【ライブレポート】jealkb、崖っぷちからの覚醒 「今まで馬鹿にしてきた奴らを見返してやりたいんだよ!」

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11月9日、jealkb<丞昇薔薇ノ気流>ツアーの埼玉HEVENS ROCK公演が行われた。

◆jealkb ツアー<丞昇薔薇ノ気流> 埼玉HEVENS ROCK公演 画像

このライブのオフィシャルレポートが到着したので、お届けする。

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2013 年の2月から5月にかけて行った全国5ヵ所をまわる全国ツアー<崖淵薔薇ノ背水>から約5ヵ月。jealkb は、<丞昇薔薇ノ気流>と名付けられた新たな旅に出た。

この<丞昇薔薇ノ気流>というツアータイトルは、“このままバンドを続けることが出来るのかどうか”が問われた、まさに崖っぷち状態でのツアーだった<崖淵薔薇ノ背水>からの流れで付けられたモノであったと言う。

彼らの武器とも言える映像(VTR)を一切使わずに、純粋に演奏だけで勝負しようと 丸腰で挑み、自らの実力で、崖っぷちから這い上がった彼らは、“這い上 がった後は丞昇するのみ!”という意気込みを掲げ、“丞昇薔薇ノ気流”というタイトルに、新たな目標を置いたのである。

10月5日の名古屋を皮切りに始まったこのツアーは、10月19日の福岡、そして11月9日の埼玉、12月5日大阪とまわり、2014 年1月4日の渋谷公会堂でファイナルを迎えるのだが、このワンマンツアーの流れの途中 に、SiM、NOISEMAKER、ギルガメッシュらと4バンドで東名阪をまわった対バンツアー<Vampire Circuit2013>(11月1日大阪・11月2日名古屋・11月4日東京)を挟み込んで行われたのである。

揺るぎない自分たちの個性を持ちつつも、視野を広く持っている彼らは、 SiM、NOISEMAKER、ギルガメッシュというラウド系のバンドとの共演を果たしたことで、そこで吸収したすべてをjealkbというバンドに、しっかりと注ぎ込んでいたのだ。

彼らの音に変化を感じたのは1曲目に届けられた「Julia」のイントロだった。 ポップでキャッチーな印象のこの曲が、ガラリと印象を変えたヘヴィチューンに変化していたのである。 「かかってこい! 埼玉!」ノッケから攻め立てる haderu(Vo)。

たった数ヶ月見ないうちに、ここまでライブの印象を変えてしまうとは。彼らの成長と進化に驚かされた瞬間だった。2曲目に届けられた、切なさを含んだ歌モノである「恋心」も、サウンドが太く厚みを増したことで、この曲に込められた切なさと後悔が、より深く胸に突き刺さってきた。音の変化もあってか、haderuの歌にも大きな成長が見られた。

そのサウンドの変化には、サポートギターの存在も実に大きく関わっていたと言える。この先、さらに音を貪欲に追求していきたいというメンバーの意向もあり、このツアーから、サポートを加え、ツインギター体制で挑んでいるのだ。

このサポートの名前は“サポト”。3文字のステージネームから構成されているjealkb故の命名である。絶対的な実力を持つこのサポトは、メンバーと共に jealkbの音を進化させてきた存在とあって、メンバーとの息もピッタリ。

そんなサポトの参加によって、純粋にギターの厚みが増したことはもちろんのこと、ediee(G)のギタープレイにも余裕が生まれ、表現が豊になっていたのだ。上モノの変化は、自ずとリズム隊にも変化を与えていた。 elsa(Dr)のドラミングとdunch(B)のベースプレイにも、今まで以上の安定が宿り、より奥行きのある深いリズムを感じさせるモノとなっていたのである。

この日、jealkb に感じた変化はサウンド面だけではなかった。 これまでもエンタテイメント性の強いバンドではあったが、バンドとしての魅せ方にも確実な成長を感じさせられたのだ。ここで一番の成長を感じさせてくれたのはdunchだ。寡黙なプレイスタイルが個性でもあったdunch だが、この日は、何度も上手に構える ediee の元へと絡みに行き、音を重ねるというパフォーマンスを魅せてくれたのである。

そんな動きのある魅せ方は、オーディエンスをしっかりと呑み込み、ハードロックンロールナンバーである「歪ミイズム」では、ステージ上もフロアも、 境界線がない程に熱いノリを生み出し、手放しで盛り上がったのだった。

続けて届けられた「DISCHARGE」では、ラウド系のバンドのノリを、jealkb のライブにも取り込もうという、haderuの提案により、客席の中に大きなサークルを描き、一定の方向にみんなで勢い良く走るという、“サークルモッシュ”を作らせ、今までにないhaderu のノリをそこに作り出したのだった。

その他、この日は、haderu が客席にダイブするなどのパフォーマンスも見せた、終始攻めの体制でのライブとなったのだが、決してエゴにならぬよう考えられたライブ構成でメリハリをつけながら、あくまでもオーディエンスを一番に楽しませつつ、対バンツアーで吸収した硬派なバンド像を、ここに提示してくれたのである。

「過去最高のノリでしょ! メジャーデビューして6年。“所詮、芸人がお遊びでやってる暇つぶしバンドだろう”って言われて、馬鹿にされて、悔しい思いをしてきたけど、このノリなら目標である武道館に行けるよな! 武道館に行って、今まで馬鹿にしてきた奴らを見返してやりたいんだよ! BLITZ や ZeppやAXもやってきたけど、まだまだそこじゃ満足してないし、そこじゃ見返せないんだよ。武道館に立つまでは。だから、絶対に武道館 行ってやるからな!」(haderu)

そんなhaderuの声に歓声を上げるジュアラー(ジュアラー=jealkb のファンの名称)も、この日のライブを最高の景色に導いた重要なエンタテイナーであったと思う。 “過去最高のノリ”と言わしめた、どこにも負けないノリを生み出していた今日という日の音に、彼らの強い意志と、本気を感じた。きっと、この勢いは、2014年1月4日のファイナル渋谷公会堂に繋がることだろう。

この日のライブは、ニコニコ動画で初の生配信を試みていたのだが、なんと、視聴者数は23,633人にものぼったと言う。10月31日で、メジャーデビュー6周年を迎えたjealkb。きっと彼らはこの先、ますます本物のバンドとして成長していくことだろう。

写真◎田中伸二
文◎武市尚子

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<丞昇薔薇ノ気流>
2013年12月5年(木) 大阪MUSE HALL
OPEN 18:00 STRAT 18:30
[問]:キョードーインフォメーション 06-7732-8888
2014年1月4日(土) 渋谷公会堂
OPEN 17:00 STRAT 18:00
[問]:H.I.P 03-3475-9999 全日 10:00~18:00
料金:全席指定 ¥4,800(税込)※3 歳以上有料

◆jealkbオフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-ROCKチャンネル「VARKS」
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