して、シングル「World’s End」が10月30日にリリースされる。テレビアニメ「メガネブ!」のオープニングテーマとして現在放送中の同曲はさまざまなジャンルを吸収して進化してきたMUCCが、あらためて自分たちの表現すべきことに向き合って制作されたものだ。純度の高いエナジーと熱量──それらがタイトル曲のみならず、カップリング収録された楽曲たちから溢れ出していることを感じられるはず。15年目の彼らの、核心と確信が詰まったサウンドが描くコントラストは光と陰をより激しく反射した。「音楽を表現する上で、自分たちの核になるものが定まった」というバンドの“今”に迫る。

◆『World's End』ミュージックビデオ (short ver)

■鼻歌でアコギを弾いて曲を作ったのは初めてかもしれない──ミヤ
■昔のMUCCに近い空気感はあるのかな──達瑯

──テレビアニメ「メガネブ!」のオープニングテーマ曲「World’s End」はメロディもギターリフもフックがあってキャッチーで、突き抜ける痛快さと尖った部分が同居している。アニメとのリンクも考えて作った曲なんですか?

ミヤ:アニメのリンクについては先方からのオーダーがあったら考えたと思うんですけど、もともとあった曲を「このまま使いたい」って感じのオファーだったんです。シングル用に書いた曲ではあったんですけど、最初はフォークソングを作ろうと思っていて。

──フォークソングだったのが、アレンジしていく過程でバンドサウンドになったっていう?

ミヤ:そうですね。

──そもそもなぜフォークソングだったんですか?

ミヤ:今回って“コードとメロディだけで曲を作ろう”という決まり事を設けた上でメンバーが作曲期間に入ったんですよ。企画みたいなものなんですけど、これだけ長くバンドをやっているので、遊び心で縛りを作ってみてもいいんじゃないかって。タイトルもあらかじめ全員で100個ぐらい言葉を出して、そこから10個ぐらい候補を絞ったんです。その中だったら、どのタイトルを選んで曲を書いてもいい、みたいな。だから、「World’s End」っていうタイトルありきで曲を書いたんです。結果、自分の書いた曲が採用されたけど、実はYUKKEとSATOちも同じ「World’s End」っていうタイトルで曲を書いてきていて、それぞれ全然違うタイプの曲だったから面白かったですね。

──そうやってルールを決めて、みんなが曲を作ったのは初めてのことだったんですか?

ミヤ:タイトルを先に決めて作ったのは初めてですね。で、なぜフォークソングだったかっていうと、アコースティックギターで作る曲はメロディが良くなきゃ成立しないだろうと思ったからなんです。ふだん曲は、コードやギターのリフを考えてエレキギターを録音してから作るので、鼻歌でアコギを弾いて作ったのは初めてかもしれないですね。結果、メロディが際立った曲になったので、良かったですけどね。

YUKKE:リーダーがギター1本と歌だけでデモを持ってくること自体、初めてでしたからね。最初、聴いたときからつかまれるキャッチーさがある強い曲だった。

SATOち:だから、バンドサウンドのアプローチになっても、デモと完成した音源の印象がそんなに変わらなかったんですよ。ギター1本でも伝わってたんだなって。

──達瑯さんは曲をどう解釈しましたか? 世界の終りを歌っても、手を広げて歌っているようなダイナミックで突き抜けたヴォーカルだなと思ったんですが。

達瑯:俺の解釈だと真逆かな。自問自答しているような内に向かっている歌詞で、“これでいいのか?”っていうあきらめや煮えきらない気持ちを“船”にたとえて世界を映し出しているようなイメージなので。両手を広げて外に向けてメッセージを発しているというより、“俺の心の中のモヤモヤ、誰か聞いてくれよ”って感じに近いかもしれない。

──歌詞には葛藤が感じられるけれど、鬱々とした内省的な歌ではないなと思ったんですよ。

達瑯:確かに、悩みとか不満をぶつけている爆発力はあるかもしれない。俯瞰で見て淡々と歌う箇所から、だんだん視点が移っていってサビのエモい箇所に移行するっていう、そのあたりの気持ちの入れ方は昔のMUCCに近いかもしれないですね。実際、「この曲、MUCCっぽいね」って言われることがすごく多いんですけど、そういう空気感はあるかな。


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