【ライブレポート】<Revo's Halloween Party>はSound Horizon、Linked Horizon人気曲が勢揃い

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Sound Horizon、Linked Horizonを主宰するサウンドクリエーターRevoによる<Revo’s Halloween Party>が10月26日(土)にさいたまスーパーアリーナにて行われた。

◆<Revo’s Halloween Party> 画像



Sound Horizon及びLinked Horizonは元々Revoのみを正式なメンバーとするプロジェクトだが、その “物語音楽”の世界を音源からライブへ具現化するにあたっては50人近くがサポートメンバーとしてステージ出演している。その内訳もミュージシャン、ダンスアクター、旗振り役、子供たち、そして歌姫たちとナレーション担当のサッシャ、最後にRevoと多岐にわたる構成だ。

開演前には席についた観客全員に腕時計型のシンクロライト(通称「リストバンド」)の配布がなされ、サッシャのアナウンスで使用に関するレクチャーも行われた。アリーナの全座席が統一された光の点滅でSound Horizonの世界の一部分になっていく様は見事。観客の力までも舞台装置として借りることで、逆説的に観客全てを物語世界の中へ巻き込んでしまう手腕が錬金術を彷彿とさせる。

まずはSound Horizon1曲目、ニューシングル「ハロウィンと夜の物語」のスタート曲である「星の綺麗な夜」から。アリーナ中央にせり出したステージの暗闇にRevoが一人登場し、物語の幕が開く。

牧歌的な家々のセットの奥のフルスクリーンに様々な風景が映し出され、1曲目の歌詞にもいる“鍬を持った農夫”と踊るカボチャたちがミュージカルさながらに立ち回り、たった1曲で濃密な世界観が生まれていた。2曲目「朝までハロウィン」では舞台にハロウィンの仮装をした子供たちの行列が現れ、「ハロウィンと夜の物語」の楽しげなビジュアルが現実世界にそのまま再現される。3曲目「おやすみレニー」では木村花代による優しい歌声が響き渡り、ハロウィンの物語が見事に完成した。

ここでRevoが出てきて一息MC。それまで「ハロウィンと夜の物語」仕様の黒いマントに身を包んでいたRevoがマントを「いーらない!」と丸めて投げ捨て、新たに赤いマントを羽織る。このマントがさりげなくアルバム『Moira』に登場する登場人物の仮装になっているのがファンには嬉しいところだ。ここからすぐさま「死せる者達の物語」がスタート。「<ハジマリ>のクロニクル」「石畳の緋き悪魔」などなど、次々と飛び出す人気曲に観客たちも熱狂した。


MCを挟んで、続くのはLinked Horizon。TVアニメ『進撃の巨人』前期OP曲である「紅蓮の弓矢」ではステージバックに巨大な「壁」が登場し、手前の家屋とあいまってあたかも観客席側が壁の中の町であるかのような世界観が出現した。カボチャたちが兵団のように舞い踊り、サビの「イェーガー!」の部分でアリーナ中の観客のリストバンドが一斉に赤く瞬く様は『進撃の巨人』原作を見ていれば容易に何らかのイメージを補完することが可能だろう。また、直後にはDaisy×Daisy(MiKA)がボーカルを務める「純愛♡♥十字砲火」も登場。セットリストの中でも特にアイドルソングらしいチョイスは外界と繋がるLinked Horizonならではのバラエティを感じさせる。

Revoによると、今回のセットリストは以前ファンから募集したアンケートを元に上位人気曲をセレクトしたものだという。「こうして選んでみると、どうも速いとか、長いとか、難しいとかそんな曲が上位にあがっております」というコメントには観客席からも含み笑いがあがった。MC後もJoelleのボーカルによる「この狭い鳥籠の中で」やRevoが海賊姿に仮装してのCD未収録曲「海を渡った征服者達」、栗林みな実による曲間の掛け声が印象的な「Star Dust」など、立て続けのSound Horizonメドレーで突っ走る。


さらにSound Horizonメドレー後には、Revo名義の古い曲が披露されることがわかり会場が沸き立った。「死刑執行」でRevoが猟銃をこちらへ撃ってきたかと思えば、最後には新作ゲーム『BRAVELY DEFAULT For the Sequel』への提供曲「歪なる思念 其の名は…」をライブ初披露。ラストは「朝までハロウィン」の音と共にメンバー紹介が行われ、「即ち…光をも逃がさぬ暗黒の超重力」のハロウィンバージョンで全員がジャンプ。ハロウィンらしい楽しい雰囲気でパーティー本編を締めくくった。

本編終了後、ステージ場に残ったRevoはアリーナに集まった観客たちに向け、翌日の10月27日がSound Horizonメジャーデビュー9周年になることを明らかにした。そしてその上でまず自らの心境を「悔しい」と表現した。それは観客ではなく自らの力不足へ宛てられた言葉だ。アリーナからは今日のライブの手応えとも言っていい、興奮した歓声が飛んでくる。

「(声援)ありがとう。それは本当に嬉しい。でも僕はもっと君達を、君達が思っている以上にもっと楽しくしたかったんだよ。だからすごく悔しい。だからこそ、今日こうして皆さんが集まってくれた意義が一つ増えたんじゃないかなって思います。悔しい。だから10周年はもっと頑張る!」

なので、ついてきてください! と声を張り上げるRevoにこの日一番の歓声が応えた。最後は会場の観客全員が「栄光の移動王国-The Glory Kingdom-」を斉唱。王国の主としてのRevoに最大限の敬意を表し、ライブは終演した。

セットリスト
1.星の綺麗な夜
2.朝までハロウィン
3.おやすみレニー
4.死せる者達の物語
5.<ハジマリ>のクロニクル
6.石畳の緋き悪魔
7.朝と夜の物語
8.終端の王と異世界の騎士 ~The Endia & The Knights~
9.The Theme of Linked Horizon
10.紅蓮の弓矢
11.純愛♡♥十字砲火 [Long Version]
12.地平を喰らう蛇
13.この狭い鳥籠の中で
14.宵闇の唄
15.海を渡った征服者達
16.Star Dust
17.召喚という儀式/死刑執行
18.The Beast of the Endness
19.La ragazza col fucile
20.歪なる思念 其の名は…
21.即ち…光をも逃がさぬ暗黒の超重力(Revo's Halloween Party Ver.)

◆Sound Horizon「ハロウィンと夜の物語」特設サイト
◆Sound Horizon オフィシャルサイト
◆Linked Horizon オフィシャルサイト
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