【インタビュー】SUGIZO、ソロツアーに向けて──「細胞や魂が震える音楽を生み出していきたい」

ツイート

■ネガティヴが浄化されて次のレベルにステップアップできる
■何か気づきを促せるような音楽を生み出したい

──それはソロでのギターにも通じていますね。12月23日の神戸を皮切りにSUGIZOとしての約1年ぶりのツアー<THRIVE TO REALIZE〉が決定しましたが、現時点でのライヴの構想を教えてください。


▲『VESICA PISCES』
SUGIZO:今年は最新リミックスアルバム『VESICA PISCES』の世界観を中心にライヴを繰り広げてるんです。今のメンバーはマニピュレーター、パーカッション、俺っていうトリオ編成で、ミニマムな構成なんだけど、音はすごくゴージャス。そこを目指してやってきたので、12月のツアーは今年のスタイルの総集編になると思います。

──トリオ編成でイベントにも出演していましたけれど、メンバーを紹介していただけますか?

SUGIZO:トラックメイカーであり、マニュピレーターでもあるMaZDA氏は、ここ3年ぐらい一緒に音を創っていて、俺の重要なキーパーソンですね。'90年代から日本のサイケデリック/トランスシーンを牽引したUNIの頭脳でもあり、俺も彼のソロ作品でギターを弾いていたり、普段から仲のいい飲み友達でもある。パーカッションのよしうらけんじ氏はかれこれ10年ぐらい一緒にやっいて、古くは自分のジャムバンド、SHAGからの付き合い。ソロプロジェクト“COZMIC DANCE ORCHESTRA”にも参加してくれているし、いちばん波長の合うパーカッショニストですね。お互い子供の頃からYMOフェチだったこともあって音楽性も共通するところがあるんです。野生的な部分と音楽的にアカデミックな部分を持ち合わせている。今回は、このメンバーで必要最少限の楽器とシステムを使って、最大限の表現をすることがテーマ。それがすごく面白いんです。同時にステージでは、ZAKROCKによる映像がとても重要なファクターになっています。

──ツアーで、新曲を披露することもありえますか?

SUGIZO:予定はないですけれど、今までやったことがない曲はやると思います。あとは3人を基本にしつつ、いろんなゲストが参加することになるんじゃないかな。個人的には、(SHIBUYA)AXがなくなっちゃうのがとても淋しい。ポイント、ポイントで立たせてもらった会場だし、よくライヴを見に行ってたし、重要なハコです。自分としては最後のAXでのライヴですね。感慨深いです。それと神戸に関しては、ソロでライヴをやれること自体がすごく嬉しい。今年の5月にも震災のチャリティライヴ(<KOBE SUPER SESSION>(RYUICHI、SUGIZO、INORANが参加))をやったしね。

──LUNA SEAとしても復活後にライヴをやっていると思いますが神戸は思い入れの強い場所ですか?

SUGIZO:そうですね。震災の年(1995年)にツアーで神戸に行く予定だったんですけど、会場が壊れてできなくなってしまたんです。そのときから想いは強くて、復活している神戸は自分にとって日本の希望みたいな場所ですね。

──12月23日というLUNA SEAにとって特別な日を選んでライヴをやることからも想いが感じられます。

SUGIZO:何日か候補が出てきた中から、12月23日に決めました。この日にライヴがやれるのは嬉しいですね。

──カオスが加速していっている世の中で、究極の浄化作用があるSUGIZOさんの音楽は、多くの人に必要とされていくと思ってるんです。聴いていると、体内にたまっている不純物が出ていくような不思議な感覚があるので。

SUGIZO:嬉しいですね。自分の音楽を通してみんなのネガティヴが浄化されて、次のレベルにステップアップできるような、何か気づきを促せるような音楽を生み出したいです。そしてそれってダンスミュージックが適してるんです。パーティ系とかハウス系のきらびやかな音とか、様々なカテゴリーがあるけど、俺が好きなダンスミュージックはサイケデリック、トランス、いわゆるシャーマニックなものなんですよね。太古の時代から必要とされていた音楽って、実は踊るためのものであり、浄化するためのものであり、天と繋がるものだったと思う。そういうプリミティヴな音楽の現在進行形を表現したいと思ってるんです。細胞や魂が震えるような音楽。と言いながら、ステージに立ってるときは、そんなこと考えてないけど。

──ステージでは無になっている?

SUGIZO:そうですね。ロックバンドって、プレイしている人間が大事なんだけど、ソロでは自分の存在すら、そこにあるパーツにしか過ぎない感覚があるんです。自分はキーだったり、トリガーでしかなくて、音楽で何か大きなエネルギーを感じてほしいっていう気持ちがすごく強い。音そのものにエネルギーが宿っているのを感じてほしい。そこには人を癒す作用もあれば、傷つける作用もあって、多くの情報が詰まっている。だから、音のヒーリング作用ですよね、俺の音楽は。ただ、たおやかで気持ちいいだけじゃなくて、ときには激しさを叩きつけたり。だから、身体や心を揺さぶられるようなすごい震動があって、何かがふるいにかけられて、必要ないものがバーッて吐き出されて、その後に恍惚感があるような、そんな感覚です。

──ツアータイトルの意味は?

SUGIZO:「気づきへ」という意味あいですよね。さっき言っていただいたように、今の世の中に必要な音楽を生み出していくつもりです、これからも。

取材・文●山本弘子

<SUGIZO TOUR 2013 THRIVE TO REALIZE>
2013年12月23日(月・祝)神戸WYNTERLAND
2013年12月29日(日)渋谷AX
詳細はBACKSTAGE PROJECTオフィシャルサイトへ
http://www.backstage.co.jp/index.php

SUGIZO New Remix Album
『VESICA PISCES』
2013年3月6日発売
¥2,500(tax in)
1: CONSCIENTIA ERA / Remix by The Orb vs Youth
2: FINAL OF THE MESSIAH / Remix by System 7
3: ENOLA GAY RELOADED / Remix by Joujouka
4: ARC MOON GODDESS / Remix by DJ YUMMY
5: TELL ME WHY NOT PSYCHEDELIA / Remix by Juno Reactor
6: THE MAD FOLLY / Remix by uvAntam a.k.a. Ubar Tmar
7: REPLICANT EDGE / Remix by DJ AMIGA
8: SPIRITUAL PRANA / Remix by Dub Master X
9: SLEEP AWAY TO SHINNING / Remix by SiNE6 a.k.a. MaZDA
10: FATIMA QUEEN / Remix by Minilogue
11: ETERNAL FATIMA / Remix by SUGIZO

◆SUGIZO オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報